75 藤間のシェアハウス (イ付)


ドラッグ?



ちはるさんはノックして鍵でドアを開けた。私は目撃者の役か?

  びくびくしながら部屋を覗くと、三人の女の子はきれいなドレスの姿でベッドにくつろいでいるのを発見した。そしてなにしているかちはるさんが聞くと、まだ横になっていた一人はリラックスしてたと答えた。「今何時?」

  ちはるさんはそろそろ十一時と言った。「君たちなんでドアを施錠したの。なにかあったかと心配したけど」

  そしてほかの一人はゆっくりと起きて事情を説明した。最初彼女たちはただここに飲みに来たが、頭が痛いときに治るヨガのポーズがあると話して、そうしたらドレス姿では恥ずかしいのでドアを施錠したそうだ。

  あまり筋の通った話ではないが、ちはるさんは床に置かれたグラスを見ると聞いた。「本当にヨガだけね」

  「はーい」

  さっき時間を聞いた女はそう声を出すと、ちはるは言った。「ほかの人が見に来たら問題になるものはある?」

  「なーい」

  「それはなーにー?お尻かな」

  私の後ろで部屋のそとにいたロイさんの笑い声が聞こえた。そして出る前にちはるさんは言った。「そのまま寝ていいけど、パーティーが終わる前に呼ぶからね。ドアを施錠する?」

  私たちは出るとロイさんは聞いた。「変なことはないね。男はどこかに隠れてた?」

  ちはるは頭を振った。「いても邪魔しないでしょ」

  

  そしてちはるさんは私にお礼を言うと、彼女はロイさんとどこかに歩いて行った。また一人になって、ホールに戻ったとき藤間さんはまだいたが、彼女は知り合いの男性としゃべっていた。

  藤間さんの手にあるオレンジジュースを見て、自分はどのくらい長くピンクシャンパンを持っていたのかと気づいた。長くこのピンク色を眺めている私は酔っぱらったのかな。

  きれいだ。

  ちょっと飲んだら、このまま置いて片付けてもらえばいいのに、なぜかまだ私の手にある。私はバカだ。


  でも、このシャンパンは私じゃないか。


  このピンク色。


  だれかに渡されたが、いつでも置けるのにもったいないと思うからか私の意志で長く持っている。きれいだけど、なんのために持っているのか。今から飲むかどうか、私の決めることじゃないか。


  もうちょっと、飲んだけど。

  芸能界に、私は女優だ……


  藤間さんがあんなに笑顔でしゃべっているなんて、芸能人の彼女は、こう考えたことあるかな。

  ここにいる芸能人たちを見ると、華やかだと思うより、芸能界がこう見えるのはただ彼女たちが開花したわけじゃないか。一人ひとりいつ消えるかわからないが、咲いている間に映されて、萎れたものの代わりに新しく明るい色の花が来て常に視聴者を満足させる。

  もし私が元の美月のままで普通の仕事をしていたら季節はこんなに激しくなく、芸能界はこのパーティーみたいなものかな、だれかと出会うのは一瞬だけで……私のつまらない人生は続いても、みんなとこうしているのは今だけなのかな……

  そして藤間さんがまた一人になると、もうこんなカジュアルな雰囲気で彼女と会えないかと思うので、私は話しかけてみた。

  「さっき藤間さんの知り合いなの?」

  「うん、そうそう。浅井さんまだいたんだ!」

  「いつ帰ったらいいかわからなくて。……藤間さんは結構食べましたね!」

  「おいしいから!浅井さんもなんか食べないの?」

  「いえ、もうお腹いっぱいです」


  私は長く彼女としゃべった。

  主に私たちのまだ続いているドラマ撮影のことだったが、彼女の今住んでいる家の話もした。大きな家でこの前同誌のモデルと一緒に借りて同居したが、それぞれ引っ越したので彼女は一人で残っていた。

  四つのベッドルームがある家で、もし私がいたらいくらかと聞くと、六万円と彼女は言った。「……え、安すぎない?藤間さんは残りを払うの」

  「そうそう、そんな感じ」

  「えー、もし先に知ってたら私は藤間さんの家に引っ越したけど……でも家賃が高いですね、六万円が四人で二十四万、二十四万円?」

  藤間さんは手を振った。「いえいえ、払っているのは十四万円だ。もし人がもっと入ったら六万円より安くしますね」

  「四ベッドルームって安い!」

  「そうね。知り合いの親の家だからさ、汚すかどうか気になるから私に貸したんだ……実はもっとほかの十万円以下のところに引っ越した方がいいけどね」

  「なぜ引っ越さないんですか?」

  藤間さんはさっき取ったリンゴジュースを飲むと言った。「もう長く住んでいるからね。あとはもし前みたいに友だちと一緒にいたら楽しいと思うけど……もう過去かな」

  ちょうど彼女が完食したとき彼氏から連絡が来て、藤間さんはまた現場で会おうねと言うと別れた。






―――――――――――――――――――

藤間はどのくらい食べた……?!


シェアハウス(カスミソウハウス)は、今後重要になります。


次の話は第6章(下)の終わりです。

第7章に入る前に、アップ済みの第5章、第6章(上)、第6章(下)の要約を、3回に分けて順番に更新予定です。

すでにここまで読んでいただいている方も裏ストーリー満載なので、楽しめると思います。


例えば、実は彰は年上女性がタイプ(?!)など


藤間の自撮りイラスト

https://kakuyomu.jp/users/kamakurayuuki/news/16817330654215061336

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る