第19話 繰り返される

「だって、この部屋、布団のどこにもサオリちゃんの髪の毛が落ちてない」


えっ? そんなところ見るのっ?


「サオリちゃんって昨日、どこで寝たの?」


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そうリナは言い出して、まるで浮気調査みたいな事をされている。


「朝、掃除したんじゃないかな?」


「そうかなぁ? 平日の朝から、掃除するとは思えないけど?」


た、たしかに。掃除するなら週末だよな。。。

掃除やるなら土曜日が良いって、どっかの偉い社長さんも言ってた。


「…………」


「一緒に寝てたりして……」(ボソッ)


昨日、、、いや今朝に関しては、その通りででございます。。。。


「気のせいじゃないかな。いつも(は)ここでサオリが寝てるのは間違いない」


「……まぁいいけど…?」


「…とりあえず、今日はここで寝てくれ」


そう言いつつ、弟の部屋の扉を閉めた。

いや、、、え、、指摘こわっ。か、髪の毛?

女の娘ってそんな所見るの?


俺だけだと確かに短い髪しかないから、注意してみればわかる・・・のか?

え、、、ちょっと寝る前に自分の部屋の掃除しよう。


深夜に掃除機使う訳にはいかないから

ホウキとチリトリを持って来て軽く掃除し始めた。


「……たしかにサオリの髪の毛らしき物が部屋に落ちてる。マジかよ……」


長めの髪の毛で、少し染めた色なのがわかる

最初からそういう疑いの目でこの髪の毛を見れば、

誰のかはすぐ察してしまうような証拠だ。


とりあえず。細かい部屋全体を探しつつ、毛を片付けていく

ついでに細かいチリも集めてゴミ箱に捨てる。


ていうか、なんで俺は

こんな浮気の証拠を消すするような事やらないとならないんだよ。

……理不尽だ。


そんな事を思いながら、あたらめて考える。

そして、スマフォを見やる、


「リナは、サオリに話したって言ってたけど。本当か?」


サオリからは何も連絡来てないぞ?

いつもなら何かと口うるさく色々指摘してくる筈だ。

それこそリナが来る前に『ちゃんと掃除しないよ』とか、だ。


ちょっと気になるな。もう遅いけどメッセ送っとくか。


いち:今日、リナが泊まり来たんだが、お前知ってる? 


………既読はすぐにはつかない。やっぱもう寝てるか。


しかし、まだ何か忘れてる気がする。。。。

まぁ、いいやもう寝よう。。。。


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ギャル 里奈(リナ)視点


いった君の家にお泊まりした深夜、私はふと起きてしまった。

時計を見ると、もう深夜3時を過ぎてるようだ。


「トイレ行きたい。。。」


家の中が暗いので、スマフォを懐中電灯代わりにして扉を開けて外にでた。


「暗い……」


自宅ならともかく、人の家が暗いとなんでこんなに怖いんだろう。。。


そう思って、いった君の部屋の方を見る。


「さすがに起きてないよね………」


そう思ってノックをするが、反応はない。

いや。反応が有ったらおかしい時間だ。


「とりあえず。トイレトイレ」


昔、遊びに来た時の記憶を頼りにトイレへと向かう。


ジャーーーー


ふぅ、スッキリ。

リビングにある水差しから水を入れて一口だけ水を飲む。

飲みすぎるとまたトイレ行きたくなっちゃうからね。


部屋に戻る時に、ちょっと気になって、いった君の部屋の前にまたいく


「扉、開いちゃったりして……ガチャ………開いちゃった……」


暗い部屋の中を探すといった君が居た。

ふふ、油断しちゃってるねぇ。部屋の鍵をしないだなんて。


寝る前は誤魔化された事にしたけれど。

サオリちゃんはきっと、昨日は弟君の部屋で寝て居ない。

という事は、答えは一つだ。


「私も隣で寝ちゃうぞ♪」


ん。ちょっと狭いな。。。でもなんとか。。。寄せれば。。。

んんん。なんとかなりそう。


よし……おやすみ、いった君。


つづく

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あとがき


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