第17話 また伝えたい
チャイムがなったので、俺が玄関を開けるとそこには、
「来ちゃった♪」
リナが居た。
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「突然どうしたんだ?」
メッセは貰ってないよな? そう思い返すが、来ていた記憶はない。
「えー。来ちゃダメなの?」
そう言いながら、ふくれっ面をするリナ。
「そうは言ってない。だが、突然だし。うちは今は親が居ないんだぞ?」
「知ってる♪ いった君なら大丈夫♡ いいよ♡」
なにが いいよ♡ なんだ、ナニか? まさかナニなのか……??
でもゴムなんて持ってないぞ……コンビニに有ったっけ……?
いや、そうじゃない!!! なんでやる気になってんだ。俺。
「と……とりあえず入りな。もう遅いから寒いだろ」
そう言って、家の中へ案内する。
リナは家を見渡しながら、興味深そうに観察している
「なんかあんま変わってないね。ちょっと物が増えてるけど」
「まぁ、3〜4年ではそんなに変わらないよ」
「ふーん? 本当かなぁ??」
そんな事を良いながら、目の前の娘がニヤニヤしはじめた。
「それじゃ、いった君の部屋を探しても何も変わった物はないのかなぁ?」
え…部屋は……ゴニョゴニョがあるな。。。
そういや、昨日サオリが来た時、
俺の部屋に泊まってたが……気づかれてない…といいなぁ。
それ以前に、掃除もしてもらってたりするから…昨日だけではないか。
「さぁ? なんの事だかわからないな?」
……ダメだ全然、言い訳出来てない。
「ま、いいや。今日はさ、いった君に伝えたい事あってきたんよ。とりま座っていい?」
どうぞ。と椅子を引きつつ勧める。
そして水差しからコップに入れて差し出す。
「とりあえず。水。他に何かのむ? 麦茶と豆乳くらいしかないな。ちょっと待って貰えれば、インスタントコーヒーくらいは出せるけど」
「水でいいよ」
そう言ったので、テレビ前に置いていた自分用のコップを持って来て
リナの向かい側に座ろうとすると呼び止められる。
「隣に座って欲しいな?」
そう言われたので、隣に座った。
「それで、なんで今日は来たんだ?」
「今日の事を謝ろうと思ってさ」
? なんのことだ? リブステーキの事なら、ちゃんと持ち帰ったぞ?
そんな事を思ってるとリナは続けて言った
「ほら……いった君の事、、、サオリちゃんと一緒に悪口言っちゃって……」
「そっちか……でも本当の事なんだろ?」
「まぁそうなんだけど、でも二人して言う事はなかったじゃん?」
………まぁね。。。一人ですら結構精神に来るのに
しかも今は、幼馴染だったとわかったリナからだと余計に。だ。
「それとさぁ、改めてちゃんと言っておこうかと思って」
何を? と問いかけようとした所で
「私を本当の彼女にしませんか?」
「……本当の?」
「うん。本当の。前はさ、嘘で良いって言ったけれど、私ならずっと側にいるよ? だって今の私ボッチだから。他の人なんてなくても良い。その方がいった君もいいよね?」
そう言いながら、リナは俺の手に手を重ねてきた。
柔らかい。
「ね? こういう事もいつでも出来るし。その先だっていいよ?」
そう言って、体を寄せてくる。
良い匂いがして、つい引き寄せられそうになる。
「え、、、本当に? 嘘じゃないよね?」
「うん、本当本当、疑ぐり深かいなぁ」
リナはちょっと困った奴だな。って顔をしながら離れてしまった。
……俺が困ってたのが、表情に出てしまったんだ。きっと。
離れてしまったと言う事は、そんな表情をしている奴とこれ以上、
関係を進めるのはリナが欲しい関係ではないんだろう。
でも、手はそのまま重なったままだ。
正直手汗がすごい出てる気がする。
どちらにしても伝えないとならない事がある
「俺さ……まだサオリの事をまだ納得出来てないんだよ。年上の人が良いって振られてしまったけれど」
「うん。それで?」
「もう一度、告白したいと思う。でも、どうやって告白するべきかは分からない……」
リナは反応がない。が手は気持ち強く握られた気がする。
「どうなっても、私は隣にいるから…ほら、席も隣だしさ、今も隣じゃん?」
「…そうだな…隣だな。ありがとう」
心地よい。こういう距離感の関係が丁度良いんだ。
家には家族が誰もいないし。俺は寂しかったんだ。きっと。
「それで、今日はどうするんだ? もう時間遅いから。送ってかないと」
「泊まってくつもり」
え? なんて?
「ちゃんとお泊まりセット持って来たよ♡」
「いや、男一人の所に泊まるとかまずいだろ。親には伝えてあるのか? あとで怒られるの嫌だぞ」
「大丈夫♪ 『今日は幼馴染のサオリちゃんとこに泊まる』ってメッセした♪」
それでバレたらどうすんだよ。。。
面倒なのはいやだよ。俺は。。。
とは思うが、目の前のリナはすごく楽しそうだ。
そんな顔を見ていると、今日くらいならいいかな。って気がしてしまう。
けれど、聞かないとならない事がある。
つづく
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あとがき
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