第35話 眠り猫

「そう言えば、寝ている時のいったくんも可愛かったよ」


 そんな事を言いながら、俺が寝ている時の写真を見せて来た。

え! 写真撮る時はちゃんと見せるって約束したじゃないか!!


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 びっくりしたが、まずは聞かないとならない事がある


「これって、いつ撮ったんだ? それと、まさかアップしたのか? SNSに?」


「この間、泊まった時。アップはしてないよ。だからこうやって見せてんじゃん」


 思わず詰め寄ってしまったが、そうか約束は守ってくれてた、、、のか?

俺の寝顔がなにが良いんだかわからないが。


「それ、消してもらえないか。知らない内に撮られた写真は嫌だ」


「えー。可愛いのに」


「何が可愛いのか分からないが、消して欲しい」


「じゃ。こっちはいい?」


 そう言って、横向きに寝て居て、顔が見えないから誰かは分からない写真が写ってる画面を見せてくる。。。んー。やっぱり自分だと何が良いのか分からない。


「却下で」


「んー。しょうがないなぁ」


 そう言いながら消してくれた。ふぅ。助かった。

まさか寝ている間に撮られているとは思わなかった。


「じゃぁ、何なら撮っていいの?」


「まぁ、普通に起きてる時のなら」


「それじゃ、今は?」


「え、今? まぁいいけど」


 ♪キンコンカンコーン、キンコンカンコーン♪


 そんな話をしているとHRの時間になってしまった。


「それじゃまたあとでね」


 そう言って、リナは寄せて居た体を離して姿勢を正した。

なんか、迂闊な約束をしてしまった気がするけれど。まぁいいか。

変な写真ならさっきみたいに消す様に伝えればいいし。


 そう思いつつ授業を受けるが、昨夜寝不足だった所に

午前から現代国語の授業だったので眠くなって来る。

正直、学校の授業の中で一番つまらない。先生の喋り方もなんかこう眠りを誘って来るんだ。。。まだ始まったばかりだが、、眠ってしまいそうだ。。。


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「いった君、、、いった君、、、起きて」


「んん」


「起きてよ。いった君」


 体がユサユサと揺らされる。


 おっと、寝てた様だ。本当、現代国語って奴は、催眠術でも掛かってるのか。

と思って、顔を上げると、現国の先生が目の前に居た。。。


「随分、気持ち良さそうだな。虎杖」


「あー。はい。昨日、ちょっと寝不足で………」


「そうか、それならしょうがないな? 保健室行くか? 実際寝てたし、教室に居なくても変わらないな?」


 そう言いながら、圧を掛けて来る現国の先生。


「いえ。それには及びません。が、ちょっとトイレ行っていいですか? 顔洗って来たいので」


「いや、お前。。。まぁ良い。さっさと言ってこい」


「はーい。ありがとうございます」


 そう言いつつ、俺は席を立って教室を出て行く。その際、女子からクスクス笑われてしまった。まぁ、知らない娘だから、どうでも良いけど。と思いつつ、後ろの方を見ると、サオリが機嫌悪そうだった。。。


 すまん。変な風に目立ってしまった。そうは思うが、遠いので声はかけられない。さっさと。顔洗いに行こう。折角だし、ついでにトイレも行っておこう。


 ………用を足していたらわりとのんびりしてしまっていた。まぁ、良いか現国だし。テスト範囲分かってから復習すればなんとかなるだろ。


 あの『作者の考えを述べなさい』とか言う問題だけは全然理解出来ないが。もっと設問をわかりやすく『登場人物の気持ちを考えよ』または『筆者の考えを要約しなさい』にしてもらいたいもんだ。


 自分の考えを書いたら、間違いでそれでそれについて正解の出し方を教えてくれないんだ。だから国語は嫌いだ。漢字だって、今はスマフォで打てるし、読めればいいじゃないか。


 そう考えると、現国のハゲの顔も見たくなくなってくる。

………もう戻るか。こんな事考えていても仕方ない。

なんとなく屈伸運動して、頭を活性化させてから教室に戻った。


 教室に戻っても、その後は特に変わった事はなく。退屈な授業が進んで行った。俺もさっき。一息つけたおかげで目が覚めたので集中、、、は出来ないが。淡々と板書は続けている。最近だと、板書をスマフォで写真撮るのがありかなしか。みたいな話も上がって、授業内容に次第ではありじゃないかな。とは思う。


 最近、有名YouTuberが板書に大見出しだけ、書いてそれに対して口頭で授業をする動画が流行ってるが、あれもちゃんと話を聞かないと、内容が分からないんだ。結局、自分なりにメモをするのは必要だから、板書は必要最低限で良いと思う。


 でも、うちの現国の先生は、ただひたすら読み上げながら書いてるだけだから本当につまらない。これなら動画で勉強してるのと変わらないんじゃないか?


 あまりにも退屈なので。ふと隣の席を見てしまう。そうするとリナの方も気づいたのか、こちらを見て微笑みかけてくれた。うん、隣を見てれば頑張れそうだ。


つづく

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あとがき


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