第82話 親子丼その②

 俺は、シ○ブ漬け親子丼をいただくことにした。


 差し出された親が持つ果実は思っていたよりも大きく、その柔らかい部分を舌で味わいながら、茶色い部分とやや明い色に染まった白い部分を交互に口に入れて同時に楽しんだ。


 それだけでなく、そこに少し粘り気のある部分があり、ややしょっぱい味がした。その塩味が全体の変化をもたせていて、汁で染まった部分と茶色い部分を、交互に口に入れて頂くことで、喜びをもたせてくれるんだ。


「美味しい? もっと食べていいのよ?」


 そう、菜月さんが言ってくれる。しゃぶればしゃぶるほど、知れば知るほど、もっと欲しくなってくる。口の中の唾液が止まらない。


「お代わりするなら、こっちの食べてよ♡ あーん♡」


 そうリナが言いつつ、一番美味しい部分を差し出してくれた。ちょうど、半熟になっている部分が、ヌルヌルしていて蠱惑的な美味さを演出している。こんな良いところを最初に俺が貰ってしまっていいんだろうか?


 そう思って、目で確認をすると推定生娘は満面の笑みでいる。


「一番美味しい所は、最後にとっておくことにしてるの♪ 美味しそうでしょ?」


「そんな所を貰っていいの?」


「もちろん、いった君だからだよ。他の人にはアゲないよ♪」


「ありがとう。嬉しいよ。それじゃ頂くぞ」


「どうぞ♡」


 本人の許可が取れたので、意を決して口の中に入れた。そうすると未成熟な部分の中に確かな大人の部分があり。それがとても心地よく。ずっと食べていたい。そう感じてまう。


 だけれど、この時間は長くは続かないんだ。いずれ、子供は大人になってしまう。子は成長する事で魅力は増ましていくが、失ってしまう物もある。


 やはり、今その時を楽しむ。それが一番良い。そう思えるのが親子丼だとわかった気がする。


 しかし、まだこれで終わりではない。菜月さんが追加の親子丼を俺差し出してつつ隣に寄り添っているんだ。


「ん〜、大きい♡」


 俺の肩から胸の辺りに手を置いて、そう耳元で囁いて来た。その言葉に俺の下半身は反応してしまった。合わせて全身が緊張してしまって、胸筋が膨らんでしまうと。菜月さんはもっと喜んでくれた。


「ダメだよ。ママにはあげない! こっち見てよ。はい、あーん♡」


「本当にいいの? その何度もシテもらってて」


「大丈夫大丈夫♪ あとで、またデキるし」


「そうか、それなら貰っちゃうかな?」


 改めてリナから差し出されたそれを口の中に入れるとさっきと違う味がした。どういう事かと思って、彼女の顔を見ると頬が赤くなっていた。


「えっと。これは?」


「隠し味だよ、隠し味っ」


「隠せてない気がするけれど。どうしてこんなに赤いんだ? 説明してほしいな」


「い、家だといつもこうなのっ」


「へぇ、知らなかった。教室ではこんな風になってないじゃないか」


「だから、家だけなのっ」


 そういいつつ、さらに顔を紅潮させている彼女。どうやら、この赤い肉の塊を食べる事で、顔が赤くなってしまうのを気にしているらしい。でも、家ではスルって事は好きなんじゃないか。


 そんな所が、ちょっと可愛いと感じてしまったので、ついイジワルしたくなってしまった。


「それじゃ、今度は俺のを食べてよ」


 そう言いつつ、俺は自分の物を赤く染めてから差し出した。女の娘の口にこんな禍々しい物を入れるだなんて、本当にイイんだろうか?


 でも本人は、これが好きなようで、どこか待ち焦がれる様な表情をしている。


「わかった…………あーん」


「あーん♡」


 そう言ってくれたので、口の中に赤く染まった肉の塊を差し込んだ。そうするると、彼女は口の中で転がしながら幸せそうな表情になった。


 隣の席の娘が、俺の赤い肉の塊を食べる事で、こんな顔をするだなんて知らなかった。


 それに頬がさらに紅潮している気がする。そんなに嬉しいんだろうか?


「美味しいか?」


「うん。美味ひぃ」


「それじゃ、外でも食べたらどうだ? 俺はいつでもイイよ」


「ダメ。ダメだよっ。そんなの恥ずかしいよぉ」


「イイじゃないか? 恥ずかしい事じゃないよ」


「えぇ、嘘でしょ」


「あぁ、でも他の人には見せたくないかも。その顔も、とっても可愛いし」


「なんでそんな事言うの。バカっ」


 だって、その顔は目がトロンとしていて、口からはみ出ている唾液がとても艶かしいんだ。他のやつに見せたいとは思えない。


 俺たちがそうやって二人の世界を作ってると菜月さんが


「あぁ、若いって良いわねぇ。私も夫にお願いしようかしら♪」


 と言いいつつ、俺たちが食べ合った後片付けを始めている。どうやら菜月さんは、もう満足したようだ。


 その後ろ姿を見ているとなんとなく居心地が悪くなり。俺とリナは離れてしまった。


 そして、重要な事に気づいたんだ。


「あっ! 親子丼の写真撮ってないっっ!! あんなに美味しかったのにっ!!」


「あるある♪ 美味しそうだと我慢できなくて、写真撮る前に食べちゃう♪」


 失敗したっ。今日の事をなんてサオリに言い訳をしたら良いんだっ。


つづく

----------------------------------------------------

あとがき


親子丼の話です。

表現を一部省いただけで、あくまで親子丼の話です。


大事な事なので2度言いました。


これがエロく感じる人の方がエロいのですっ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る