第18話 どこで寝た?
「泊まってくつもり」
「ちゃんとお泊まりセット持って来たよ♡」
「大丈夫♪ 『今日は幼馴染のサオリちゃんとこに泊まる』ってメッセした♪」
目の前のリナはすごく楽しそうだ。
そんな顔を見ていると、今日くらいならいいかなぁ。って気がしてしまう。
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けれど、聞かないとならない事がある。
「それで、サオリの方は知ってるのか? そっちに連絡行ったらバレるぞ?」
「知ってるよ。振られたら、サオリちゃんち行くって言ってある」
それなら、、、いいのか? 何かが、気になるけど。
まぁ、俺が何もしなければいいか。
「……じゃ、部屋は弟の部屋使っていいよ。サオリが来た時もそっち使ってるし」
「ありがと♪」
お泊まりを許可してしまった……大丈夫かなぁ。
「とりあえずシャワー借りるよ♪」
「おう、どうぞ。シャンプーとかタオル、ちゃんと持って来てるか?」
「使い切りシャンプーは持って来てる。タオルは貸してもらえる?」
「了解、あとで持ってく。他は大丈夫?」
「なんかあったら呼ぶ。なんもなくても呼ぶ♪」
「なんもない時は呼ぶな」
そんな、軽口を叩きながら、シャワーの準備をする。
リナはシャワーする前に化粧落としをし始めたので、
俺も、今のうちに歯を磨いておこう。
いや。他意はないよ? ただ口の中が気になっただけだよ?
ほら。シャワー浴びてる最中に歯を磨きに洗面台に入るって勇気いるじゃん?
シャカシャカシャカ
シャカシャカシャカ
歯を磨きながら、リナの様子後ろから眺める。
後ろ姿をちゃんと見るのは初めてだけれど、小柄な体型で肩幅が俺とは全然違う。
男と女は骨格が全く違うな。と改めて思う。
そんな事を思いつつ、歯を磨き終わったので、洗面台を借りて口を濯ぐ。
「じゃ、俺はリビング戻ってるから、何かあったらこのボタン押して。そうしたらリビングにもなるから」
ユニットバスの説明をしつつ、電源を入れておく。
一応、お湯を出してちゃんと出るか確認もする。
確認しないで、入った時にお湯が出なくて騒いだら怒られた事が、、、何回かある。
それからは先に確認するようになっていた。
今は、暖かい時期だが、これが冬だったら最悪だ。一度、服を脱いだのにお湯が出なかった事があった。
………よし、問題ないな。
「リナ、シャワーの準備できたぞ」
「サンキュ、ありがと」
「じゃ、何かなければ呼ぶなよ? ちゃんと準備したからな? フリじゃないぞ?」
「うっさ、しつこい。しつこい男は嫌われるよ?」
いや、お前に信用がないんだよ。いつもからかってくるじゃないか。
そう思うが、そんな事は言わず。
「じゃ、タオル持って来たあとは、リビングで待ってるから」
「はいはい」
そしてタオルを手渡して、リビングへ戻る。
「ふぅ、家のこと知らない人が来ると気疲れするな……」
小学校の時に、サオリと一緒に遊んだことはあるけれど。
さすがに泊まりはなかった。
いままでうちに泊まりに来たことがあるのはサオリだけだ。。。。
そんなことをボーッと考えながら
途中まで見ていたアニメの続きを見る。
鬼狩り遊郭編の続きだ。相変わらず、作画がすごい。
こういうのって作画監督がすごい人なんだったか? 詳しくしらないけど。
そして物語が進んでいき
丁度、今回のボスである鬼の兄妹が倒された、、、
そうか、この兄妹はずっと一緒に居たかったんだ……ただそれだけだったんだ。
でも、妹が死んだ後に、兄妹が鬼に変えられてしまったことで、色々おかしくなってしまった。
まるで、俺とサオリの状態みたいだ。俺たちの関係は兄妹ではなく幼馴染だけれど
状況としては似ている気がする。変わってしまった幼馴染と変われない俺。
俺は結局、変わりたくないだけなんだろうな。
小さな世界が守れればそれで良いんだ。
……隣にいてくれればいいだけなんだ。
そんなことを考えてると、リナがシャワーから出て来た。
「どうしたん? いった君、なんか悲しそうだよ? 泣いてる?」
え……うそ? そう思って、目の辺りを触ってみると
ちょっと涙ぐんでた。マジか。。。。
俺ってアニメみて泣く様な奴だったのか。
そういや、うちの親父が昔【 Stand by Meドラ猫】みてる時に泣いてた事があった
なんか、よくわかんないけれど。涙が止まらなかったって言ってた。
この話、昔から知ってるはずなのに。おかしいな。って。。。そうか親父も物語に自分を重ねて観ていたのか。
「いや、なんでもない。鬼狩り観てただけ」
「あー。あのアニメ。鬼が死ぬ時にちょっと悲しい話入ったりするよねぇ」
「そうだな……」
「あ、この話、私まだ観てない。観て良い?」
「あぁ、うん。いいよ。でも、1話だけだぞ? 遅くなるし」
そうして、俺とリナは鬼狩りのアニメを観始めた。
今度は、隣に人がいてくれたからか泣かなかった。
「じゃ、そろそろ寝ようか。弟の部屋案内するよ」
「あんがと」
そして、リナを弟が使っていた部屋に案内する。
サオリがたまに使う部屋だから、少し化粧品が置いてあったりするが
それ以外は普通の男の子の部屋だ。
リナはその部屋を見渡して、何やら調べ始めた。
なんだろう? と思って見守っていると
「ねぇ? この部屋、昨日使ってないでしょ?」
「な、、、」(にを根拠に?)
「だって、この部屋、布団のどこにもサオリちゃんの髪の毛が落ちてない」
えっ? そんなところ見るのっ?
「サオリちゃんって昨日、どこで寝たの?」
つづく
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あとがき
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