第7話 違和感
アタシは白井 沙織(シライ サオリ)高校1年生。
最近、アタシの幼馴染がおかしい。
幼馴染の一龍(いっくん)とは、昔は良く一緒に遊んだり。
おしゃべりもしていたのに、最近は、一緒に遊ぼうって行っても頷いてくれない。SNSやろうよって誘ってるのだって今流行ってる話題を共有したいだけなんだけど。
彼が言うピンなんちゃらとか言う奴じゃ、同じ話題が作れない。
いつもなにかと理屈を付けて返事をしてくれるが、それがまたムカつく。
中学校2年生くらいまではそんなんじゃなかった。もっと気安い関係だったんだ。
アタシは高校生に入る時に、せっかくだから高校デビューしようと色々頑張ろうと思っておしゃれに気を使って、怖いけどメガネをコンタクトレンズにした。
髪の毛だってちょっと染めてみた。
そしたら、高校に入ってからチヤホヤされる様になったんだけど、アタシが幼馴染のいっくんと話していると、新しい友だち達がこう言ってた。
『アイツ、パッとしなくね? なんかダサいし』
なんて言われて、反射的に思った『いっくんはダサくなんてない!』
………磨けば光る筈、今は………正直ダサいし、たまに臭いけど………。
それからアタシは、いっくん改造計画を立ち上げた。まずは身だしなみから!
いっくんの両親が海外に行ってから、気が抜けてるのか服はよれよれだし。匂いもする事がある。洗濯物をすぐ干してないに違いない。
なので髪の毛を短くする様に言ったり、最近太ってきてるから筋トレを勧めてみた。彼は中学の時に合唱をやってた時は、どんどん歌が上手くなってた。
そんな、何かをやり始めたらドンドン上手くなってったり褒められたりする。そんな幼馴染を見習ってアタシは中三の頃から色々気を使う様になったんだけれど、彼は独りになってから色々な事が適当に適当になってた。
でも、幼馴染であるアタシは知っている。
いっくんは、やり始めたら凝る人なんだ。きっかけを作ればきっと良くなる。
そうして、アタシ好みにいっくんは成長してくれた。ちょっとカッコ良いよね? 身内贔屓引いても? そして、そんなカッコ良くなった幼馴染をみんなに見せる為にカラオケに誘ったんだけど、振られてしまった…………
『知ってる奴とだけでカラオケに行くならいい』
って言ってたけれど、知り合いだけで行っても意味なんだけどなぁ………
どうしようかなぁ。と思ってると、ある日いっくんから、校舎裏に呼び出された。
『サオリ、俺と結婚を前提に付き合ってほしい。お互いに高め合える関係になりたいんだ』
「え……………無理」
(だって、そんな・・・最初から結婚を前提にだなんて重すぎる。アタシ達まだ高校生だよ?)
『そうか…………なぜ無理なのか教えてもらっていいか?』
「えっと。もっと年上の人がいいな?」
(そうちゃんとした結婚が出来るくらいに………なら)
「それは………流石に出来ないな………………それじゃこれからも俺たちは友達で幼馴染と言う事でいいかな?」
「うん。それは勿論だよ」
………そっか、いっくんはアタシとの結婚を意識してくれてたんだ。びっくりしたけど嬉しいな。
――と思ってたんだけど。
それからはアタシは気まずくて、話しかけづらくなっていた。いっくんもなのか、あまり話しかけてくれない。寂しい……結局カラオケも行けてないし。
そんなある日、教室で、隣の席の可愛いギャルっぽい娘と楽しそうにおしゃべりしていた。
しかも今度二人でカラオケに行くんだとか?
一体どういう事なの!? 浮気??
そう思って、アタシは思わずいっくんを問い詰めてしまってこういった。
『じゃぁ、アタシもマック行っていい!?』
『いや。今回は遠慮してくれないか。今日は……リナと話したいんだ』
そうしたら、また振られた。今日はアタシとは話したくないんだって…………ていうか、なんでその娘の事を名前呼びしてるのかな? かな!?
『また誘うからねっ!!! 覚えて置きなさいっ!!!!』
『あぁ、また誘ってくれ』
他の日に誘えばいいらしい。
もう、私の幼馴染が何考えているのかわかんない。
モヤモヤする……こんな状態で今日の夜、気持ち良く寝れる気がしない。
そうだ! 久々にいっくんの家にお泊りしよう。
そうすれば、きっと良くなるはずだ。
そう思ったアタシは、自分といっくんの両親に泊まりに行く事をメッセして早速出発した。
----------------------------------------------------
アタシは、いっくんの家に着いたんだけど。まだ彼は帰ってきてない。
…………マックでどんだけ時間使ってんの?
そう気になりムズムズした気持ちのままメッセをすると
サオリ:ねぇ、今どこ? 山本さんと何してるの?
いち:マックだよ。さっき言ったよね。
いち:でも、これからリナとカラオケ行く事になったから
はぁぁぁはぁ!?!?!?
一体どうしてそんな事に!?
この間、アタシに告白してくれたよね!!
どういう事なの! 二股なの!?
わけわかんない。わけわかんない。
嫌だ嫌だ嫌だ。
つづく
----------------------------------------------------
あとがき
今回はサオリ視点でした。
次話は主人公視点に戻ります。
続きが気になると言う方は是非
フォロー、☆、♡をお願いいたします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます