桶屋の市松 魔殺行~エド・オブ・ザ・デッド~

作者 筑前筑後

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★★★ Excellent!!!

主人公、桶屋の市松さんの戦闘シーンがカッコいい!
時代小説というと、読みにくいイメージがあったのですが、そんなことは決してなく、スラスラと物語に引き込まれていきました。

桶屋の市松、ゾンビに、狩り師、そして魔導維新のあのお方。
4,000文字の短編でここまで作りこまれた世界観を演出し、読者をその世界へ引き込んでいく筆力に圧巻です!

読みたい!
続きが読みたい!

時代物が好きな方はもちろん、異世界、SF、ファンタジー好きな方にもおすすめですっ♪

★★★ Excellent!!!


 A・ロメロ監督×笹沢左保なんて、いったい誰が思いつくのだろう? もし思い付いたとしても、きちんと描ける人はこの作者ぐらいだ。

 いまや、ひとつのジャンルとして確立されてしまった感のある「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」。その設定を江戸時代に持って行き、大胆にも作者独自の架空の「江戸時代」でそれを再構築。あまつさえ、主人公は「木枯らし紋次郎」を彷彿させるニヒルな渡世人、いや〔狩り師〕こと「桶屋の市松」。
 市松といわれると、どうしても仕掛人(仕事人の誤記ではない)のイメージが入り、これが紋次郎といい感じにブレンドされて、通常ならギャグに落ちそうな土俵際で、ダンディズム溢れる終末世界に切り返してくる。テンプレに堕してしまったら、そこにあるのはギャグという評価しかない。
 また作中のバトルも、「ゾンビ」だけかと思いきや、過去の武将が甦ってくるという「魔界転生」な演出。まさに、一周いや、三周くらいしての「転生もの」だ。

 作中は、そんなぎりぎりの線で構築させた終末世界の一場面を切り取ったもの。

 前も後もないのだ。

 この、「時流に逆らい、だが流されず」のスタイルを、作者はここでも貫いている。
 鮮烈な、だがモノクロ写真のようなこの一場面をどうぞご堪能ください。

 ぼくはついつい二度読んでしまった。


★★★ Excellent!!!

私も時代小説を読む方なのですが、この作品はそういう視点で見ても奥まった知識の厚みを感じさせ、かつ時代モノ×ゾンビという化学反応に刀一本で切り開く『狩り師』という新たな渦がしっかりと形になっています。

お見事、と言わざるを得ない作品。濃厚でとっても面白かった!

願わくば続きを見たいと思う人も多くいるはず。でもこれは短編であることが味が出ているところもあります。堪能いたしました!

★★★ Excellent!!!

自分、歴史モノには言うほど造詣が深くないのですが、知ってるカクヨム人の方が好評してたので読みました。

面白いです。
ゾンビが出るけどパニックホラーではなく、絶体絶命のピンチを乗り越えさせる為の装置としての登場で、だからこれが痛快に斬られていきます。ええ、刀でね!

今って割と、既存のモチーフと既存のモチーフを掛け算した上で新しい形にした作品を生み出す、という一つのムーブが創作界に起きてる気がしてるんですが、この時代劇×ゾンビは相性が良いと思います。

時代劇は『弱きを助け強きをくじく』姿が醍醐味な所ありますけど、ゾンビに対し『何くそ、負けるか!』と立ち向かう主人公の反骨精神が、その醍醐味と非常にマッチしてるんですよね。

この組み合わせを実現させた作者様の手腕と目の付け所に拍手です。

★★★ Excellent!!!

ひとこと。面白かったです。
作者筑前さんは剣劇と、血と死の匂い漂う美しい男をこよなく愛する歴史・時代小説書きの手練れですが、かっこいいゾンビとの闘いでカクヨム短篇コンテストに参加してくれました。
これは嬉しい。
時代ものかあ、という構えも食わず嫌いも無用。
頭の中で「あべ〇」「〇でぶ」と叫びながら、思い思いの剣さばきを想像しながら読みましょう。
それが絶対正義です。

★★★ Excellent!!!

 作品世界はシンプルにして広大。
 一つ一つの文章は研ぎ澄まされた刃のように洗練され、短い中にも絶妙の味わいが封じ込められている。
 小気味好いテンポで紡がれる戦闘描写は、一瞬の命のやり取りを緊張感といくばくかの寂寥感を持って表しており、余韻すら感じさせるほど。

 読み終わって、これが5000文字足らずの短編であることに改めて気づき、その濃厚さに驚愕した。
 物語の締め方にも痺れる。