第15話 側に居たいだけなんだ
「アタシが育てたんだから、先アタシの事を褒めなさいよっ」
サオリが、そう言いつつ複雑な顔をしている。
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「いや、お前に教えてもらっただろ。写真取る時に褒めた方が良いって」
「そりゃそうだけど。いっくんが他の娘を褒めてるのは嫌っ!!」
指導通りにしたら、怒られるとかなんという理不尽。
でも大丈夫、今は何を求められてるかはすぐ分かる。
「それじゃ、次はサオリな。席移動して」
「おっけー♪」
席替えをしている間に問いかける。
リナは俺の隣に来て、さっき撮った写真をチェックし始めた。
「スマフォはどうする? 俺の? サオリの?」
「いっくんのでお願い」
「了解。それじゃポーズして……そうそう、こう中央に寄せてみて」
「ん? こういう感じ?」
おおお。良いですよ。とっても良いです。
サオリのおっぱいはやっぱりいいな。
「イイよイイよ、最高! 顔を少し傾けてみて、そうするともっと似るから!」
「そう笑顔笑顔!」
なんかテンション、アガってきた!
「次、別ポーズで!」
………そんな感じで、色々写真を撮っていると
サオリも機嫌が良くなったのか、写真もいい感じになった気がする。
「こんなもんかな。どう? 良さそうなのはメッセで送るよ」
そう言って、スマフォをサオリに手渡した。
「そろそろ食べようぜ? 冷めちゃうし」
俺たちは、ドリアとエスカルゴ、それにラザニアとパスタを……
さらにステーキが………って、やっぱ多い!
リナが追加したリブステーキなんて要らないよ!
「なぁ。リナさん。ひとつ言いたい事があるんだ」
「ん? なに?」
「リナってさ、目が大きいね。ってよく言われない?」
「え? ホント? そんなに大きい?」
「うんうん。大きい大きい。とっても可愛いよ♪」
(目がとっても大きいから、食べ物が小さく見えるんだよね? そうだよね?)
リナはそんな事を言われたからか、目を少し見開きながら
目をパチパチさせてアピールしてくる。
うん。可愛い可愛い。でも。今度は多いと思ったらちゃんと言うぞ。
無駄に注文させられて奢らされるのは御免だ。
と、俺は叶うかも分からない決意した。
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そして食事も終わった頃……改めて思った。
流石にキツイ。なにがキツイって量がキツイ。
間違いなく頼みすぎだ。そして俺の財布も寂しい。
親から貰ってるお小遣い降ろさないと………。
「残りは持ち帰りしよう……」
「「はぁい」」
なんだかんだ、二人は無理して食べてる様子はない。理不尽だ。
俺が無理して食べたのが悪いみたいな。感じだ。
「今日はこの後どうする? 腹一杯だからもう帰りたいんだけど。荷物もあるし」
そういいながら、持ち帰りにしてもらったビニール袋を見やる。
これを持ちながら、さらに出歩きたいとは思えない。
「じゃ、俺帰るよ。まだ遅い時間じゃないけど、リナは送った方がいい? サオリはどうする?」
「あ、アタシ、リナちゃんと話したいから、先に帰ってて」
「そうね。私も話したいな。色々と」
「……わかった。けれどあんまり遅くなるなよ。二人とも」
何話すんだか分からないけれど、俺が居ると話しづらい話なんだろうな。
まぁ、いいや。帰ろう。
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そして、駅へ向かい。電車に揺られ数駅した先の家に戻った。
昨日・今日と騒がしかったせいか。一人になると寂しい。
あと食べ過ぎたせいで眠い。
夕食はもう十分だし。シャワー浴びた後は
ネット映画さんで、アニメ観ながら筋トレしよう。
今の家には、両親と弟が海外に行ってしまったから
家には誰も居なくて何観てても何も言われなくなったから、
アニメみる様になったんだ。今放映している物を観るだけでも観きれないのに
過去の名作が大量にあるから、いくら時間あっても足りない。
特にロボット物のシリーズとか……あれ全部観るのに何時間かかるんだ…?
サオリが家に来ている時は、アクション映画みる事が多かった。
観るのは、マーブル作品が多かったな。復讐者とか面白かったけれど
登場人物が多すぎて、よく知らないキャラクターが出る度に
サオリに説明してもらってたっけ。
なんか、サオリのお父さんがアメコミ好きで自宅に漫画がいっぱいあるらしい。
しかし日本のアニメは観ないから、今の俺とはあんまり話しが合わない感じだ。
今朝みたいに、サオリと二人だけで過ごせたら
俺は。それだけでいいのに……
なんで、こう、人生って上手くいかないのだろう。
そんな事をぼんやり考えながらアニメを観て居た時
玄関のチャイムがなった。
「誰だ? なにかを頼んだ覚えないだが……」
サオリは昨日来てたから、今日もって事はないだろうし………。
そう思いつつ玄関を開けるとそこには、
「来ちゃった♪」
リナが居た。
つづく
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あとがき
来ちゃった♪
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