第41話 お約束は場所を選ばない②

 出会い頭に美少女とぶつかると言う、定番のお約束を家の中でやると言う経験をした俺たち。その後、おでこにキスをおねだりされたりしたが、回避はした。


 大丈夫、まだ浮気じゃない。まだ。。。

そんな、事を考えつつ、リナの家の洗面台で顔を洗っている。俺。


 洗い終えたあと、サオリから返事があるかスマフォを取り出して確認するが、まだ既読になってない。あっちはあっちで大変なんだろう。


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 リビングに戻る時、今度はドアの前に誰も居ない事を確認して開く。さっきと同じ様な事になるのは面倒だからな。


「いった君、準備いいよ」


「じゃ、行こう」


 リナの方も準備出来てた様で、ボストンバックを持ち上げた。やっぱ女の娘の荷物って結構あるな。前来た時は1日だけだったからあんまりなかったけれど。今回は何泊するつもりなんだろう。


「結構、大きいな。何泊するつもりなんだ?」


「二泊三日だね」


「週末全部かよ。大丈夫なのか?」


「うん、大丈夫大丈夫」


 そう言いながら、リナはピースサインをしつつにこやかに笑っている。

………ホントかよ。今度、挨拶した方が良さそうだな。。。

俺じゃなくてサオリがな! 先日は、俺の家に泊まってる事にはなってないからな!


「荷物持つよ」


「え、いいよ」


「いや、持ってない方が困る」(主に俺への周りからの目が)


「じゃ、お願い」


 そう言って渡されたボストンバック。。。え、思った以上に重い。そしてなんかゴロゴロっとした音がした。


「これ、何入ってるの?」


「ん? 化粧品とか入ってるよ。サオリちゃんとお互いに使ってるものとか試したいってなったから」


「な、なるほど」


「あと、下着とかも入ってるよん。見る?」


 そう言いながら、胸元の辺りをつまんで見せて来ようとする。

見せるって、生下着の方ですか! そういや、オフショルダーのシャツ着てるけれど、ブラジャーってどうなってんだろう?


 と思って見るが、、、あ、なんか透明な紐が見える。


「………そんなに見られると照れるんだけど」


 そう言って、リナは顔と肌を分かるくらい赤くしつつ隠されてしまった。自分から、見せに来たのに理不尽だ………でも、あのまま見せられてたら正直ヤバかった。白い肌に吸い込まれてしまいそうな気がする。


「ん”ん” いい加減いこうぜ」


 そう言いつつ、靴を履いて玄関の扉を開けた。リナはブーツを履こうとしていて、ちょっと手間取ってる。見てる感じ履き慣れてる感じはしないな。ヒール高そうだし大丈夫かな。。。


「慣れてないなら無理せずスニーカーとかの方が良くない?」


「こっちの方がお洒落じゃん」


 そう言いつつ、玄関先で軽くターンして見せてくる。確かに似合ってるけれど。


「あっ」


 声をあげて、リナが倒れそうになったけれど、予想は出来てたので二の腕の辺りを掴んで倒れない様にしてあげる。。。二の腕、柔けぇ………たしか二の腕って、おっぱいと同じくらい柔らかいんだっけか、、、


「やっぱ危ないじゃないか」


「うん。ごめん」


「一応、履きやすい靴も持って行こうぜ? 持ってあげるから」


 改めてみても、やっぱり履き慣れてない感じだ。

服は着慣れている様だけれど、外にはあんまり出てないんだろうなぁ。


 中学の時にサオリと花火見に行ったら、気合入れて浴衣と下駄履いて居た。その時は「いいね。似合ってるよ」って言ってたんだけど、それは失敗の始まりだった。


 実際に出かけると、着いた先で、鼻緒ずれ痛がって歩けなくなってしまった事があったっけか………その時は、俺がおんぶして連れて帰る事になってしまった。


 その時は、背中に幸せな感触はあって頑張れたんだけど、人を長時間背負うのは大変で次の日、足がガクガクになってたんだ。。。同じ間違いは繰り返さないぞ。


「うん。わかった」


 そう言って、パンプスを出して来た。ちょっとヒールがまだ高い気はするけれど。これくらいならましか。。。


「ボストンバックには入らなさそうかな………何か入れる袋ある?」


「んー。えー。なんか面倒になって来ちゃった」


 それなら、パンプスだけで良いんじゃないの?。。。そう思うけれど、

俺は、サオリで知ってる。女の娘を急かせて良い事はない。


「いった君は、どっちがいい?」


「とりあえず、履き替えてみてくれる? まだ見てないし」


「おっけー」


 そう言って、ブーツを脱いで履き替えるリナ。何もやる事が無いのでついつい見てしまうけれど。どうして女の娘が靴履き替えてるだけなのにエロく感じるんだろう。普段見えない、足の先が見えてるから?


 そんな事を考えてると、黒のパンプスを履いて立ち上がった。

みた所、ふらついてないし。今度は、大丈夫な気がする。


「どう?」


「うん。そっちの方がいいよ。俺も安心だし」


「よし。じゃー行こう!」


 玄関の鍵をしてから、俺の引っ張り出したリナ。うん、こういう活動的な感じの方が良いよ。君は。


つづく

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あとがき


私服で家から出るだけなのに1話使ってしまった!

作者もびっくりした!


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