第89話 同じ
『あの子たち、高校生位だよね? 若いっていいなぁ』
『私たちもスル?』
『えぇ、恥ずかしいよぉ』
『あのおっぱい。むにゅってしていて羨ましいぞ』
『俺の胸に何かご不満が?』
『いや、お前は着痩せするタイプって知ってるから……………イテテ。
俺と、サオリがイチャイチャしてたら周りのカップル? もイチャイチャし始めた。なんか同姓同士な気がするが、気のせいに違い無い。きっとそうだ。
男の胸で張り合うってどう考えてもおかしいだろ。
ちらっと見たら、確かにボリュームは凄いが固そうだ。
「いっくんどうしたの?」
「いや、男の胸も大きい方がいいのかなって、ほら筋肉で」
そう言いながら、胸筋に力入れてピクピクさせてみる。それをサオリが触ってくれて…………って、隣の男同士でも始めてるぞっ!!
「どうだろ。分かんないけど…………いっくんのは好きだよ?」
「あぁ、よく分かんないけどありがと」
さっきの女の人? もそうだったけれど、同姓でも行けたり両刀だったりする人って割といるんだろうか?
―――――自分の心に聞いてみるが、同姓は無理な気がする。ちなみに、石井君で考えてしまったので気持ち悪っ。週明け、彼に文句言っておこうそうしよう。
しばらく、そうやってイチャイチャしていると。俺たちは、順番になったのでコメダのカウンター席に座った。
俺はたっぷりコーヒー、サオリは紅茶を頼み。食べ物は軽食ではない軽食を頼んだ。この店は量が多いので、普通のサイズだと思って注文すると痛い目をみるんだ。
初めて来た時に、お腹いっぱいになってしまってその後、ラーメン屋行くつもりだったのにあんまり美味く感じなくなってしまった。
それからは、コメダで食べ物頼む時は普通に食べるつもりで来る様にしている。
――――――注文した物が来るまでの間、あまり周りに聞かれたく無い事を聞きたくなったので、彼女の耳元で囁きかけた。
「なぁ、百合ってどう思う?」
「百合…………花の?」
「いや、女性同士のカップルの事」
「あぁ、女の娘同士のね。いいんじゃ無い? 本人たちが好きなら」
「え? いいの? それじゃ、男同士は?」
「いっくん。まさか……………それは受け入れられないかな………リアルでは」
「俺じゃ無い。聞いてみただけだ。ってリアルではってなんだよっ!! お前まさかっ!!」
思わず大きな声を出してしまった俺。嘘でしょっ。俺が好きなのは女の娘だ…………間違いない。
「声大きいよ。違うって…………なんか、前にクミちゃんが言ってた」
「えぇっ。伊藤さんが? マジで?」
「なんか、勉強になるからって」
女の娘同士の交流ってどうなってんだ………それって
「そうか………それで、読んだのか? それ?」
「スマフォで少しだけ見た」
「ど、どうだった…………?」
思わず問いかけてしまったが、答えが聞きたくない、聞きたく無い。と思うと途端に緊張してきた。耳の辺りの血管が
「んー、聞きたい?」
「………聞きたい様な、聞きたくない様な………」
「それじゃ、秘密で♪」
「お、おう。そうしてくれ」
えーと、秘密って事は俺と誰かで『一龍x誰か』もしくは『誰かx一龍』をやってしまったって事なの? ど、どっちなの? 攻め? 受け?
と言うか、石井君? 石井君なんですか?
聞きたい。聞きたいけれど聞きたく無いっ。彼女が出来たら、その人の事はなんでも知りたい物だと思ってたが、今は知りたく無い。受け入られる気がしない。
「いっくん、さっきから顔が面白いよ」
「い、色々考えてた……」
「それじゃ、もっとアタシの事を考えててよ♪」
「……………わかった」
改めてサオリと手を繋げていたら少し心が落ち着いてきた。俺はサオリがBL趣味があっても受け入れるぞ……………いや、やっぱ無理っ!!
趣味を受け入れる事は出来ても、実践は絶対無理っ!! 反応してくれる気がしないっ。っていう事は俺って受けかっ!! せ、せめて、後ろの初めてはサオリにしてもらいたいっ。
「ぺ、ペニパン…………」
「え? なにそれ?」
「いや、なんでもない」
「ふーん? 教えてくれないんならググっちゃおうかなぁ」
「やめてくれ。そっちの道に行くなっ」
「もー。また声大きくなってるよ」
そう言いながら微笑みかけてくれる。彼女にどこか艶を感じてしまった。
―――――――しばらくして注文した料理がやってきた。
「やっぱコメダは量が多いな」
「そうだね。あんまり食べると太っちゃうからなぁ」
そう言いながら、胸の辺りを触ってる彼女。いやそこが太る分には全然OKです。むしろもっと太れっ。もっと育てっ。
「どこ見てんのよ」
「おっぱい」
素直に答えたら、おでこを叩かれた。どうやら、おっぱいは外ではダメらしい。
つづく
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あとがき
初めては、好きな人と(後ろであっても)
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