第56話 幸せ
サオリは真剣な顔をしていた。ので俺も思わず居住まいを正した。そして俺の顔を見つめながらこう言ったんだ。
「目の前の男の子が、将来、素敵な男性になってアタシを貰ってくれないかな? って思ってるよ♡」
----------------------------------------------------
サオリもそう思ってくれてたんだ。とても嬉しい。心が温かくなる。
もう、今ならなんでも出来そうだ!
「うん! 俺、頑張るよ!」
「頑張ってね♪ 私の彼氏さん♡」
「ありがとう! 嬉しいよ! もっと言って!!」
「もっと言って欲しいの? もー、甘えん坊さんだなぁ♡」
「欲しいっ! そうすれば頑張れるからっ!!」
「それじゃ、後ろ向いて」
「え?」
「ほら早く」
なんなんだ一体。俺はもっとサオリを見てたいのになんで、後ろを向かないとならないんだ。。。そう思いつつも、言う事を聞いて後ろを向いた。
「それじゃ、力抜いて、そのまま横になってね♪」
「横になる??? どういう事?」
「いいから、早くっ。甘やかして欲しくないの?」
言われるがまま、横になるとそこには、サオリの膝があって上にとても大きな果実が二つ並んでたんだ。思わず食べたくなってしまうような。そんな果実を見つめながらも、なぜか眠くなって来た。色々ありすぎて疲れてたのかな。俺。。。
それにさっき、出してしまったし。。。
横になってから、サオリの体、というか胸で影が差して本当に眠くなってきた。。。もうこのまま寝ちゃおうかなぁ。
「寝ちゃいそう?」
「うん。ちょっと眠い」
「寝てていいよ? もしそのまま寝たいならあとで布団持ってくるけど。どうする?」
「あー。うん。このまま寝たいかも」
幸せだなぁ。ずっとこうしていたい。彼女に膝枕してもらえるなんて、なんて幸せなんだろう。今、賢者タイムだし。本当に寝れそうだ………zzz
----------------------------------------------------
幼馴染 沙織(サオリ)視点
「いっくん、もう寝てる? ………ん、寝ちゃったみたいだね」
寝たばかりで動いちゃうと、起こしちゃいそうだから、ソファーに寄りかかりつつ今日の事を思い出していた。
今日は学校で嫌な事が有って、それを女友達の伊藤クミちゃんに愚痴ったら
『いいじゃん、ちょっとカフェするくらい。別に変な事にならないでしょ』
って言われたんだけれど
『いや、アタシ男の人とか苦手だから………』
『それなら余計行ったら? っていうか、それなら、虎杖君とか石井君は男として見てないだ? それなら狙っちゃっていいの?』
『え? マジで? 俺狙ってくれるの? 嬉しいなぁ。じゃ早速、今日二人っきりでカフェ行こうぜ?』
『あ、やっぱなし。石井君なんかチャラ良いから嫌』
『おいおい、どうしろって言うんだ。ひどいな。伊藤さんは』
『まぁ、これくらい軽い感じでいいんじゃないの? 相手だって、本気かわかんないじゃん』
そう言われたので、今日、会った先輩の事を少し想像してみる。
もし、カフェに行って、それでそのあと。。。
………え………いや、、、嘘、ウソ、嫌、、、、、イヤ嫌いや。。。気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪。。。キモ、ギモチワル、、、ウゥッゥゥ。。。。ダメ、ダメだよ、そんなのっ。イヤ、イヤ………………”イヤ”!!!!
『どうしたん? サオリちゃん? 顔色ヤバイよ?』
『ヤメて! 今、話しかけないでっ!!』
『え? なんか悪い事言った?』
『ギモチの悪いのっ!』
『………気分悪いの? 保健室行こうか?』
そう声をかけられて、触られそうになったら、先ほど想像してしまった。光景を繋がってしまったので、強烈な拒否感を持ってしまった。のと同時に嘔吐感を感じて来た。まずい、まずい、、、このままだと教室で吐いてしまいそうっぅ。ぅうう。
『触らないでっ! 一人で行けるから!!』
胸がとてもムツかつくし、今はとにかく人に触れられたくない。
いっくん、いっくんが欲しい。でも、教室で吐いてしまったら……迷惑かけちゃう。一人で、一人で、行かないと。。。
『調子が悪いんで保健室行きます』
とだけ告げて、途中トイレに行って一度吐いてしまったけれど。保健室の先生と少し話して、お茶をもらったら。落ち着いて来たので、教室に戻った。本当は戻りたくないけれど、さっき、クミちゃんに酷い事言ってた気がするから、すぐに謝らないと…………いや、メッセの方がいいかも。ちゃんと喋れないかも。。。
そう思って、スマフォを確認したら、
クミ:大丈夫? よくわかんないけど、ごめんね?
サオリ:こっちこそごめん。一人で変な想像しちゃっただけだから………
クミ:ホントゴメン(>人<;)
サオリ;気にしないで、でもさっきの話はもうしたくないな
クミ:おk
とりあえず、クミちゃんとはこれで問題なさそう。だけど、ホントどうしよう。クラス委員の会議の時に、またあの先輩に会うんだ。さっき想像してしまった内容を思い出したら自分でもどうなってしまうか分からない。もう完全にダメだ。。。
誰に相談しよう? そうぼんやり考えてた時に、いっくんがカラオケに誘ってくれてそれで、改めて告白してくれたんだ。これで、もう彼氏居るから大丈夫だよね♪
でも、怖いなぁ。いっくんに相談したいなぁ。あと、リナちゃんの事も、もう彼女居るのにさっきは浮気してたよね。だって、明らかにリナちゃんが電話越しで始めた後の方が興奮してたもん!!!
もう、話す事がいっぱいだし、やりたい事いっぱいで、いっぱいで何からしたらいいか分かんないよっ!!! でも、今はそんな事よりもイチャイチャしたいっ!!!
『せっかく、アタシに彼氏が出来たんだからっ♪』
つづく
----------------------------------------------------
あとがき
久々に人見知り発症した上に、彼氏のエロ漫画読んでたせいで
変な想像しちゃった彼女。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます