その3 ポントス先輩の説教

「大体だな。どうせ先に下級生に難癖つけたのはお前達の方だろう」


 お、ポントス先輩が説教モードに入ったぞ!


「基本的にはお前達の方が悪い! どうせお茶会の件でこいつに絡んで参加させまいとしたのだろう。まあ相手が悪すぎてお前達の方が遊ばれているようだがな」


 流石ポントス先輩、状況がよく見えているようだ。


「でも神聖なお茶会に外部生の、しかも男なんて」

「それは生徒会が決めた事だ。決定権は生徒会にある。

 それともお前達は生徒会に逆らうのか。そうでなくとも勝手に生徒会親衛隊を名乗っているお前達の評判は良くないぞ」

 三人とも小さくなる。


「さらに言うとこいつ、こう見えて会長のお気に入りだからな。下手するぞお前達が一生会長に近づけない羽目になる。それでもいいのか」

「そ、それは……」

 三人、さらに小さくなる。


「ならここで諦めろ。状態が状態だから謝れとは言わん。だがこいつの件はここまでだ。いいな」

「はい……」

 おお、三人ともポントス先輩の前では素直だな。

 まあ格の違いというところか。

 そのまま三人はそそそそと消えて行く。


 それを確認した後、ポントス先輩は大きな大きなため息をついた。

「お前もあんまりやり過ぎるなよ」


「いえ、本当に助かりました」

 ここは真面目くさって礼を言っておこう。


「嘘つけ」

 あっさり否定される。

「私があいつらを止めたのは、お前にこれ以上遊ばれるとあいつらが可哀想だからだ。今回は脱がせる悪い癖は発揮しなかったようだがな」


「好みのタイプでは無かったので」

 つい本音を言ってしまう。


 ポントス先輩は再び大きな大きなため息をついた。

「そんなところだろうな。なら私はここで失礼する。正直お前とはあまり付き合いたくない」

「そんないけずな」

「本心では無いだろう。お前の趣味は小柄胸無しのロリと聞いている」


 おお何という事だ。

 その通りだ。

「何処でバレました」

「色々とな」


 ため息が多いな、ポントス先輩。

 そう思ってふと疑問を思いつく。

「そういえば会長って誰ですか。お気に入りとか言われましたけれど」

 ポントス先輩は一瞬、意外そうな顔をする。

「気づいていないのか。でも私にはお前に教える筋合いは無い」


 今までの関係性からしてまあそうだな。

 でも食い下がってみよう。

「そこを何とか」


「さらばだ」

 ポントス先輩は回れ右をして去って行く。

 うん、何か漢という気配というか感じがするよな、ポントス先輩。

 見かけはエアロビで前によくいるような筋肉女だけれども。


 さて。

 玩具おもちゃが無くなってしまったから仕方無い。

 第二講堂へ行ってエロゲでもするか。

 翠さんが新しいのを持ってきてくれるって言っていたものな。

 今度はロリのハーレムものだといいな。

 俺は第二講堂へ向けて一歩踏み出した。

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