第50話 いつもその笑顔で
話の流れで、サオリの誕生日にアロマの交換をする事が決まった俺たち。
これで、悩みの一つが解決出来たなと思って気分が上向いて来た。
「おはよう」
「おはー♪」
リビングに行くと、リナが居たので挨拶してシャワー浴びに行こうとすると、呼び止められた。
「ちょっと良い? 昨日置いてったアロマ使ってくれた?」
そう言われて、匂いを確認された………なんかさっきサオリにもされたような。
「うんうん。良い感じだね。よかったらそのまま使ってみて」
「思ったよりぐっすり眠れたよ。いつも使ってるのか?」
「そだね。色々使ってみてるよ。興味あるの?」
「自分でも買ってみようかな。とは思った。サオリの誕プレにしようかと」
「良いね♪ 私も一緒に行っていい? いつも通販だから、届かないと分からなくてさ。買ったは良いけど、使ってないのも結構あるんだよねぇ」
「多分大丈夫。サオリに都合聞いて見る。いつが良いとかある?」
「私はいつでも。基本暇だし」
「わかった。じゃ、シャワー行ってくる」
そう言ってシャワーをして、軽くご飯食べてから、昨日の様に勉強をする俺たち。昨日よりは集中出来てるのか、リナ先生にも怒られずに終えられたので、夕方は三人でアニメ鑑賞をする事に。
「何みようか? 『幽霊みえちゃう娘』?」
「いいかも。でもサオリちゃんは大丈夫? 幽霊物だけど」
「スプラッタは苦手だけどアニメなら多分大丈夫………」
昔一緒に見た『リングス』はダメだった筈だけどアニメだから大丈夫かな………。
まぁ、ダメならダメで別の物見ればいいか。と思って観始めたが、、、やはりダメだった。
「何何何!これ!! 怖いんだけど! なんでこんなの観てんの!」
「いや、後でいい話もあるんだよ。ほっこり系なんだよこのアニメ」
「意味わかんない。いつそうなるの?」
「えっと、3話とか4話くらいからだったかな?」
「たしかそのくらい? でも毎回幽霊出るけど」
サオリは完全に俺の後ろに隠れてしまった。じゃぁ、別のアニメにする? と聞いたけれど「アンタ達が観たいならそのまま観てればいいじゃない」と言いつつ、ずっと俺にしがみついて居る。本人がそう言うならいいのかな。。。今日の夜とか大丈夫かな。と思って、リナの顔を伺うけれど。いい笑顔で、親指を立てていた。
まぁ、それならと思って、アニメ鑑賞を続ける。やっぱオープニング曲いいなぁ。作画もいいし、なにより可愛い。
「この音楽は怖くないね」
「そう、オープニングは楽しい感じなんだよ。本編とは違って、いや本編も考察しながら観ると面白いんだけど!」
「うんうん。わかるぅ」
「だよな。二回観てもいいよな」
リナと考察に関して盛り上がる。サオリは相変わらず俺にくっ付いたままだ。いいのかこのままで? と思うが、アニメ変えるかと聞くと変えなくていいと言うし。。。あ、ちょうど、この後、猫をヤクザに渡すシーンだ。
「ここほっこりするシーンだよ」
そう言って、サオリに声をかけて一緒にみる。
「ん。猫ちゃん良かったね。あと奥さん? も」
「でしょ、これ面白いんだよ。漫画もあるよ」
「へ、へぇ………」
あんまり興味がない様だな。。。まぁ、もういい時間になって来たし。
そろそろ晩御飯かな。
「もう、いい時間だし晩御飯にしようか。あと今日はリナも家に送らないとだし。どうする? 家かそれかどっかいくか」
「晩御飯作るついでに、明日のお弁当も用意するから家で食べましょう。親子丼でいい?」
「「はーい(ママ)」」
サオリが離れて行ったので、隣が寂しくなった。と思ったらリナが膝の上に転がって来て、膝枕の体制になった。
「どうした? 疲れた?」
「ちょっと眠い。かな」
そう言って、あくびをして目を閉じてしまった。俺も、集中してアニメ観てたのでちょっと疲れた。少し休もう。。。そう思って目を閉じた。
膝の上の重さが無くなったのに気づいて起きた。少しの間、うたた寝が出来た事でスッキリした。けれど、膝の上に居た娘は、どこに行ったんだろう。と思って瞳を開けたら寝返りを打った時に膝から落ちた様だ。そのままだと可哀想なので、クッションを頭に敷いてから、ソファーから出て、洗面台で顔を洗ってから台所にいるサオリに声をかけた。
「そろそろ出来るよ。リナちゃんは?」
「なんか寝ちゃった」
「疲れてたのかな?」
「そうかもね」
「親子丼だから、蓋しておけばある程度大丈夫だけれどどうする?」
「少しまってようかな」
そんな会話をしつつ、リビングの机でサオリと隣り合って、何気無い会話をして過ごしていたら。今日は、大きな事はなかったけれど、いい日だな。と感じた。
が、明日の話になったらサオリの顔がまた曇ってたから、元気付けてあげたいと思って、昼に公園から帰った時の様に手を握ってあげてたら。効果はあったらしい。
いつもその笑顔でいてくれたらいいのに。
つづく
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あとがき
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