第84話 したい
チュンチュンチュン
鳥のさえずりと、朝の澄んだ空気を感じつつ。いつもより早い時間に起きてしまった。何か夢をみたのか心臓の鼓動が強くなっているし、耳の後ろ辺りの血管に圧迫感を感じる。
「まるで遠足前の小学生だな……………」
それだけ期待してしまってるのか、何もしないで待つよりは掃除始めよう。今日は、一つも失敗したくないし。
そう思って起き出して、顔を洗ってから掃除を始めた。
まずは、自分の部屋だ。ここには危険物があるから、先にやっておかないと。
布団を広げてゴミを落として、シーツも綺麗に整えてっと。テーブルの上や床も軽く片付けてから、あとは掃除機だけ。と言う状態にした。
「これで良しっ」
良い感じな気がする。なんとなく部屋の中をずっと見回してしまっていると
ピンポーン
どうやらサオリが来た様だ。少し眠さを感じる頭を振って玄関の方に行った。
「はーい。今開けるよ」
ガチャガチャガチャ
もう開けようとしてる様子で少し早足で玄関に向かった。そりゃそうか、毎回この時間に起きてたりしないもんな。
なので急いで、扉を開いた。
「おはようっ」
「お、おはよういっくん。今日は早いね?」
今日のサオリの髪型は昨日と同じくゆるふわな髪型になっている。それがちょっと嬉しくなった。
「今日もその髪型なんだね。似合ってるよ」
「うん。ありがと。でも掃除の時は気になるから結局縛っちゃうかも」
「あ、俺の部屋はもう掃除したから。あと、制服も漬け置きしておいた」
「へぇ。珍しいね。なんかあったの?」
「なんか、早く起きちゃってさ」
そう問いかけられながら見つめられると居心地が悪くなったので、なぜだか顔を逸らしてまった。
「あやしぃ。なんか考えてるでしょ」
「そんな事ないって」
「じゃ、こっちみてよ」
そう言われたので、改めて前を見るとハグと共にキスされた。
んぅ、んんぅ♡ チュ♡
俺も盛り上がって来たので、強く抱きしめながらお返しをする。そうするとお互いに盛り上がってきた。
むぎゅ むぎゅ んっ♡ んんつ♡
そのまましばらく、玄関で抱き合ってお互いに離れずらくなってしまい。このままベッド行こうか? そう誘ってしまいたくなってしまった。
一度誘って見ようかな………
「なぁ、ちょっとさ……その”休憩"しない?」
「"休憩"って……ダ、ダメだよ。先に掃除しないと………」
「そうだけど、離れたくないんだよ」
「アタシもだよ。でも、ダメ。午後出かけるでしょ?」
「………そうだった…………」
仕方ないので、お互いに離れた。でも、まだ物足りない。それはサオリも同じなのか顔が上気していた。いつもとは違う髪型だし、雰囲気がまるで違うからとても意識してしまった。
「ま、まずは軽く朝ごはんしよっか」
「そ、そうだな。急がないとな………」
「卵料理でいい? スクランブルエッグで」
「いいよ。なんでも」
「そういう言い方は良くないと思うな?」
「ごめんて、卵料理ならなんでも良い」
少し怒られてしまった。たしかにそういう言い方はよくない怒られてばかりだな。
「ごめんな」
そう言って、少しハグをしつつ彼女の体を堪能した。
それからは、お互いに頷きあって、それぞれの持ち場に向かう。
「そんじゃ。先に掃除機かけてする」
「うん。こっちは朝ごはん作っておくよ。汁物も作る?」
「そうだな。お願い」
それぞれ掃除を始めた後。今は、夏休みが近くなっている頃なので、掃除機かけてると少し汗かいてきた。
ちなみに自分の部屋は特に念入りに行った。
弟の部屋も軽くやって両親の部屋、あまり使ってない部屋でも、一週間も使わない状態だと湿気がたまったりするしな。
「ふぅ、ここら辺で一旦休むか」
台所に向かうともう、朝ごはん出来てたのでサオリの隣に座って朝ごはんだ。
「いただきます」
「はい。どーぞ♪」
まずは、スクランブルエッグを頂こう。少し半熟気味な卵が昨日の親子丼を少し思い出してしまう。昨日のご飯美味かったなぁ。いろんな意味で………。
「なんか考えてるでしょ? 昨日の事?」
「あぁ、昨日の親子丼美味しかったなぁ。って」
「目の前のご飯食べながら、そんな風に言うのってヒドくない? まぁ、簡単に作っただけだけどさ」
そう言いながら、サオリも食べ始めてる。その横顔を見ると少し不満そうだった。ごめんな。と思いつつ、頬にキスした。
そうしたら、彼女も頬にキスしかえしてくれた。
――――――このままおっぱいを揉みたいな。そんな衝動に突き動かされて………サオリの肩に手を乗せつつ機会を伺う。
「なに? 突然」
そう言いながら、肩に置いた手に手を合わせてくれたのでお互いにそれ以上の言葉は要らない。そう感じあえた。
――――――朝ごはんを食べ終えて、それぞれ掃除を済ませたので、俺はソファーで転がりながら、スマフォ開いてゲームやってるとサオリがやって来た。
「ちょっと一緒に寝ていい? 朝早いし少し疲れた」
「いいよ。もちろん」
そう言いつつ、スマフォを充電器にさして充電しておく。サオリも充電し始めてから二人で横になった。
「こういうのって良いね」
「そうだな。 ―― ――お前、なんか勝手に添い寝してた事あったけどさ」
「あ、うん」
「ああいうのは止めた方がいいぞ。その、勘違いするから」
「そうだね…………って! それで思い出した」
クンカクンカ
そう言いながら、サオリが俺の体の匂いを嗅ぎ始めた。首筋、耳の裏、脇の辺り………なんだかこそばゆくて、俺も髪の毛や首のあたりの匂いを嗅ぎながら、軽くキスをしながらお互いに軽い愛撫を楽しんだ。
「今朝シャワーし忘れてたけれど、臭くない?」
「んー、大丈夫。今がちょうど良いくらいかなぁ」
「そっか。あ、出かける前に一度シャワーするか、サオリはどうスる?」
一緒にシャワーしたいなぁ。彼女と一緒にシャワーするのって夢だよな。そう思いながら問いかけた。
「アタシもシャワーしたいなぁ。 ―――――って、今エッチな事考えたでしょ」
「まぁ、自分の彼女だし考えてもいいだろ?」
「ダーメ。見せるの恥ずかしいよ。変だと思われたらヤダし」
つづく
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あとがき
女の子と一緒にシャワーしたいっ。シャワーするだけで良いんだっ。
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