あえかに漂う血の香り

体からも心からも血を流し弱っていく、新月に向かう月のような沖田と、春から初夏の陽(意外と強い)のような少女の対比が鮮やか。唇や指先などわかりやすいところから出血をする少女の秘めやかなエロスがそこだけ濃い色味を感じさせて、沖田が好む濃い味の鍋とのバランスが素晴らしい。土に返る者の一瞬の美。

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