リアルで女声で無口な僕が幻想美少女に!?~美少女Vチューバー達にヴァーチャルワールドでは愛されて困っているボクのゲーム実況録~
#071 アリスの冒険世界 1日目その4 レベルアップ! 覚醒する無職!
#071 アリスの冒険世界 1日目その4 レベルアップ! 覚醒する無職!
「もう一戦いける?」
「いや無理、次戦ったら死ぬ」
あの後3回スライムの集団と遭遇し戦った。
結果は全勝! だけどシオンだけがフルボッコになってHPはレッドゾーンだった。
「今にも燃え尽きそうな命だが、スライムごときにやられたくはない。 なので帰らせてください」
そう残りHP1でシオンがギブアップしたのだった。
「うーん次でレベル上がるから、その後宿屋へ行きたかったのになあ⋯⋯」
「デスペナがキツイよ!」
まあ所持金半分はこの序盤でもキツイな、さすがに。
なのでボクらはいったん出直すことにしたのだった。
そして最初の町の宿屋に泊まる。
ベッドの数が1つしかないショボい宿だった。
テーレーレーレーレーテッテッテー♪
【ゆうべはおたのしみでしたね】
うーんリスナーさんはよくわかってる、お約束を。
「ちょっと!? お楽しみって何よ! 私とアリスは別になんにもしていないから! 勘違いしないでよね!」
お約束を知らないルーミアはそう過剰に反応してしまったのだ。
【これは怪しいですなあ⋯⋯】
【てぇてぇ】
「あールーミア、そういうネタがドラファンにはあってね」
「そうなの? どういう状況?」
それでボクが説明するはめに⋯⋯。
「んーと、勇者が救出したお姫様をお城に戻す前に一緒に宿に泊まった後の朝言われるセリフ」
「⋯⋯⋯⋯なによそれ! してない! してないわ! 私
【まだ!?】
【ほう⋯⋯続けて】
【つまり将来的には⋯⋯】
【ルーミアってむっつりなのかw】
「うー、違うのに!」
「落ち着いてルーミア、茶化しているだけなんだから」
「あなた達そんな夫婦漫才は後でしなさい」
「早く行こうよ」
そうみどりさんとシオンに急かされ冷やかされたのだった。
なんかちょっと恥ずかしいな。
「はい、いま行きますね」
「──⋯⋯」
ルーミアは無言だった、きっと顔を赤くしているんだろうなと想像しながらボクらは宿を出るのだった。
再び森に来た。
[スライム討伐数 あと20匹]
「⋯⋯」
「⋯⋯」
「⋯⋯」
「⋯⋯」
しばらくボクらは硬直した後⋯⋯。
「リセットされてるじゃん討伐数!」
「またやり直しなのコレ?」
「開発! バグでしょこれ!」
「こ・れ・は、クソゲーの予感がしてきたわね!」
[運営:仕様です]
そのメッセージでボクらは阿鼻叫喚になるのだった。
でもみどりさんは何故か嬉しそうだった、⋯⋯マゾかな?
「もしかしてこのクエスト、もっと後でするやつなのかな?」
「まあ経験値とGは手に入るし、クリアはできるよ⋯⋯いずれは」
「いやソロで5匹なら余裕よ。 私たちは4人だから20匹だけど⋯⋯」
「それでネーベルさんが集中攻撃されたから失敗したの?」
「うう⋯⋯ごめんね足引っ張って」
「いやシオン1人がスライム10匹分にフルボッコだったのがマズかっただけだし⋯⋯」
こうしてボクらは紙装甲のシオンだけが集中攻撃されないように、こまめに隊列を変えながら満遍なくダメージを負っていく事に作戦を切り替えるのだった。
そしてついにこの時が訪れた!
テレレレテーレッテー♪
レベルが上がったのだ!
全員同時に、つまり種族とかは関係なく同一経験値で上がる仕組みらしい。
あと経験値もパーティーで均一に振り分けられているようだった。
ネーベル
レベル:1→2
種族:ヴァンパイア
職業:戦士
HP:23/50(+30)
MP:80/80(+20)
ちから:10(+3)
耐久値:4(+2)
素早さ:9(+2)
器用さ:4(+1)
体力値:5(+3)
魔力値:8(+2)
精神値:6(+1)
幸運値:4(+1)
みどりん
レベル:1→2
種族:鳥人族
職業:吟遊詩人
HP:55/70(+10)
MP:30/40(+40)
ちから:5(+1)
耐久値:7(+0)
素早さ:10(+2)
器用さ:5(+1)
体力値:7(+1)
魔力値:4(+4)
精神値:4(+4)
幸運値:8(+2)
ルーミア
レベル:1→2
種族:猫獣人
職業:黒魔法師
HP:55/60(+30)
MP:12/40(+30)
ちから:9(+2)
耐久値:7(+1)
素早さ:9(+3)
器用さ:5(+1)
体力値:6(+3)
魔力値:4(+3)
精神値:3(+1)
幸運値:7(+1)
アリス
レベル:1→2
種族:機械人形
職業:自由な冒険者
HP:32/60(+0)
MP:40/40(+0)
ちから:5(+0)
耐久値:9(+0)
素早さ:7(+0)
器用さ:9(+0)
体力値:6(+0)
魔力値:4(+0)
精神値:4(+0)
幸運値:6(+0)
「⋯⋯」
なんとボクのステータスは全く上がらなかったのだ!
「おーHP上がった! これでタフになったぞ!」
そうシオンははしゃいでいた。
「ふむ⋯⋯魔力と精神が均等に伸びている、賢者タイプなのね吟遊詩人は」
「あー私のMPもいっぱい増えた、これで魔法もたくさん撃てるよ!」
どうやらみんなはしっかりと成長があったらしい。
⋯⋯無職のボクと違って。
「アリスはどう?」
「無職ってどんな上がり方?」
「⋯⋯どうしたのアリス?」
無言のボクをみんなは心配しているようだった。
⋯⋯何このクソゲー? 最初にミスったら取り返しつかないじゃん!
しかしボクは
[ ▽ ]
⋯⋯あれ? まだ続きがある?
ボクはボタンを押した、すると──!?
[アリスは種族スキル カスタマイズ をてにいれた!]
[アリスは10のステータスポイントをてにいれた!]
[アリスは職業スキル 自由な成長 をてにいれた!]
[アリスは5のスキルポイントをてにいれた!]
と、表示されたのだった。
「⋯⋯何これ?」
ボクは困惑する。
それは視聴者のコメント欄も同じだった。
【何これ?】
【まるで成長していない】
【アリスだけ成長変】
【無職だから?】
そこで一旦ゲームを中断してボクたちは、お互いのステータスを見せあって検証を始めたのだった。
「うーん、よくわからん」
ボクらはステータスの謎に苦労して嫌な気分だった。
「これはもう秘密兵器を投入しましょう!」
そうみどりさんが提案して⋯⋯どこかに電話を始めた。
⋯⋯収録中なのにいいのか?
『はい、もしもし』
「アイ? 忙しいとこごめんね」
『別に、今ヒマっだったから』
「うわ出た! リアルチート!」
そうシオンがぼやく。
【うわ卑怯w】
【ここでアイちゃんキタwww】
【ポラリスの頭脳来たw】
アイ、その名はボクも知っている。
ポラリス所属のVチューバーでシオンやみどりさんの同僚だから。
実はVチューバー界以外の場所で、すごく有名な人物である。
そんな事を考えていると、みどりさんの状況説明は終わったらしい。
『わかりました。 それではスクショ送って下さい』
そうしてみどりさんの撮っていた、ボクらのステータスのスクショを送ったようだ。
⋯⋯待つ事1分。
『どうやらこのゲームは、どの種族もレベル1のときのステータスの合計値は50になっている。 それでレベルアップ時のステータスに『種族』の10ポイントと『職業』の5ポイントが振り分けられているみたい』
そうあっさりと、このゲームの成長システムを解き明かしたのだった。
「じゃあアリスだけ成長が変なのは?」
「それはこれのせいだな、機械人形の種族特性の『カスタマイズ』でステータスポイントを自由に振り分けられるみたいだ」
「そのうえ職業無職⋯⋯じゃない、いつのまにか『自由な冒険者』になっている。 このせいでそっち分の成長はステータスアップじゃなくてスキルポイント制になってるのか」
「つまり⋯⋯アリスはどうなるの?」
「普通の戦士や魔法使いを作ろうとしたらステータスが上がりにくいから弱くなる。 でも極振りとかしたらユニークなキャラ育成ができるはず」
そういう結論だった。
『⋯⋯もういい?』
「ええ、ありがとうアイ!」
『⋯⋯どういたしまして』
それで電話は切れたようだ。
「さすが我がポラリスの頭脳ね」
「すごいですねアイさんって」
彼女の名は『アイ・ラプラス』悪魔の天才科学者という設定の、ポラリス所属のVチューバーである。
しかも表の数学会の方でも有名人である。
なんかよくわからん難しい公式を解いたとかで⋯⋯。
なんでそんな天才がVチューバーなんかやってんだろ?
それはさておき!
「まさか機械人形と無職の組み合わせで、こんなチート化するとはね」
「ええー、アリスずっるーい!」
「はははっ! これぞまさに
なんだ神ゲーじゃないか! ボクの手はドリルのように回っていた。
「さーて、どう育成するか⋯⋯」
そう考え始めた時だった。
「じゃあアリス、
「⋯⋯えっ?」
そうシオンに言われた。
ボクは
「そうね、私たちのパーティにはヒーラーが必要だもんね」
シオンとみどりさんがそう押し付けてきた。
「えー」
「でもやっぱりアリスのキャラだし、アリスに自由に決めさせた方が⋯⋯」
そうルーミアが庇ってくれるが、このルーミアがピンチになったとき守れるのは⋯⋯、
ヒーローではなくヒーラーである。
「わかったよ! みんなの命はボクが預った!」
そしてボクはステータスを振り分ける!
アリス
レベル:2
種族:機械人形
職業:自由な冒険者
HP:32/60(+0)
MP:40/40(+40)
ちから:5(+0)
耐久値:9(+0)
素早さ:7(+2)
器用さ:9(+0)
体力値:6(+0)
魔力値:4(+4)
精神値:4(+4)
幸運値:6(+0)
そしてスキルポイント3使って回復魔法『ヒール』を習得した。
「ほんとはこの世界でヒーローに成りたかったけど、これからはみんなのヒーラーにボクはなる!」
その後、レベルアップし強くなったみんなをボクが癒すことによってパーティーは万全となって、初めてのクエストはクリアされたのだった。
こうしてボクの『
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