第65話 年の差

「クミちゃんから連絡『結局どこ行けばいいの? 待ってんだけど?』だって」


「………会う前に、好感度ダウンした気がする。なんなんだよ。まったく」


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 流石に凹んだ、金城先輩を男二人でフォローして、俺たちは駅前のスタバに行く事になった。そういや、俺ってスタバ入った事なんだけど。なんか呪文みたいな注文するんだっけ? よく分からん。コメダの方が楽じゃね? とか思う。


 そして、俺たち3人はスタバにやってきた。黒と茶色でシックに締められた内装に緑の看板に女神が描かれた例のお店だ。もう最近は、カフェと言えばスタバと言うくらい、そこら中にある。


「なんかお洒落過ぎて、気後れするんだよな。スタバ」


「ん? そう?」


「なんか、パソコン持ってお洒落に仕事してる感じ」


「あー。まぁ、そういう人もいるね?」


「そういや、私スタバで店員さんにナンパされた事あったよ」


「えっ?」


 どうやら、リナはナンパされた事があったらしい。どういう方法なんだろう。店員さん。がナンパしようとしたら営業妨害じゃ無い?


「なんかね。カップの所にお客さんの名前とか書いたりするんだけれど。なんかメッセのIDらしき物が書いてあったよ」


 へぇ、そんな方法があるんだ。IDとか簡単なものにしておけばそれが出来るのか。なるほど。いや、俺はもう必要ないけど。


 そう思って、手を握っているサオリ方を見た。その笑顔と強く握った手が『アンタには、そんなの必要無いよね?』そう言っている気がしたのは、きっと俺の勘違いじゃない。


 そして、俺たちの順番になったので注文をし始めた。


「このチョコバナナバナナフラペチーノでお願いします」


 というか、フラペチーノって何? フラッペとカプチーノを混ぜたもの? え? フラッペはお酒? いや、お酒は入ってない? では、フラッペとはなんぞや。


 ちょっと説明されたが、わけわからん。というかどうしてそんな事知ってるの? ググった? 勉強熱心ですね。俺の彼女は。


「それじゃ、席取ってますね」


 そう行って、石井君は先に席を探しに行った。こういう気遣いが出来るんだよな。なぜかモテないけれど。


「全員残る必要はないと思うけど、どうする? クミちゃんの分も頼んで置いたから、二人くらいで問題ないと思うけど」


 前言撤回、残りのメンバーバランスが悪すぎる。二人だと選びようがないぞ。俺が金城先輩と残る? んー?


「まぁ、俺も席取りに行くよ。バランス悪いし」


 そう行って、金城先輩も行ってしまった。そして、俺たちは3人で注文した物が出て来るのを待つ事になった。なんか、ここだけ切り取ると前に3人でスタバデートしてるみたいだな。


「とりま三人で写真撮っとく? あと、さっき撮った写真の確認する?」


 リナがそう言いだして。あぁ、そう言えばそんなのがあったな。と思い出した。で、それを見たサオリが………


「何これ? いっくん? ナンデカベドンシテルノ?」


「そ、それは練習でっ」


「ハ? レンシュウ? ナニヲイッテルノカワカラナイナ」


「ほら、失敗するとイケないからさっ。なっ?」


 こうなる気がしてはいたが、どうして毎回リナの誘いに乗ってしまうんだろう。そんなリナは俺たちのやりとりをニマニマとした笑顔で見てるだけで、何かをしてくれたりはしない。


「じゃ、今すぐ写真撮ろう。それでいいだろ? な?」


「え? お店だよ? ここ?」


「まぁ、いいじゃないか」


 そうして、スタバ特有の喧騒の中、俺たちの写真撮影会が始まってしまった。他のお客からの視線が痛い。お前ら邪魔だよ。言う視線と、嫉妬心を感じると同時に優越感も感じる。彼女持ちって最高だなっ!! 写真撮り始めたらサオリも機嫌直してくれたし、リナはずっとカメラマンをしてくれてる。


 そして、三人で一緒に写真撮った頃に注文した飲み物が出て来たので、持って行ったんだが、金城先輩と石井君は思った以上に仲良くなっていた。いや、仲良くなってたと言うのはちょっとちがうか? ボスと手下? になってた。


「あ、飲み物来た。俺のこれだな」


「随分と仲よさそうになりましたね? 先輩と石井君」


「おう! 今度、先輩が先輩を紹介してくれるってさ!!」


「いや、何言ってんだか分からん。ちょっと落ち着け」


「金城先輩の同級生を紹介してくれるってさ。同い年の娘興味ないからって!」


「なるほどな。でも、いいのか?」


「え? 何が?」


「先輩の同級生って事はだぞ。三年生だ。三年生って事は、来年は大学生だったり専門学校だったり社会人だ」


「お、おう?」


「その時、俺たちは高校生だ。見劣りするよな? 色々な面で、大丈夫か? NTR(寝取らせ)に興味あるなら、いいけど?」


「そ、その問題があったぁぁあぁ!! 考えてなかったっ! どうなんですか金城先輩!?」


「しらねーよ。お前が誰でも良いって言ったんだろうが。知ってる女子なんて同級生しかいねーよ。下で居たらそいつと付き合ってるぜ」


 うん。まぁ頑張れ? 石井君。なんか付き合っても速攻NTRされそうな気がする。アーメン。そんな会話をしてると、俺たちにどこか聞き覚えのある女の娘が声を掛けてきた。


「おまたー。それで、わたしはどっちのイケメンとカフェればいいの? あ、石井君以外でね♪」


つづく

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あとがき


石井君、年上彼女が出来てもさらっとNTRされそうw

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