第10話 ◯◯◯ではない
「これ見て! 説明しなさいっ!」
サオリのスマフォを確認すると
『男友達が出来ました』
そんなメッセージとともに、顔は隠されているが
リナっぽい女の子と男のツーショット写真が載っていた。
----------------------------------------------------
俺はスマフォの画面を見るためサオリの方に体を寄せつつ覗き込んだ。
「これ………………俺じゃね?」
「でしょうね。この髪型とか………鎖骨の感じとか」
「は? 鎖骨??」
「あっ………なんでもないっ。忘れなさい。いーい?」
いや。なんでもなくはないだろ。なんで鎖骨みてんだよ。
思わず、襟を正してしまう。俺。
「んー。これ昨日のだよな。。。この部屋も見覚えあるし。でもこの写真って日記に使うとしか聞いてないぞ?」
「ふぅん? それで?」
「それでとか言われてもなんもないよ。記念に撮りたいって言われたから撮っただけ」
「随分楽しそうじゃない?」
「その時、楽しかったし」
サオリがまた機嫌悪くなったなぁ。さっきは割と良い感じだった気がするのに。
「どういう事なのか本人に聞いてみるよ。そういやメッセ交換してないから学校で、というかこれどこにアップされてたんだ?」
「SNSだよ。この間アンタにも入れてもらおうと思ってたアプリ。山本さんフォロワーいっぱいいるんだよ。そのせいで嫌ってる娘もいるみたいだけど・・・・」
「へぇ? そうなんだ。っていうかそんな風に使われるなら許可しなかったよ。ちゃんと確認しとけば良かった」
その嫌ってる娘ってあなたではないかな? 昨日邪魔してきたし。
「まぁ、顔隠してるから………グレーかな? というか、こういうのがあるからSNSって面倒くさい。やっぱ俺はやりたくない。クラスのグループ見るのすら苦痛なのに」
サオリも、納得しかねると言う顔をしているがいまはどうしようもない。
「とりあえず。学校いこうぜ。ちゃんと化けられたか?」
「化けるって!!!言い方!!!」
「言葉の意味は間違ってないし。今のサオリは綺麗だよ。問題ない」
「ふん! まぁいいわ。行きましょう」
そう行って足早に去って玄関から出て行った。
忘れ物ないか。と確認すると、カバン忘れてるぞ………仕方ないなぁ。
----------------------------------------------------
俺たちは、二人で学校に向かって行った。
その間、特に会話はなかったが、告白を断られた
直後の様な気まずさはなくなった気がする。
昨日、リナが言ってた・ライバルが居たら幼馴染との関係が変わるのが、お約束だと言ってたが本当だったかもしれない。
「ねぇ。山本さんってなんであんな事したんだと思う?」
「写真? であれば昨日、自分の事ボッチって言ってたからじゃね? しらんけど」
「それもそうだけど。なんでアンタに声かけたか。って事よ。いままで全然話してなかったじゃない」
いや、それお前が側に居たからだろ………あれ? 本人がそう言ってたっけ?
なんか『ダサいし』って言われたような………う”” 頭が………
「し。しらない………」
「ほんとうにぃ?」
自分から言いたいような内容ではないんだよ。
「お前との仲違いしたのか? って言うかは聞かれたな」
「あー。それか。でもそれだけにしては仲良くなるの早くない? アタシの悪口でも言ってたの?」
「ないよ。むしろ悪く言われたのは俺だ」(ダサかったって………)
「へぇ。それじゃアタシもその話題で盛り上がれそうね。仲良く出来るような気がしてきたわ」
「やめろよ。他人の悪口で盛り上がるのは、ダメな大人の典型だって、どっかでみた」
だからやめて! 人の悪口からはなに産まれないんだ!!
----------------------------------------------------
「おはよー」「おっはー」「おはよう」
そんな声が周りから聞こえて来る、教室についた。
そして、隣の席のリナに話しかける。
「おはよう」
「おはー。昨日は遅くまでごめんねぇ。大丈夫だった?」
「大丈夫だった。結構焦ったけど。それより聞きたいんだけど。なんで写真SNSにアップした? 今朝見てびっくりした」
「あれ? 言ってなかったっけ? 日記をSNSにアップしてるの?」
「言ってない。言われてたら、もうちょっと考えて写真撮ってた」
本当に あれー? って顔してやがるな………悪気はないのか。
速攻身内バレしてるだけで。
「ていうか、SNSやってないって言ってたじゃん。なんで知ってるん?」
「サオリに教えて貰ったんだよ。今朝ね。そうじゃなかったら知らなかった」
「はー。朝チュンですか。お盛んですね。昨晩はお楽しみでしたか?」
「そんな事はしてない」
「本当にぃ?」
………朝チュンはしたな
「いいだろ。もう。とりあえず今後の写真はちゃんと確認させてもらうからな」
「あ、また写真撮る気なんだ。やる気まんまんじゃーん? ナンパかなぁ?」
なんで、俺がナンパして写真撮りたいみたいになってんだよっ。
そういや、もう一つ要件があった。
「ナンパとちゃうわ。でも、メッセのID教えてください」
「やっぱナンパじゃん。ウケるんですけどっw」
そう言って、彼女はとても面白そうに笑っている。
釣られて、俺も笑ってしまった。
つづく
----------------------------------------------------
あとがき
続きが気になると言う方は是非
フォロー、☆、♡をお願いいたします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます