第79話 昔話

ギャル:山本 里奈(ヤマモト リナ)視点


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 私の自室にいった君を連れて込んでしまった。


 今まで、何度も誘惑していたけれど。ここまで、来ると緊張し始めてしまった。


 ちょっと気持ちがソワソワしてきた。


 今まで、いろいろと下ネタを言ってたけれど、私ってエロゲとオナニーの経験しかないから。まだ男の子とはシタ事はない。だから耳年増? ってやつかもしれない。


☆―――☆―――☆―――☆―――☆


「そう、だよね。 ―――いや、改めて話すとなると緊張しちゃうなぁ」


「それなら、隣に来たら? 向かい合ってると話しづらいって言うよ? それに、いつもと違うし」


「あ、ちょっと待って、アルバム出すから。パパの事も話す必要あるし」


☆―――☆―――☆―――☆―――☆


 そう言って、間を置いてしまった。なんだか落ち着かない。


 小学校の頃からの話をして、嫌な子だと思われないかと心配になってきちゃった。


『いった君が隣に座ったら?』

 と言ってくれたので、少し話しやすくなった気がする。


 こういう、何気ない気遣いが好きだなぁ。それに、幼馴染のサオリちゃんを大事に思っている姿も好きなんだ。それが、私にも向いてくれないかなぁ。


 持って来たアルバムを触りながら


「それじゃ、話すね……………」


「あぁ、お願い」


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 山本里奈(ヤマモト リナ)になる前の話。


 私のパパはイギリス人で、日本でフィットネスクラブのパーソナルトレーナーとして出稼ぎの様な形で働いている時に、仕事先でママと出会って付き合った後に結婚をしたと聞いて育った。


 その時は、ママからパパにアプローチした。いわゆる逆ナンパと言うやつだったらしい。


 昔のパパの写真を見ると、まるで映画の俳優さんみたいで、ちょっと筋肉が多すぎかなぁ。と思うけれど。こういうタイプが好きだったらしい。


 だからさっき、いった君にも筋肉を勧めてたんだろうなぁ。


 後に、パパとママは結婚をしたんだれど、私が生まれた時にママが体調を悪くして、産休休暇を伸ばしてもらっていたら。


 タイミング悪く、勤めてた会社の状況が悪くなり復職する事が難しくなってしまって、共働きが出来なくなってしまったらしい。


 私が小学生になった頃に、パパは収入が安定しているとは言えない。パーソナルトレーナーの仕事を止めて安定した収入を得る為に転職したんだけれど、それが良くなかった。


 転職した先で、パパは今までの働き方と違う生活に精神を病んでしまって、イギリスに帰ると言い出したんだ。


 当時は、その時の詳しい話はわからなかったんだけれど、後に中学生に上がった時にママの実家に帰った時に教えて貰った。


 離婚する前にパパは、ママとわたしも一緒にイギリスに行こうと誘っていたんだけれど。ママは健康状態に不安があって、英語も得意ではない。わたしも、当時は英語出来なかったし。


 海外は、ちょっと怖かったので『パパと一緒に行く!』とも言えずにいた。


 そんな状態が続いてしまい。パパは仕事を辞めてしまって、ストレスで過食症になったせいでとても太ってしまった。


 それじゃ、前の職場に復職しようと考えても、パーソナルトレーナーをやっていた時の体型とは全く変わってしまったので、すぐにどこかのジムに復帰するのは難しい。


 ママは仕方なしにパートの仕事を始めたが、収入が足りないので勤めていた時の貯金を崩して生活をする様な状態になってた。


 そんな事が続いしてしまいうちの家は、そんなパパとママがいつも言い争いをする。そんな家庭になってしまった。


 その頃には、私は家に居るのが嫌になってしまっていた。


 そんな時に出会ったのが、虎杖君とサオリちゃんだ。


 この二人は一時期、離れていた時期もある様だけれど。最近は、また仲良しになった様で、私は羨ましいと思ってしまったんだ。


 ママとパパはお互いに好きで結婚した筈なのに今は仲が悪い。わたしもパパを今も好きな筈なのに、今のパパはちょっと怖い………。


 わたしは、みんな仲良くして欲しいんだ。だから、わたしは、仲良しの二人の事を近くで知りたい。


 出来れば、ママとパパも仲良しに戻れる方法を知りたい、そう思って同い年のクラスメイトに声をかけた。


「わたしも一緒に遊びたいな♪ 良いかな?」


 こうして、二人に声を掛けた。


 最初、サオリちゃんは同い年の子とはちゃんとは話せなかったんだけれど。話を聞くと、虎杖君には小さい弟君が居ると言う話だったので


「弟君見に行きたいっ。行っていい?」


 そう言ったら、弟君と遊んでくれるなら来ても良いよ。と言ってくれたので行く事になったんだ。


 実際に行くと、サオリちゃんは、虎杖君の弟君とは普通に話せていたし、面倒見が良かった。


 わたしも、弟君越しに話しかけてみたら、サオリちゃんとも普通に話せたので仲良くなれた。


 そうしていたら虎杖君も、私への警戒心がなくなったのか、気軽に接してくれる様になった。それからはわたし達は仲良しだ。何処に行くのも一緒だった。


 このまま、ずっと三人で居たいなと思って居た頃に、私のママとパパが離婚が決まってしまい。二人にはその事を告げられずにママの実家に行く事になった。


 うちは、スマフォを持たせる様な余裕がなく持ってなかったから、虎杖君たちと連絡も取れなくってしまい………引っ越し先に仲の良い友達はいない。


 小学校高学年で、転入してもすぐに卒業だし、中学受験もする暇が無かったので、とりあえず近くの中学に入ったんだけれど、ほとんど同じ学校からのグループで連んでる子が多かったので、わたしはそのグループにうまく入れないでいた。


 なんだか、やる気を持てずにいたら、わたしはいつの間にかボッチになってた。


 その後、高校生になった時に、虎杖君とサオリちゃんに再会出来た。


つづく

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あとがき


見守ってたい。けれど、ただ見守ってるだけじゃ物足りない。

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