第40話 お約束は場所を選ばない

 リナの家にお邪魔している事をサオリにメッセした俺は、なんだかソワソワして来てしまった。今日も、リナの両親は家に居ないらしく女の娘の家で二人っきりだ。

流石に部屋に入ってる訳ではないけれど。


 何もしていないとより緊張しそうだ………スマフォを開いたので、そのままソシャゲで遊ぶけれど………やっぱり集中出来ない。

ん。この新衣装のキャラ欲しいな。でも、課金は出来ないし。。。

っていうかこのゲームって的中率低いし。。。んんー。


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 そんな無意味な事を考えつつ時間を潰して居るとリナがやってきた。

オフショルダーのシャツと短パンで肌色が眩しい。特に鎖骨が見えてるのがエロい。

なんと言うか、とても良いです。思わずジッと見てしまっていた。


「どう? おかしくない?」


「とても似合っててビックリした。この格好で外に出るのは心配になっちゃうよ」


「ありがと♪ 今日は、いった君一緒にいるから問題ないね♪」


「じゃぁ。これでいいかな。他の服も見る?」


「どんなの?」


「んーと。超ミニスカでぱっと見、パンツ穿いてない様に見えるやつとか」


「いや、なんだよそのエロそうな奴………何処で買ったんだよ………」


「ネットで見て適当に、お店とかあんま行きたくないし」


「それで気に入らなかったらどうすんだよ」


「必要ない服はSNSで売ったりしてるよ」


 あー、そういうのもあってSNSやってるのか………稼げる人とか居るらしいしな。詳しくは知らないけれど。


「そうか………とりあえず身バレには気をつけろよ。サオリもなんかSNSやってるの知ってたし」


「あー、、、うん。気をつけるよ」


 身近な人にバレてる時点で、すでにアウトな気がするが、、、これからもちゃんと家に送った方が良さそうだな。。。


「それと、もし買いたい服とかあったら声かけてくれ。俺かサオリが行けるなら一緒に行くから」


 言ってる内に、ドンドン心配になってきた。。。本当に大丈夫か?

サオリにも相談しないと。。。


「え! ホント!? それなら行きたいお店あるんだけど」


「おう。都合が合えばな」


「やった! いった君、優しい! 嬉しいからチューしてあげる♪」


 と言って、リナが抱きついて来た。ちょっとまて。そこまで喜ばせたつもりはな………あ、頬にキスされてしまった。。。


 まだ、サオリにもしてもらった事ないのに。。。いや、小学校の頃はしてもらった事あったか、でもそれはノーカンな気がする。


「ちょっと近い近い」


「えー。良いじゃん! 問題あるの?」


「いや、問題しかないだろ。今、他に誰も家にいないんだぞ」


「それなら問題ないよ♪」


「………もう、行こうぜ。その服でいいんだろ?」


「えー。本当にいいの?」


「何がだ?」


 リナは小首を傾げながら、そう問いかけてくるが、何がダメなのか分からない。

もう一度じっくり見るが、目の前の娘が可愛くて、服装がエロい以外は問題ない。


「ここ、ここ」


 と言いながら、自分の頬を突いているリナ。


「もしかして、、、キスマークついてる?」


「ついてるよ♪ まぁ、いった君が良いなら良いけど?」


「ちょっと、洗面台借りてくる………」


「いってら」


 そう言いながら、ヒラヒラ手を振ってリナに見送られた。

そしてリビング出てから気づいたが、洗面台って何処だよ! 聞いて無かったよ!

見渡すが、よく分からない。誰かの部屋に入ってしまうのも気まずい。


「戻るか………」


 扉を開けてリナに声を掛けようとすると。扉がリナのおでこに当たってしまった。


「痛っっ! うぅうぅぅ。痛いよぉ、これってDV(家庭内暴力)?」


「いや、俺たち結婚してないから。この場合、ただの暴力だからね。っていうか今回はただの事故だ。事故」


 咄嗟にDVを否定してしまう。痛がってる人を目の前にしてそんな事を言ってる場合じゃないんだけれど、自己弁護を先にしてしまうのは男の性なんだろうか。


「………ごめん。痛かった?」


「痛いよぉ。訳わかんない事言ってないで、慰めてよ」


「ちょっと見せて、、、ん。少しだけ赤くなってるかな?」


 髪の毛を少し手で退けて、よく見ると赤くなってる程度の赤さだけれど。リナは色白だから目立つな。


「痛い所、キスして」


「え。キス?」


「そう。痛いの痛いの飛んでけってやるでしょ?」


 それは小さい子に対してやるんじゃ。。。俺たちの年齢でやったらもうそれは完全にカップルだ。


「早く早く、そうしないと痛くて動けないよ」


「いや、嘘だろ」


「したくないの?」


 そう言いながら、リナはどことなく潤んだ瞳でこちらを見てくる。

唇も潤んでいて、とても魅力的だ。って違う。今はおでこだよ。おでこ。


「キスしてくれないなら。こっちからキスしちゃうよ?」


 もはや何を言ってるのか意味が分からない。なんで痛がってる奴がキスしてくるんだよ。おかしいだろ。キスしたいだけだろ!


 くそっ。俺は覚悟を決めたぞ!


「わかったよ。おでこにね。ほら、痛いの飛んでけ。。。チュ」


……………………


「え………キスしてくれてないじゃん」


 そう、、、音だけだ。キスはしてない。付き合ってもない娘とのキスなんておでことは言え、ハードルが高すぎる。


「キスはキスだろ。ほら投げキッスってやつ?」


「まぁ、良いや。今回は許す」


 いや、何視点だよ……… !! 被害者視点か、そして加害者は俺だ。


「それでどうしたんだ? 扉の前に来て」


「洗面台の場所教えてないな。って思って」


つづく

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あとがき


出会い頭に美少女とぶつかるのは、定番のお約束!

今回は、家の中で!


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