第46話 勉強会で集中する方法

「じゃ、勉強するよ。準備して」


 そう言われたので、部屋に戻って勉強道具を取りに行く事にした。

女の娘二人との勉強会なんて、ワクワクするね。


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 俺が、ワクワク、ソワソワ、テカテカしながらリビングに戻るとそこで異様な光景が広げられていた。


 なぜか、リナがスタンドとライトがセットになった物を設置してるんだ。。。昨日運んだ荷物ってこんなものも入ってたの? いつでもどこでもスタジオ的な?


「あの………これってどういう?」


「ん? 勉強してる姿を撮影するんだよ。タイムラプス勉強法とか言うやつ。いった君とサオリちゃんもスマフォ渡して、手元にあったら意味ないから」


「へ、へぇ」「どうぞ」


 そう言いつつ。スマフォをリナに渡す俺たち。


「コンセントってどこ? 充電出来るようにしたいんだけど」


「あぁ、それならここの奴を使えば………どうぞ」


「一人でも集中する為に、いつもは手元だけ撮影して配信とかしてるんだけどね。今日は全員写しちゃうから、撮影だけにするよ。それだけでも集中出来るはずだから」


 よくわからんが、そういう事らしい。確かに配信とか撮影しながらなら変な事は出来ないな。なるほど。こういう方法があるのか。流石と言うんだろうか。そう思いつつ、リナの手元をついつい見てしまう。綺麗な手だな。この手が観れるだけで、動画配信視てしまうかもしれないな。


「あれって、そういう意味があったのね。アタシもやってみようかな」


「うん。なんか投げ銭貰えたりするよ。無音で勉強してるのを写してるだけなのに」


 サオリも関心してる。君の手も綺麗だから、確かに良いかもしれないね。洗い物する時にいつもゴム手袋するくらい気にしてるしね。


 っていうか、お金貰えたりするんだぁ………いいなぁ。

と思ってる間に準備が整った。リナはサオリから貰った教科書のコピーと


「じゃ、勉強しようっか」


 と言われたので、始める。ルールとしては喋らない事らしい。飲み物とかお菓子食べるのはオーケー。だとか。でも、、、なんか、俺が思ってた勉強会と違う。

サオリとしてた勉強会とも違う………想像してたのは、もっと緩い雰囲気だった筈なのにどうしてこうなった? そして小一時間程経った頃


「はい。休憩時間だよ。わかない所あったら、言ってね」


 リナさん、凄い仕切ってるなぁ。結構勉強好きなのかな。俺は数学がわからん! ので聞く事にする。


「リナ先生! 数学の………何処が分からないかが分かりません!」


「は? ちゃんと質問しなさいよっ!」


「いっくん、それはないよ………ちょっと見せて。。。ここかな?」


 あれ? 滑った? サオリが分からない所を見てくれた。。。

サオリさん優しい………あー。そうやるのか。なるほど。


「覚えた?」


「明日までは大丈夫な気がする!」


「じゃぁ、明日もやるからね」


 えー。数学って何に使うのかわかんないよ。分かれば頑張れる気がするんだけど。なぁ。何に使うの?


「数学って何に使うの?」


「学者とか、プログラマーとかが使う?」


「そっちは目指してないや」


「じゃぁ、何を目指すの」


 なんだろうなぁ。進路か………早い人はもう考えてるのか。


「まだわかんない。二人は?」


「なんか、SNSとかで稼ぐ人。でも、うまく行くか分かんないし、とりま学歴は必要かなって」


 リナはそんな感じかぁ、たしかによく分かんないよな。

それなら勉強頑張るのは分かる。でサオリは?


「ア………アタシは好きな人と一緒に居られればそれで………」


 それって永久就職? だから、年上の人でちゃんとした人が良いとかそういう事?

まだ何も考えてない俺、ダメじゃん。。。論外じゃん。。。


「と、とりあえず。俺も大学は目指す事にする。何やりたいか分かんないけど。だから、これからも勉強教えてください」


「おっけー」「いいよ」


 ありがとう。二人とも俺頑張れる気がするよ。でも何やろうかなぁ。

筋トレは好きだけど、団体スポーツは嫌いだから………

栄養士とか調理師? んー。あんまりイメージ湧かないな。


 アニメは好きだけど、絵は描けないし。

何も分からないや。まずはどういう大学があるのか調べる所からか。。。


 まぁ、いざとなったら親が勤めてる会社のコネで、専修学校に通わせてくれるとか言ってたが、、、ちゃんとやれば就職出来るって話だけど、なんとなく避けたい気がする。


「それじゃもうひと勉強する? それともお昼にする?」


「んー。昼飯にしようか」


「じゃ、台所借りるね」


 そう言って、サオリが昼食を作りに行ってくれた。

なんか思ってたのとは違うけれど、こういう勉強会も良いな。


「じゃ、私たちはどうする? チョコバーゲームでもしてる?」


そう言いながらチョコバーを折って細くした物を口に咥えながら、誘って来たリナ。

 チョコは食べたいけど! やるにしても今じゃないだろ!


つづく

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あとがき


これなら、女の娘が二人居てもきっと集中出来る筈っ!

※この小説はタイムラプス勉強法の効果を保証するものではありません。

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