大きな流れの中の小さな人々

歴史ものを書く上で大きな流れをまず提示して小さな存在にスポットを当てる手法と、小さなものを切り取る過程で大きな流れを背後に読み取らせる手法と二通りあると思いますがこの作品は後者。小さなもの、小さくされた者の悲劇を克明に見つめる中で、今は勝者となっている存在の未来の傲慢の果ての姿も匂わせる、なかなかの巧者とお見受けしました。ちなみに自分の父方の本家は、会津から山を越えて米沢に逃れてきた郷士で「八重の桜」は辛くて見る事が出来ないと申しておりました。

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