第52話 もう一度

 今日、俺は幼馴染であるサオリに再告白をする。


 ここ最近で、色々あったが、俺は、ずっと一緒にいた幼馴染が好きなんだ。


 そして、これからも一緒に居たいからずっと離れたくないから

『結婚を前提にお願いします』だなんて変な告白をしてしまった。


 そりゃ、俺がストレスを抱えてるのは本当だったけれど。

なにも告白と一緒に解決しようだなんてしなくても良かった。急ぎすぎたんだ。


 そして、俺が失敗したせいで、今はサオリもストレスを抱えてしまってる。

俺はサオリを助けたい。石井君にも言われたが、俺たちが付き合うと良い状態になる様な気がする。


 しかし、今回はどうやって告白をしよう。

前回は、本当にその場の勢いでやってしまった。


 色々考えたが、一人では上手く結論が出なかった

石井君から言われたのは『正しい告白の手順でやりなおせば?』だった。

中学で失敗しまくった。『おまいう(お前が言うな)』だが、他人事だから分かる事もある様だ。とても参考になった。


 話し合いが終わったので、石井君と保健室に行く。一応、石井君は体調悪いって事になってるしな………でも、サオリは教室に戻ってしまった様だ。思ったより石井君と話し込んで居たらしい。


 仕方ないので、教室に戻ったらサオリはいた。

次の休み時間にサオリに声をかけるぞ。


 直前になると、前みたいにドキドキしてくるな………今回は大丈夫だろうか?

今回の俺には失恋マスターが憑いている。ってダメじゃないか! なんだその称号!


「サオリ。今日の放課後、暇?」


「なにそれ? まぁ暇だけど」


「それじゃさ、二人でカラオケ行かない?」


「え?」


「二人だけで、行きたいんだ。いいかな?」


「でも、今日は………」


「石井君は今日体調悪いみたいだし、サオリ一人でやらないでいいと思うよ?(嘘だけど)」


「え、そうなの? それじゃ。しょうがないなぁ。いいよ?」


 約束は出来た。しかし、カラオケルーム内は正直ムードがない

まずは二人で楽しむんだ。今回は焦ってはいけない。


 席に戻った時に今日は一緒に帰れない事をリナに伝えると、彼女は「頑張って! 私への告白は次でいいからね♪」と言っていた。全くどこまで本気なんだか………。

って、なぜ告白するつもりなのを知っている!? 俺、そんなに分かりやすい?


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 放課後になったので、サオリと連れ立ってカラオケ店に向かった。

遅い時間になるつもりはないけれど、とりあえずフリーだ。もし仮に仮にだ。

部屋の中でそういう雰囲気になった時に、電話で止められたくないしな。


 二人でカラオケを楽しんでる間

お腹が減ったのでハニトーを頼んだ。

サオリはカラオケ店のハニトーを食べるのが初めてだったようだ。


 そして、俺が高校に入ってからヒトカラにハマってた事を伝えた。


「えー。なにそれー。カラオケって独りで行くものなの?」


 色々歌ったんだけど。


「うーん。全然しらない。なんか古い感じがする歌は聞いた事あるけど、戦艦の奴とか」


 って言われた。そうなんだよ。

そういう反応を知らない『みんな』にされるのが嫌だったんだよ。

これ、アニソンだよ。って言ったら


「いつから、そういうの聴くようになったの?」


 一人暮らしが始まるようになった前後からだな………ネット映画さんが良い仕事をしてくれました。そのあとは、動画サイトでメドレー聴いたりとか。だ。


そんな事をやっと話せた。


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 二人でカラオケを楽しんだ帰り道。こう問いかけた。


「なぁ、これからも俺たちはずっと友達で幼馴染だよな?」


「ん? うん。そうだね」


「でも、それだけじゃ嫌なんだ」


「え?」


「前はさ、あせって変な事言っちゃったけど。サオリの事、好きなんだよ。それこそ結婚をしたいと思えるくらい」


「あ………うん。ありがと」


「でもさ、結婚まで考えてるのって俺だけだったんだよな? だからまずは俺と付き合って欲しい。彼女になってくませんか?」


「そうだよ。早すぎだよ! あの時、本当になに言ってんの!? って思ったんだから」


「そうだよな…………でさ、今日二人でカラオケ行ったじゃん?」


「そうだね」


「俺さ、サオリが『みんな』を大事にするのが嫌だったんだ。『みんな』じゃなくてさ。俺じゃダメかな?」


「いいよ。こちらからもお願いします。私の彼氏さん♪」


 俺たちはやっと彼氏彼女になった。

そして、俺たちは立ち止まってお互いを見つめあってキスをした。

軽い、触れる程度のキスをして、お互いに強く抱きしめあった。

当たる体の感触と相手の匂いが心地よくずっとこのままで居たいと思った。


 まだ、始まったばかりの物語だけれど、きっと良い未来がある。

そう思ってたんだが、、、


「それで、リナちゃんとはどうするの? 早速、浮気かな? 私の彼氏さんは」


 と、隣のサオリから、底冷えする様な視線を向けられた。

そして手がちょっと震えてる。。。正直、リナの事はどうしたらいいかわからない。


「とりあえず、今日はいっくんの家に泊まるからね! じっくり聞かせてもらうんだから!!」


 彼女が泊まってくれるのは嬉しいけれど、これは何かが違う。違うんだ。。。

俺たちはまだ、すれ違ってるのかもしれない。


二章へつづく

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あとがき


これで、一章終了です!

二章からは、イチャイチャがメインになります。お楽しみにっ!


面白かったと言う方は是非★を!

お星様をお願いいたします!m(_ _)m


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