第24話 誰だっけ?

俺とリナが学食のテーブルに着いた時に

男子生徒から聞きなれない声をかけられた。


「あれ? 虎杖イタドリじゃね? 学食来てるの初めてみた」


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誰だっけ? こいつ?

そう思いながら首を傾げてると。。。


「おま、、、オレのこと誰だか分かってない感じ?」


そう言って、ため息をつかれた。


「石井(イシイ)だよ。同じクラスなのに、覚えられてないとかショックだぜ」


そう言われて、思い出す。あ、コイツ、最近サオリが所属してる

陽キャグループのやつだったか? と思い当たる。


「虎杖です。どうもよろしく」


「知ってるわwww」


なんか、ツボに入ったらしく笑い出した。

笑いが止まらず、しまいには、テーブル叩き出した。

あの、、、やめて欲しいんだけど。。。。


「おまえ、マジ、白井シライ サオリさんの事、以外興味ないのなw マジうけるw」


そう。。。だな。他の人は興味なかった。というより

陽キャグループについては、知りたくないので、避けていた。。。

俺が返答に困っていると。


「そんじゃ、他のクラスの人で知ってる人言ってみ?」


えーーーーと?? んー??

前回、隣の席だった人の名前はなんだっけ??? と、とりあえず


山本ヤマモト リナさん」


石井君が向かい側の席のリナを見て、頷いた。


「うん。それで?」


「石井君」


「っっっっっっっっっw 何それ、オレを殺す気かっっっっw」


また笑い出して止まらなくなった。。。

そして、なんとか持ち直したところで、やっと喋り出した。


「あ、、、あの、、、、、」


「あぁ。ごめんごめん。白井さんから虎杖を紹介するまでは話しかけるな。って言って言われてたんだけど。………こういう事かぁ。なるほどなぁ」


何かを納得している。石井君。なんだってんだ。。。


「ちょっと、ウルサイんですけどぉ。話、終わったんならあっち行ってよ」


リナから苦情が出た。そうだもっと言ってやれ!


「あ、山本さん、ほんとごめん! 邪魔するつもりはなかったんだよ。むしろ応援してるよ」


「は? アンタに応援される必要ないんですけど?」


「まぁまぁ、気にしないで、オレはもうどっかいくから」


そう言って、石井君は手を振りながら去って言った。


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「なんだったんだ………」


「さぁ? どうでもいいんじゃね」


リナは全く興味がないみたいだ。

高校デビューに失敗して、ボッチになってたからだろうか。。


まぁ、俺も興味ないんだけど。前に隣の席だった人の名前忘れるくらいだし。。。

ほんと誰だっけ? 全然覚えてない。

すまない前の時、隣の席だったはずの人。

頼むからこれからも話しかけないで欲しい、

どんな顔をして話せばいいかわからないんだ。


でも石井君のことは覚えておこう。

流石にもう一度、あんなやりとりしたら怒るだろうし。

あぁ、めんどくさい。。。


「とりあえず。食べよ?」


「あぁ、そうしよう……」


とりあえず。昨日の残りのリブステーキを取り出した


「カレーの上に乗っけていいよな?」


「どうぞ」


取り出そうとしたところで、箸もスプーンも持って来てないことに気づく。

あ。。。と思ってると


「こっちのスプーン使いなよ」


そういってスプーンを手渡される。

肉自体はカット済みだから、載せるだけだ。


「はい。どうぞ」


「ありがと。でも良いの?」


「なにが?」


「私が先に食べて」


「リナが頼んだんだから。リナが先に食べるだろ?」


何言ってんだ?

と思って気づく。スプーンが一個だってことに。


「あ、それじゃスプーン持って来る」


そう言って席を立とうとすると呼び止められる。


「ダーメ。スプーンは持ってこないで」


………なにかやりたいんですね。わかります。


「ここに二つの道があります。両方とも幸福な道です」


「いやな予感しかしないけど。その心は?」


「ひとつは、私にあーんされて幸福になる道です。もうひとつは私が使ったスプーンを使える道です。どちらの道を選びますか?」


「第3の選択肢は?」


「ありません」


「どうしても?」


「どうしても」


どちらにするか、、、あーんは捨てがたいが、、、


「………じゃ、第二の選択肢で」


「なんだぁ、つまんない」


そう言って、リナはカレーを食べ始めた。

前回、あーんはリナの方が恥ずかしがってやってくれなかったし。。。

教室よりここの方が人も多いんだ。設問に無理がある気がする。


と思ったけど突っ込まず、俺も家から持って来たりんごを食べる。

出かける前にあるのでそのまま食べてると、問いかけられた。


「前から思ってたけど、、、なんでそのまま食べてんの?」


「学校にナイフ持ってこれないだろ。普通に考えて」


「じゃ、なんで切って持ってこないの?」


「切って持って来ると、酸化して美味しくなくなるだろ」


「なんなの。ボクサーでも目指してんの?」


「何も目指してない。ただりんご食ってるだけ。思ったより腹膨れるぞ?」


そんな、会話をしたら興味を無くしたようだ……。

りんごをゆっくり食べてたら、声をかけられた。


「じゃ、あーんして」


「え?」


「ほら、さっさとしなって。欲しいんでしょ? 私のが」


そう言いながら、カレーと肉が乗っかったスプーンを差し出してくれる。


つづく

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あとがき


やっと4人目の登場人物、出せました。


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