第90話 約束

 俺たちは遅めの昼食を終えたので、そろそろ目的だったアロマを売ってるお店に行く事にした。


 ショッピングモールの1階が化粧品売り場だったりして、匂いが漂って来る事があるが、漠然と似たような感じなのかな。そう思って来たけれど。


「こういうお店って初めてだね」


「あぁ、そうだな…………って、値段結構するのな」


 一つの商品を棚から取って、値段を確認すると割といい値段をしている。少し購入を躊躇ためらってしまうな……………。


「ネットだと安いんだろうけど。こういうのを商品確認しないで買うのは抵抗あるね」


「だよなー。よくリナはネットで買ってるな」


「気に入らなかった物はフリマアプリで売ってるみたいだしね」


「あぁ、女子高生の使用済みってやつか」


「使用済み…………なにその変な言い方?」


 ――――――口が滑った。昨日、リナから貰ったマッサージ機……………使用済み電マのせいか、変な発想が出て来てしまった。


 そのせいで、今サオリに詰め寄られてる。


「…………なんでもない」


「なんでもなくはないでしょ」


「そういうのが好きな人が居るんだろうなぁ。って」


「よくわかんないけど…………アタシのも欲しい?」


「欲しいっ」


「即答w」


 つい即答してしまった。サオリの使用済み……なんだろ? 何が貰えるんだろう? いや、買取か? お金なら、ママが払ってくれる。サオリママが……。



 ―――――という『ゆるい茶番劇』はこの程度にしよう。


 アロマの購入について


 実際に何を買うかと言うのは実は事前に決めていた。事前に調べてた中からイランイランの香りの物を買った。ロマンチックな場面で良い物らしい、匂いもいい感じだし…………ググる先生はなんでも知ってるなぁ。


 それと、コーヒーの匂いがする物もついでに買った。前にコーヒー飲んで運動すると効率上がるっていう話をどっかで聞いた気がするから試してみようかな。と考えたのと勉強の時にも使えそうでとても便利な気がする。


「もう決まったの?」


「実は事前にググって何買うか決めてたんだ」


「へぇ、それなら通販で良かったじゃない」


「た、確かに…………」


「調べすぎだよぉ。いっくんらしいケド」


 サオリに呆れたと言う顔をされてしまった。たしかに準備しすぎたかも知れない…………。緊張してたのかな。


「まぁ、いいじゃないかデートするのが一番の目的なんだしさ」


「まぁねぇ。アタシは色々試してから決めようかな」


「待ってるよ。気に入ったの有ったら教えて」


 二人で色々、試したけれど。色々試して嗅げば嗅ぐほど訳が分からなくなってくる。もう、どれでもよくない? と思い始めた頃に彼女もやっと決めてくれた。


「何にしたんだ?」


「オレンジのにした。勉強中にも使えそうだし。ラベンダーが初心者向けらしいんだけど、それはこの間リナちゃんから貰ったんだよね」


「そういや、この間行ってたもんな」


「昨日、いっくんも行ってたよね? なにか貰った?」


 貰ったな…………隠し武器を二つほど………でもそれは言えない。


「―――――いや、何も貰ってない」


「嘘っ、知ってるんだよ?」


「な、なんの事かな?」


「怪しいぃ」


「アヤシクナイヨ」


 ジーと、サオリから見つめられてしまった。返答に困ってると、そういえばと思い出せた。


「親子丼は作って貰ったな」


「そうそれ! 食べきった後だったじゃん!! そんなに美味しかったの親子丼?」


「美味しかった。そして刺激的だった」


「刺激的な親子丼って一体…………」


 具体的な説明なんて出来ない。あのエピソードって結構ヤバいからこのエピソードに転記してしまったら、作者が運営から怒られた時に困ってしまう。


 いや、もう手遅れかもしれない。最近色々やらかしている気がするんだ。


「詳しくは82話を読んでくれ」


「何その言い方。わけわかんない」


「ホントに気にしないでくれ。ほんとヤバいからあの話」


「ヤバいって…………そんなに親子丼が良かったなら…………アタシの誕生日の時にも、お母さんに親子丼お願いしておく? ケーキと親子丼って変な感じするケド」


 詩織さんとサオリの親子丼か…………楽しみだ。詩織さんのぼいんぼいんがバルンバルン♪ してるんだ。丼の上には丸くて赤みを帯びいて口の中に入れると自然と汁が出る物があって、それを優しく口の中で弄んで………。


 と言う妄想の中では、なぜか親子丼にイクラが入ってた。そうすると親は鮭になる気がする。


「お願いしようかな。なんか海鮮親子丼が食べたくなった」


「海鮮で親子丼って…………鮭とイクラの海鮮親子丼とか?」


「そうそれ」


「ふーん。わかった」


「おう、よろしく」


 サオリの誕生日は、夏休みに入った頃だから毎年その日は白井家に行ってたんだ。今年の誕生日会も楽しみになってきた。


 買い物も終えたので、夕飯の買い出しをついでにしてから俺たちは自宅に帰る事にした。


 ―――――準備は揃った。いよいよだな。


つづく

----------------------------------------------------

あとがき


海鮮親子丼は、やるとしたらプロット考えてからの三章時予定なので少し休載します。

その時まで「みんなも応援してくれよな!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る