第6話 楽しかったんだ

 俺が、幼馴染であるサオリ対して、我慢できず、ついやらかしてしまった後

俺とリナはカラオケ店にやってきた。


 正直そんな気分でもないんだが………ウキウキしているリナを見ると

今日は止めないか? とも言えない。


「いらしゃいませー」


 連れ立って、お店のカウンターまで来てしまった。もう後戻りは出来ないな。


「とりあえず。2名。フリーで」


 !?!?


「え? フリー!? そんなに歌うのか!?」


「わかんないけどさ。時間気にしない方がいいじゃん」


「それはそうかもだけど。門限とかは?」


「ママに友達出来たって連絡したら喜んでたよ? いままでボッチだったし」


「いや、俺、男だけど? まずくない?」


 俺たちが、そんな事を言い有っていると


「お客様。当店のフリータイムは、18歳未満の方は22時までとなっておりますが、よろしいでしょうか?」


「あ、すみません。はい。大丈夫です」


 そう言って、俺はお金を出そうとする。


「あ、ここは私のおごりで。なんか無理やり連れてきちゃったみたいになったし」


「えぇ…………せめて割り勘で、さっきのマックも割り勘だったじゃないか」


「じゃ、それでいいよ」


 軽っ……まぁ……そんなもんか……お会計を済ませてから俺たちはドリンクを取って、部屋に向かった。


各部屋から少し漏れている喧騒がいつものカラオケ店だと感じさせてくれるが、今日は独りではないから、この後の予定も聞かないとならない。


 だから選曲する前にリナに問いかけた。


「先に聞いて置きたいんだけれど、遅くなったら帰りはどうする? やっぱ送ってった方がいいよな?」


「あ、うん。お願い出来る? 何時になるかわかんないけど」


「わかった。それで家はどこなんだ?」


「吉祥寺駅の繁華街先だよ」


「そっちなら、俺の家も同じ方面だな。もう一度駅に戻る必要あるけど……多分、問題ない。でも、もし22時まで居たらかなり遅くなる気がするけど、本当に大丈夫か?」


「あー。流石に。まずいかな? でも、今日両親が家に居ないから大丈夫だよ?」


 いや、なにが大丈夫なのか分からない。男に送ってもらうって話ししてたよな? 状況的に何も大丈夫じゃなくね?


「それより歌おうよ。後の事は後で考えればいいんだよ」


♫☆♫☆♫☆♫☆♫☆♫☆♫☆♫☆♫


 それから、俺たちは力の限り歌った。

 俺は、まず フロー のテンション高い曲だ。

 ロボット物のアニメのオープニングで、ロボットがローラーでそこら中を走り回る姿が他のロボットアニメと一線を隔していて話題になっていた。ストーリーも面白い。リアルタイムで放映していた時は観れていなかったが最近、再放送? をしているので視聴している所なんだ。


 リナは、最近話題の鬼狩りのオープニングだ。

 これ、男で歌うのは難しいから。正直、羨ましい。

 でも、遊郭編のOPなら歌えなくもないか・・・? ちょっと試してみるか?


 そう思って、試しに入れてみた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


『♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫♫』


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 あ………やば………やっぱよくわかんね。どうしようかな。止めちゃうか。


 って思ってたら、リナが一緒に歌ってくれた。

 あぁ、こういう音程だったか?


 正直、音程あってない気がするけど。なんとなく楽しい。

 そうそう、こういうのがいいんだよ。

 アニソンしらない奴と行ったら。こうはならない。


 それに、サオリに誘われて行ったら、こういう歌った事ない曲を試してみて上手く歌えなかった時に気まずいし。


 めちゃくちゃ楽しい。テンション上がってきた!


 そこから俺たちは、会話もせず色々な歌を歌った。とにかく歌った。所々、俺の知らない曲もあったが、特に気にならなかった。


 最近の曲だけじゃなくて、昔の曲歌ったり。

 中学の時に合唱で歌った曲も歌った。もうネタ切れだ。

 二人で何時間もいたらそれは、そうなる。


 22時になりそうな頃、部屋の電話が鳴った。



♫☆♫☆♫☆♫☆♫☆♫☆♫☆♫☆♫


「もう、時間だから帰ろうぜ」


「せっかくだから記念写真撮ろう?」


 気分も良かったので部屋でツーショット写真を撮った。その時に隣から漂って来た匂いが、なんというか女の娘っぽい匂いだなと思った。


 写真については日記を付けてるだとか。だから1日1枚は写真を撮ってるらしい。


 そんな楽しい時間も終わり。俺たちはカラオケ店を出て、今はリナを家に送っていく所だ


「いやー。結局時間いっぱいまで、歌っちゃったね。ごめんねー。送ってもらって」


「めちゃくちゃ楽しかったよ。時間を忘れてしまったし。今喉がカラカラしてて痛い」


「良かった良かった。でも、そっちは大丈夫なの? 家とか?」


「俺の所は、両親が海外赴任してるから家には誰もいないよ」


「あ、そういえばそんな事言ってたね」


 そういや、サオリからメッセ来てたけど。無視してたんだった

 思い出したので、スマフォを取り出してメッセを覗いてみると


「えっ?」


「どうしたん? いった君」


「なんか、サオリが家に来て待ってるらしい………いつ帰って来るんだと」


「え? それ、大丈夫なん?」


「泊まりに来る事は偶にあったけど……親同士で話し合われて、合鍵も渡してあるし。来た時は、いつも弟の部屋で寝るから。大丈夫だとは思う」


「へぇ。アツアツですねぁ。それで付き合ってないんだ。へー」


「ま、幼馴染だし。でも早く帰らないと怖いな」


「はいはい。今日はありがとね」


 そう言って俺たちは分かれた。

 もう、家に着く頃は12時超えるが、流石に寝てるよ………な?

 

 あと補導されないようにしないと………



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あとがき


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