第57話 ゲームしよ?その②

 チュンチュンチュン

 ピヨピヨピヨ


「ん………んんぅ」


 どうやら、朝までぐっすり寝てたようだ。昨日は頭の下と上に幸せな感触があった気がするが、今は普通の枕だ。それに目の前に俺の彼女も居ない。


「あれ? もしかして昨日の事って夢だった? そうだよな。付き合ったその日に、テレセク3Pなんておかしいよな………」


 でも、ソファーで寝てた記憶はある。んー? と思い返しつつボーとしていると、サオリがリビングにやってきた。


「おはよ。どうしたの?」


「ん。あぁ、おはよう。いや、昨日の事を思い出しててさ」


「昨日の事って?」


「俺たち、付き合ったんだよな?」


「うん。そうだね?」


「何か、こう変わらないの?」


「何を変えたいの?」


「呼び方とか? サオリ………? 変わらないな?」


「そうだね、変わらないね? いっくんはいっくんだね?」


「じゃぁ、何が変わったんだろう?」


 そう、思い悩んでるとサオリが近くに寄ってきて、頬にキスをしてくれた。

振り返って、サオリの顔を改めてみて、あぁ、見慣れたはずの幼馴染が、こんなに可愛くて愛おしいものだったんだっけと思って、唇同士でキスをして。それから、、、お尻を触った。


「ちょ! 何やってんのっ!?」


「あ、ごめん。つい」


「あ♡ つい、じゃないのっ!」


 さわさわ、さわさわ。ナデナデ、ナデナデ


 あぁ、この形の良いお尻ももう。俺のものなんだ。。。そう思ったらとても興奮してきた。張りがあって、触ってて気持ちい。


「ダメ、やめてっ!」


「なんでだよ。いいだろ?」


「んん♡ 今は、今は、ダメぇ♡………お鍋溢れちゃうから」


「あ、ごめん」


 そう、言って離れる。俺たち。どうやら俺は彼女にセクハラするのが好きだったらしい。でも、タイミング選ばないとこうやって怒られてしまうようだ。


「もう、本当に今はダメだよ? 後でね?」


「後っていつ?」


「こ、今度お泊まりした時とか? って、何言わせてんのよっ#」


 そう言って、サオリは台所に行ってしまった。

なにこれ、めちゃくちゃ幸せなんですけど!? 彼女出来るってスゲェ!!

もう、早く結婚したいっ。


 でも、まだ年齢的にも出来ないし、今もし、もしもだ。

その盛り上がってしまった結果、子供が出来てしまったら、俺たちは不幸になってしまう。いや、一番不幸なのは準備の出来てない親を持ってしまった子供だ。


 それに

『目の前の男の子が、将来、素敵な男性になってアタシを貰ってくれないかな? って思ってるよ♡』

 なんて言ってくれた彼女に対して、我慢出来ずに致してしまった上に孕ませました。。。だなんてどう考えても素敵な男性な訳がない。そんなの、ただのヤリチン野郎だ。


「まずは勉強頑張らないとなぁ。サオリどころかリナも頭良いみたいだし『同じ大学』受けたとして俺だけ、浪人だなんて事になりかねない」


 自分で言っててなんだけど。かなりありえそうな気がするぞ。だからって『俺のレベルに合わせた大学にしない?』なんて、ただのアホだ。有り得ない。


 最初、結婚を前提にだなんてサオリに告白してしまったけど。今考えると、先の事なんて考えてなかったな。本当に結婚するかどうかで返答するなら、あの時は断られて同然だ。それでも、改めて告白した時に、受け入れてくれたサオリの優しさに感謝だな。


 って、考え込んでる場合じゃない。日課の朝シャワーしにいこう。


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 シャワーを終えて、身支度をした後、リビングに戻るとサオリが朝ごはんを作って待っていてくれた。ついでにお弁当も作ってくれた様だ。


「朝ごはんって何?」


「焼いたお肉に、温野菜と、サラダだよ。お弁当も同じ」


「あぁ、温野菜作るのに鍋使ってたのか」


「そうそう、ほんとは蒸した方がいいんだけどね。今度蒸し器買う?」


「栄養逃げるんだっけか? それなら買ってもいいんじゃない? 俺、金ないけど」


「じゃ、いっくんのお母さんから預かってるお金あるから。それで買っちゃうね」


 なんか、すでにお小遣い管理されてる旦那感。。。まだ結婚してないのにどうなってんだっ。いいけど。などと思いながらサオリの隣の席に座った。


「はい。あーん♡」


? パクパク


「どうぞ、あーん♡」


パクパク。ゴクリ


「お肉、細かくする? それとも自分で食べる?」


「じゃ、一切れだけ頂戴」


(パク)「んー♡」


 ん? どうしてサオリは肉を口を咥えてるんだ………しかも突き出してる。まさかもしかして、もしかして、あれか? 幻の口移しとか言う奴か? え、いいの?

そのままキスしちゃうよ?


 そんな事を考えつつも、サオリは目を閉じてしまった。完全に待ってる。これは待ってますよ。間違いないっ。。。ハァハァ。興奮してきた。


 お肉噛み切ろうとしたら汁が落ちちゃうもんな。これは、もう最後までするしかないよな。な、なんて! 俺の彼女はエロいんだ。息子も反応してきた。


「た、食べるよ? いいね?」


 彼女は答えない。。。いや、口に肉を咥えているから答えられないんだ。

でも、頷いてくれたから問題ない。問題がある訳ない。そう思って、肉を甘噛みしながら………そのまま、舌を絡めたキスをしようとした。


「痛っ!!」


「ああぁぁ。ごめん。うまく出来なかった」


「うぅう、痛い。ちょ、ちょっと、アンタ! なに舌噛んでんのよっ」


「……お肉は難易度高かったかもしれない………」


「そうかもだけれど! もっと注意しないさいよっ!!」


「で、でも……」


「は? なんか文句あんの!? アタシとシたくないのっての!?」


「ありません。ごめんなさい」


「ん!」


 そう言って、サオリは腕を広げて来た。ハグして欲しいって事らしい。

もちろん嫌だなんて事はないので、ハグをして。それから口直しのキスをして仲直りした………でもやっぱさっきのは難易度高いと思うんだ。


 もっと軽い物からやっていかないと。って言いたいけれど、ハグしてる時にサオリは満足そうな顔をしていたからそれが言えなかった。


つづく

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あとがき


昨夜できなかったポッキーゲームより

難易度高い事やって失敗するカップル

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