傷づいた会津の侍がたどり着いた先は、恐山だった――

明治の世。陸奥へと追いやられた、一人の会津の侍を追った短編小説。時代小説でありながら、名もなき一人の侍に視点をあわせ、等身大の物語に仕立てています。

明治の新政府が華やかなりしころ、戦いに敗れ、日の当らぬ場所へと追いやられた者たちもいた。光当たらぬ彼らを見つめる、そのまなざしは、とても優しく、彼らの未来を見つめています。

ストーリーの切り取り方がとてもうまい、名作時代短編です。

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