第43話 尊い

 俺とリナは、ネカフェのカップルシートで、お互いに借りて来た漫画を読みあって時間を過ごしていたら、思いの外時間が過ぎていた。


 そろそろ、サオリから連絡くるかなー。と思いつつもまだ来てないので改めて漫画を読む俺。


『幽霊みえちゃう娘』ってアニメの後、こんな展開になるのか! 早く二期やってくれないかなぁ。アニメのクオリティの高さにスタッフの愛を改めて感じる。


『見知らぬ女子高生に同居された話』の方も、突然監禁してきたりして、病んでる感じはするけれど。主人公をお世話するヒロイン可愛い。


 両方とも、精神病んでる所があるけど、健気な所があってギャップで可愛く感じるのかな。


 そんなことを考えつつ、過ごしているとサオリからメッセが来た。


サオリ:そろそろ駅につくよ

いち:迎えにいくよ。改札近くのコンビニで待ち合わせで

サオリ:OK。所で今どこ?

いち;ネカフェで、漫画読んでる

サオリ:どんな漫画? 

いち:幽霊みえちゃう娘と見知らぬ女子高生に同居された話 ってやつ。結構面白い

サオリ:へぇ。そういうのが好きなんだ?

いち:いや。漫画だからな?


 ん?この連絡のだと

『幽霊が見える娘と見知らぬ女子高生の二人に居候されちゃう話』

に読めるか………? なんか、変な風に誤解されたような。。。


 でも、その話、結構面白そうだな。霊感娘とヤンデレJKに居候されちゃって、毎日、二人の女の娘からお世話されたり誘惑されたりする主人公。うん。悪くない。


 主人公の家に霊が居着いていそうな所、以外はな!


「サオリ、駅に着いたみたいだから、部屋片付けて」


「おっけー。漫画面白かったね♪」


「面白かったな。またアニメ観たくなったよ」


「それじゃ、今度、一緒に観ようよ。ネット映画で観れるでしょ?」


「どうだろう。観れる内容変わったりするしな。確認しておく」


 そんな会話をしつつ、マットを元に戻したりコップとかのゴミを捨ててから、漫画を棚に戻しつつ、お会計をしてネカフェを出てサオリを迎えに行く俺たち。


 店員が、掃除する時に棚に戻すだろうから、自分で戻す必要は無いんだろうけれど。次に読む人に早く届いて欲しい。そう思うと自分で戻してしまうんだよな。


 駅の改札の方に向かうと。コンビニ前でサオリがスマフォを見つつ待っていた。


「お疲れ。待ってた?」


「待ってないとでも? ちょっと遅くない?」


「ごめん、出る前に漫画を棚に戻したり、後片付けしててさ」


「言われなくても後片付けするなんて偉いじゃない。いつもそうしてよね」


「あぁ、、、そうするよ」


「そうそう、カップルシートだったから私といった君で二人で片付けたんだよ」


「は? カップル!?」


 あぁ、そうだよな。そこ突っ込むよね! リナちゃん余計な説明をありがとう!


「まぁ、待て。カップルシートって言ってもだな。一人でも使えるんだよ」


「そうそう、一人でも使える部屋なんだよ。シートっていうかマット?」


「マット? カップルで?? どういうことなのよっ!?」


 こんなこともあろうかと………さっき部屋の写真を撮っておいたんだ。

それをサオリに見せる。


「これだよ。これ、思ったより広いんだぜ?」


「確かに広いわね。3人でも行けそう」


「そう、だな。3人で使えるかは分からないけどな」


「防音だし安心だよ♪ おしゃべりしてても良いし♪」


 それで何が安心なのか、小一時間問い詰めたい。

いや普通は防音の方が安心なのか。一人で使うにしても二人で使うにしても。だ。


「いっくん、ちょっと良いかな? 二人でお話ししたいな? リナちゃんは少し離れてもらえる。あ、その服可愛いね! あとでよく見せてね♪」


「はーい♪」


 俺は、壁の方に連れてこられて、胸ドン? をされた。いや手も胸も付いてはないんだが、胸が突き出てる感じだ。当たりそうなんですけど!


 と思ったら、襟を突然掴まれて、チェックされ始めた。次は肩だ、、、そして顔を………見られたら思わず顔を背けてしまった。。。


「動かないで」


「はい………」


 次は何をするんだと思ってたら、

首の辺りと脇の辺りの匂いをチェックされ始めた。

あの此処、人通りあるんですけど。視線が痛いんですけど。。。


「とりあえず。浮気では無いようね。でも、怪しい」


「浮気なんてしてないよ………」


「それにしては怪しいんだけど。例えば、こことか?」


 そう言って、口の辺りを刺されたが、そこは何もない。問題ない。


「こっちかな?」


 頬の辺りを指されたが、、、今度は耐えた。。。目は逸らさないぞ。


「ふーん。こっちなのね? 突然、アタシをそんなに見つめちゃって」


 バレテーラ………バレテーラ。


「ちょっと、リナちゃん! いっくんに何かしたでしょ!!」


「うん。ほっぺにキスしたよ。あ、サオリちゃんにもするね!!」


「な………なんでよ」


 そう言いつつも、サオリが拒否をしないので、リナからほっぺにキスされるがままになってる。あぁ。女の娘が二人してイチャイチャしているのって尊い。。。

ずっと見ていたい。。。じゃない! ここは駅構内だ!

他人になんて見せたく無い!


「と、とりあえず。サオリの家に行きませんか? ここは人が多いですので。はい」


「「びみょーな敬語(なんですけどw)」」


 とりあえず、サオリの家に行こうとなった俺たち3人。

危機はひとまず脱した。多分。


「で、なんでリナちゃんがキス魔になってんのよ」


「今度、3人で服買いに行こうぜ。って言ったらこうなった。なぜかは知らない」


「アタシ聞いてないんだけど」


「都合が合えばいくだろ? お前、俺にちゃんとした私服買えって言ってたじゃん」


「まぁ、いくけど」


「本当!! 嬉しぃー。サオリちゃん大好きっ♪」


 また、二人でくっつき始めた。あぁ、尊い。この場面を絵画か何かで残したいくらいだ。最近だと『てぇてぇ』とも言うんだっけか。


 でも、まだサオリさんの目が厳しいな。。。後で何か言われそうだ。

そろそろ、サオリとの関係に決着つけないと。な。


つづく

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あとがき


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