31 紗季の家に遊びに行く (イ付)



でも紗季のこと、私はなにを思っているのか……



東京旅行から帰ったその週、男子の濱口は松江にある着物レンタルの店に行くつもりで、あそぶために私たち文化祭委員会の五人も一緒に行った。着物を選びながら若い女店主が長いこと詳しく説明してくれて、たくさんの柄と種類のことを聞くとほとんどわからなかった私は本当に自分は日本人かと疑った。レンタルしたのは四枚で、そのあと配達で送る予定にすると、まだ時間があるので私たちはイオンモールをぶらぶらしに行った。

  よく地方にあるこの大きなモールを歩きながら紗季を見ると、相変わらず私とほかの人にも明るくしゃべっていた。アパレルショップといろんな店を見てから、最上階の三階にゲーセンがあって私たちはクレーンゲームをした。フィギュアやかわいいぬいぐるみを狙ったが、結局私がゲットしたのはどら焼き形の若干大きなピローだった。しばらく見ていて必要かわからなくて、紗季にほしいかと聞いてみた。「え、彰くんいらないの?」

  「うん、家に結構ピローが多いから」

  「すごいふわふわだよ。ありがとう!」

  そんなに嬉しいか。

  マクドナルドで夕食を食べると私たちは電車に乗って帰った。最初みんな元気だったが、だんだん眠くなったか隣にすわった紗季は寝ていて、私は携帯でニュースを読んで、新しいアニメについての記事で庄司と西谷と長く話した。そして又渡に着くと、まだ紗季の駅じゃないけど、念のため私は彼女を起こした。私が降りる前に彼女は笑顔でまたねと言った。「あ、あとで、メッセージを送るよね」

  「うん!」私はうなずいた。

  駅からしばらく自転車に乗ると携帯にメッセージが届いた。明日、家にあそびに来るかと紗季は誘って、行くと私は返信した。実は数回彼女の家に行ったことがあるから珍しくないと思ったけど。『多分明日モンブランがあるよね』

  『恵お姉さんまだいる?』それは北海道で勉強している紗季の長姉だった。

  『まだよ、帰るのは来週だから。でも昼なら出かけるかな』

  次の日の十時、私は紗季に会いに行った。彼女の家は隣の駅の地海の方にあって、着くとすぐに紗季はそとの木製の門扉を開けに来てくれた。しばらく一緒に庭の植物を見ると、リビングに入ったとき彼女のお母さんがいたが、多分テレビ番組に集中していたかもしれない普段より私たちとしゃべらなかった。そして私たちは上の階に上がって、紗季の部屋に着くと彼女は言った。「暑いね、今日」

  「エアコンを付けてなかった?」

  「リビングにいたからね、今から付ける!」

  涼しくなってきた紗季の部屋でしばらく私たちはしゃべると、紗季はゲーム機に電源を入れた。彼女はそのときハマっていた『Tales of Celeste』という有名なRPGゲームを続けて、『ニフェルシア村』で『シャドウ・サフレン』のボスと戦う前に彼女はパーティーを調整していた。戦ってすぐ三分後くらいに負けると、魔法使い系のパーティーのせいかなと紗季が意見を出すと、私は言った。「ボスが強すぎたんじゃない?先に調べなかったの」

  紗季は頭を傾けた。「いっぱい戦略を読んだら楽しくないの。多分前の市に戻って、物理的ダメージのキャラのパーティーにしようかな」

  保存した点に戻るロード画面を待ちながら、紗季はそろそろある花火大会の浴衣のことを思い出した。下の階にあると彼女は言うと、私に見せたいので彼女が取りに行く間にゲームを私に任せた。

  私の家にはこの『Tales of Celeste』のゲームがないけど、長く紗季のやり方を見たからそこそこあそべた。前の村の『モリック』に鉱山事故があった設定で、救うために体力の強いキャラクターの方が速いので紗季は体力系のキャラクターを全員そこに置いた。そして『ニフェルシア』村から鉱山事故への助けを求めるときには残ったキャラクターは今のパーティーになって、攻略サイトを読まなかった紗季は、デヴェロッパーの罠で魔法への防御力が高いボスにやられたと言えた。

  前のセーブで『モリック』から『ニフェルシア』まで戻るのは時間がちょっとかかるから、今物理的な攻撃を使うキャラクターなら一人は『ヒビキ』という忍者っぽい女子がいて、術が無効で鈍いのでよく紗季は彼女をニブキ、そしてニビキと呼んだ。せめて物理的な攻撃のキャラなので『ヒビキ』を入団してみると、『ニフェルシア』の武器屋で新しい剣を買って魔法使いたちに使わさせて、そして村の架け橋でボス戦に入るとバフ、ステータスを上昇する魔法をかけ適当に戦った。多分運がよくて数回のボスの闇の魔法を避けられたおかげで、紗季が戻るときには私はもう『シャドウ・サフレン』を倒せた。ボスからもらったアイテムを見ると紗季は言った。「え?まだ『ヴィンカ』と『ブロム』がいないのに?ニビキも使った?どうやって?」

  「わからないけど」

  私はそう答え紗季の方に振り向くと、Tシャツとズボンの上に彼女はピンク色の花柄の白い浴衣を羽織った。身体をまわして見せるとどうかと私に聞いた。「時間をかけてえらんだんだ、今年この柄はいっぱいの人が着ないならいいね」

  「え、全然いいよ。これで紗季がかわいいから……ゲームを続ける?」

  「うん。ねえ、彰くん今年浴衣を着る?」

  「いいえ」

  「なんで、君もかわいいと思うけど」

  「ただ二、三時間行くだけだから、どんな姿でもいいでしょ」

  「でもそんなに着る機会がないよ……ちょっとここに来てくれる?」

  なぜ彼女が呼んだかと思いながら、ゲームの台詞中に置いて、紗季の方に歩いた。そして彼女は羽織った浴衣を脱いで私に着せると、部屋にある全身ミラー越しに私を見ると言った。「この姿で、花火大会に行く?」

  「彰くんならめっちゃかわいいと思うよ!」

  「嫌だ、ピンクばかりなんだ」

  紗季は写真を撮りたがったが、長く断るとやっと彼女はその浴衣を片付け昼まで私たちはゲームであそんだ。


  昼食に紗季のおばあちゃん、お母さん、あとは今高校三年生で前に『スカーレット・ウィステリア』を書いた有紗ありさお姉さんと一緒に食べた。長姉の恵さんはもう出かけたそうだった。たまに紗季の家族のみんなと食卓にすわったことがあるけど、今日お父さんとおじいさんは工場にいるそうだ。「彰くん、いっぱい豚カツ食べてね。彰くんの分をいっぱい作ったんだ」

  お母さんは言うと、私はおいしそうな豚カツを見て会釈した。「はい!ありがとうございます」

  そしておばあちゃんは追加した。なぜか彼女は茜色のジャージ、私たちの高校のを着ていて、恵お姉さんからの譲り受けたものかと思った。「紗季ちゃんと、彰くんもいっぱい運動してるね。成長もしてるし、きんぴらごぼうも、身体にいいよ」

  紗季は答えた。「成長なんてしてないよ、おばあちゃん。高さはお姉ちゃんに任せたよ」

  紗季は百五十八センチで、有紗お姉さんなら百六十四センチだった。

  「試合いつなの、紗季?」

  有紗お姉さんが聞くと、紗季はちょっと考えた。「来週の月曜日で、出雲農業との親善試合だけどね」

  「そっか、頑張ってね。彰くんも一緒に?」

  私はうなずいた。「はい、相手も多分一年生です」

  有紗さんは微笑んだ。「こんなに日に焼けるまで練習して、絶対勝てるからね!」

  部屋に戻ると、紗季はまだ『Tales of Celeste』ゲームをしていた。ゲームの画面から周りを見ると、実は紗季の部屋には結構漫画が多くて、全巻セットのも数十作あった。本棚が足りなくて漫画が床まで積まれていたので最近彼女はデジタル版を買った。その間私はいろんな漫画を取って読んで、二時くらいお母さんはモンブランを持ってきてくれると、食べながら紗季が言った。「彰くんは変ね」

  「なんで」

  「違和感がないの、私といて」



――――――――――――――――――――

次の展開は、火炎火炎火炎火炎火…です!!!



制服の彰と紗季のイラスト

https://kakuyomu.jp/users/kamakurayuuki/news/16817330650490384463

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