南　伽耶子

読み終わって、ソファで寝ている30年連れ添った夫の顔を観に行き、ふと不安になって起こしてしまった。 「なに、どうしたの?」 「すごくいい小説を読んだのだけど、不安になって起こしたの…続きを読む

尊い! 可愛い! 良すぎる! 安室氏最高か! 薄汚れた55歳の心が浄化されていく。 ああ、うちの息子にもこういう青春送ってほしかったぜ (送れていないこと前提) 文句なしに誰に…続きを読む

すみません。面白いです…なんだこれ。めっちゃ好みなんですけど(笑

少女の『全裸』ではありません。 あくまでも『すっぽんぽん』です。 その違いは大きいのです。 そして女子高と言っても白い『百合』ではありません。 筋肉質の、プロティン度数高めの、赤茶…続きを読む

一年続く特撮ものでは、ディスク発売の特典的に前日譚、いわゆる「ゼロ話」が公開されたりするのだが、これもそうした「物語の物語になる前」のお話だと、軽い気持ちで読み始めた。 すみませ…続きを読む

「文学性の女」というタイトルから、初めは感受性豊かなヒロインが私的情緒に溢れた作品を書きまくるか、書けなくて悩むかという展開を予想していた。 浅はかでした。 スポンジのように色…続きを読む

下手な言葉が出せません。
すごい。
抜群にすごいです。
言いたいことはこれに尽きて

すばらしく、すさまじいものを読ませてもらってありがとうございます。

だけです。

ほぼ同い年の息子がいる母親として、ドキドキしながら読み進めたら やられました。 まさにFND （FNDとは『フィクションじゃないのかよ騙された』の略称。ニコニコ民が使う） この…続きを読む

記憶バイアスのかかっていない、モフモフの手袋で内臓を撫でまわされる時代。江戸川台さんの作品は、いつも乾いてしまった吐しゃ物の中から光る鉱石のように、読まされてしまう。

うまい。

まずもってヒロインをはじめ、人物たちが生き生きと魅力的。小股の切れ上がったいい女たち。面白い旅をしているような読後感。見事です。

何て面白いんだろう。早く続きが読みたいです。

実は公開当時に読んではいたのですが、そのあまりに独特な『世界の歩き方』に感想を寝かせていました。 このままではいかん、この世界を『ああ、変な空気を吸ったなあ』で終わらせてはいかんと…続きを読む

静かに良作を書き続ける作者さん。 今回はサウナで謎を解く元警察官の探偵と、現役刑事の娘婿。 この絶妙の設定が、まずいいんです。 父と息子、となりがちなクライムものを、あえて距離感が…続きを読む

パンツを脱ぐか脱がないかはとっても大事な問題だ。 以前何かのアニメ雑誌で「宮〇〇はパンツを脱ぎ切っていない。そこには照れがある」という記事を読んだ。 なるほどと思った。彼が憧れる…続きを読む

現実は、想像を軽々と越えてくる。
哀しい事も、唖然とすることも、ポジティブな事も。

年を重ねるのは面白い事だよー、と、少年に言ってあげたい大人は、それだけで面白いんです。

アメリカンニューシネマの初期に「泳ぐひと」という作品がある。 バート・ランカスタ演じる金持ちが、友人たちとのプールパーティーの後で、自分の家までの道のりにある家のプールをすべて泳い…続きを読む

中間ポーズで始まって中間ポーズで終わるのが良い、とフランスの映画監督のインタビューで読んだことがある。何気ない瞬間をスケッチの様にスピーディーに撮り、一つ一つのピースはバラバラに見…続きを読む

英雄かどうかは歴史が決める。 勇者かどうかは周囲が決める 書籍化された第一章分を読んでの感想です。二章以降は未読なので、先を読んだ方々には違和感ある感想になるかもしれません。ご容…続きを読む

寸止めの美学。
盛り上がろうとするところを、スッと抜くのが上手く、分かりやすい幻想的表現になり過ぎないところがとてもよかったと思います。

子供の頃に感じた透明な好奇心や恐怖や不安。 それらを大人になってから、ふと思い出す。 そうした物語は、児童文学の系譜にしっかりとある。 芥川龍之介の「トロッコ」などがその代表選手だ…続きを読む

作者アイオイさんの、攻撃性のない人外に対するシンパシーが存分に発揮された短篇。 過酷な環境の中で生まれたという座敷童伝説だが、座敷に縛られることがなくなっただけで、その伝承の基にな…続きを読む

新卒で入った会社が児童書専門の印刷会社で、随分多くの小児向けから中学生までの本の仕事をした。 挿し絵を組み入れてのページ組みでも全文読んで、構成に落ちはないかチェックをするのは大事…続きを読む

10代初めの少年のしなやかさともろさと成長。だが剣が登場すると途端に雰囲気は一変。死と刃の光と文字の間から漂う濃厚なエロスの香り。 展開のバランスも人物の配置も素晴らしく、見事な一…続きを読む

通りすがりです

逆テ〇朝刑事ドラマ的な展開に、どうなるんだこれ、どれがフラグなんだ、どう回収するんだと読み進めたオチが、それ!?
いややられました。面白かったです。　　

筑前筑後氏の作品を読み始めたのはかれこれ5年ほど前。他のサイトでの事。 当時から男の怜悧な色気と、一瞬の揺らぎを描くのに長けた、というよりなぜ商業誌に載っていないのだろうというレベ…続きを読む

連載途中ですがレビューさせて頂きました。 このサイトには年長の読者も多いし、そもそも書き手にも、人生経験をそれなりに積んだ方が多いと感じている。 そんな人たちにぐっさり刺さる小説…続きを読む

作者の猿川さんはざらっとした違和感を文章にするのがとてもうまい。 同じ傾向のものに風俗嬢を買う「バシ」という秀作がある。この作品も密室の内装や音など、行為の前後、最中に感じるものを…続きを読む

第一次世界大戦が停戦にこぎつけたのが1918年11月。第二次世界大戦がドイツのポーランド侵攻で始まったのが1939年9月。これはその、たった21年しか続かなかった停戦状態の、一日に…続きを読む

ハッシュタグには豪快な言葉が並んでいますが、 これぞ正しき『みんなで作り上げる地元のいいお話』 そして飯テロヒーローものです。 地元のイベントにドサマギのつもりが当事者になり、 …続きを読む

すみません、大好きです。 特オタ、ニチアサの民としてはもっと言うべきことあんだろーよと思われそうですが、 こういうの大好きですとしか言えません。 この路線もっとやってほしいです…続きを読む

男の子の母であり同時に娘でもある私にはたまらない気分になる物語。 ついつい言葉で伝えてしまう、しかも微妙な機微をとらえるのを恐れ、一方通行になってしまう、そんな自分の子育てを反省し…続きを読む

性は個性に優先するものではない。そんな結論に達する前の段階を、手探りで歩いている二人の高校生と友人たちの物語。 私事になって恐縮だが、今思い出すと母校の文学部は不思議な空間で、性自…続きを読む

いきなりの私事で恐縮だが、私は特オタである。旦那は特オタとアニオタの両刀で、息子はゲームとアニメの両刀という、交わらないオタク一家を築いている。この三者は交わらなくとも共存している…続きを読む

　言葉とは不思議なもので、意味とは別に音声によって拒否しようもなく湧き上がってくる感慨がある。作者の赤坂さんはイギリス在住の英語話者だが、かの国の言葉は出身階層、地域、歴史と個人史…続きを読む

「一瞬の煌めきを切り取った」という表現を使われることは多いもの。それは食レポにおけるレトロな店の料理を「どこか懐かしい味」と書いてしまうほどに、安直に出てくる表現でもあります。でも…続きを読む

『いいわねえ、私にもこんな時期があったわ』と在りもしなかった妄想の学生時代を思い出して、お茶でなくスポーツドリンクをグイッと飲みたくなる、そんな作品。スマホとSNSというツールを使…続きを読む

タグにラッキースケベとありますが、なんて可愛いレベルのスケベだと高校生男子の母親としては思うわけです。ありがちな「清楚な少女がわざと金髪ずらを被ってヤンキー化する」ではなく逆にした…続きを読む

衝撃のラストにコーヒー吹きました。恋愛刑事の設定含めとってもおいしすぎて、シリーズ化を希望いたします。ごめんなさい、キーボードをべとべとにしながら読んだ甲斐がありました。面白かった…続きを読む

体からも心からも血を流し弱っていく、新月に向かう月のような沖田と、春から初夏の陽(意外と強い)のような少女の対比が鮮やか。唇や指先などわかりやすいところから出血をする少女の秘めやか…続きを読む

人生には、その時は気が付かないけれど転換点だった時があり、それに気づいて何とかしようともがく人と、気付いていながら気づかない方が幸せだったと執着する人がいて。テツくんは永遠に、変わ…続きを読む

大岡昇平の「野火」も武田泰淳の「ひかりごけ」も野上弥生子の「海神丸」も、全て軽やかに飛び越えて口の中一杯の「旨み」だけを伝えてくれる文章。うまいです。

慎ましやかな節度を持った文章の美。固有種の幼さを外来の豊かな(そう見える) 文化や植物が抱き込んでいく過程を、絶妙のバランスで書かれています。かつての初期ローマは、少年の属するブリ…続きを読む

発想、文章の勢い、切りどころ。どれもいいし、何より面白い。見事です。

18~19世紀、大陸で絶対王政とカトリックの優位が揺らぎ、中世から続いた「神ってる国々」の地位が落ちてくる時期。この時期を少し知る者ならばこの小説の深い面白さをより楽しめる。そうで…続きを読む

歴史ものを書く上で大きな流れをまず提示して小さな存在にスポットを当てる手法と、小さなものを切り取る過程で大きな流れを背後に読み取らせる手法と二通りあると思いますがこの作品は後者。小…続きを読む

「ユダヤ人問題における最終的解決」法は当初バス内でのガス殺でした。後に目標数値が拡大され『絶滅収容所』そして一度に2000人レベルで殺害できる大規模ガス室が作られましたが、その生き…続きを読む