澤田慎梧

粟田口吉光（藤四郎）と言えば、鎌倉時代の名刀工であり、短刀の名手として知られる。その藤四郎が遺した唯一の太刀とされるものが、本作に登場する「一期一振」だ。 作中でも語られるかもしれ…続きを読む

　やぁ、これはもう「読んでください」としか言えません。良い。とても良い。

成井文学の暗黒面を見ました。
ダークサイドの力は素晴らしいぞル●ク!

　妖怪という存在には、その時代の文化・習俗を映す鏡としての側面がある――そういった属性が巧みに、そしてユーモアたっぷりに描かれていて、思わずにっこり。 　……していたらオチィ！？ …続きを読む

　歴史を紐解く行為は、迷宮を辿る道程に似ている。 　迷宮の順路が決まっているように、歴史に「IF」は無く一本道だ。基本的にファクトは動かない。 　けれども、迷宮の中ではたと己の位置…続きを読む

　とにかく主役二人の仲が甘々。ソースイート。 　しかも初々しさが常にあり、ついつい「なんだよもう末永く爆発しろ！」と応援したくなってしまう。 　 　しかしながら、作品タグにもあるよ…続きを読む

　あらすじにもある通り、本作は主人公が開幕早々死に、遥か未来の荒廃した世界でヒロインに出迎えられて目覚めるという、衝撃的な展開で始まる。 　まずそこで、読者はグッとハートを掴まれる…続きを読む

　本作は、いわゆる「本格」ではなく、人間ドラマを主軸に展開していくミステリだ。 　奇抜なトリックや非現実的な舞台装置は存在しない。犯人も早い段階で明らかになる。 　読者はただ、作者…続きを読む

　あらすじや最初の数話を読んだ時点では、「梧桐さんにしては珍しく、イマドキのゲーム的ファンタジーかぁ」等と思っておりましたが……いやいやいや、これいつもの梧桐さんじゃないですかぁ！…続きを読む

　かつて筋肉で世界を救ったあの大統領が帰ってきた！ 　「神」を名乗る存在から「異世界」の「魔王」を倒すよう要請された大統領。大統領の筋肉をもってすれば余裕かと思いきや、なんと「魔王…続きを読む

　度肝を抜かれるようなタイトルとインパクトのありすぎる幕開けに、「すわ、エロコメか！？」と身構えたものの、蓋を開けてみればなんとも見事な熱血部活もの！ 　少女たちの織りなす人間模…続きを読む

普段は通りかかっても、「うわ、うるさいなぁ」くらいの感想しか浮かばない選挙カー。
でも、その裏にこんなドラマが広がっていたとしたら……？

しっとり読める中編でした。

当時の空気感が伝わって実に興味深いです！ 遠く離れた場所で｢目覚めた｣二人が、やがてめぐりあう……という未来に、頭の中で（何故か）井上大輔さんの｢めぐりあい｣がリフレインしました…続きを読む

「一人の悪意を持ったハッカーによりネットワークが牛耳られ、世界が滅亡の危機を迎える」 　一昔前のSFではごくありふれたこの題材が、今の世の中では絵空事でも何でも無く、現実の可能性…続きを読む

　タグに「エスクリマ」という言葉を見つけて心躍らせながら読みましたが……想像以上でした。
　彼女の上に降り続く雨が、いつか止むことを信じたい。

　シリアスなSFかと思いきや、要所要所でパワーワードや往年のSFパロディが読者を襲うなど、油断できない作品。 　「副題：宇宙戦艦ムサシ」の意味が判明するくだりには、思わずニヤリとさ…続きを読む

　なんとも剣呑な雰囲気が漂う二人の未来。 　決定的にすれ違っているような、でもそれでいて、かっちりと噛み合ってもいるような。 　そういった、すれ違いながらも繋がり合う二人の関係を…続きを読む

　世間の風は時に驚くほど冷たく、身を凍らせてしまうことがある。 　そんな時、人間を救うのは、やはり同じ人間のぬくもりなのだと痛感する。 　したり顔の批評家ではなく、ぬくもりを持った…続きを読む

　「迷宮｣とは元来、人を迷わすためのものではなかった。 　しかし時が経つにつれ、｢迷宮｣は迷路と同一視されるようになり、人を惑わすものへと変化していった。 　主人公のエルフちゃん…続きを読む

　「板子一枚下は地獄」という言葉がある。 　これは、船底一枚を隔てれば、そこには落ちたら助からない、危険だらけの海が広がっているという、船乗り仕事の過酷さを表したものだ。 　一見…続きを読む

　参った。 　導入部やタグでの前振りから「変態ばかり出てくるんだろうなぁ」等と思いつつ、気軽に読み進めていたら……ド変態しかいなかった！（褒め言葉） 　しかも、こちらの予想を上回…続きを読む

　有無を言わせぬパワーワードの数々……そして何より筋肉！　筋肉！
　この作品を讃えるのに余計な言葉はいらない。筋肉を信じろ！（あと、プロテインも！）

　作品世界はシンプルにして広大。 　一つ一つの文章は研ぎ澄まされた刃のように洗練され、短い中にも絶妙の味わいが封じ込められている。 　小気味好いテンポで紡がれる戦闘描写は、一瞬の命…続きを読む

　「五体満足」という言葉がある。これは、「からだのどの部分にも欠け損じている部分がないこと」を意味する。 　「五体」とは、主に頭・両手・両足もしくは頭・首・胸・手・足を指す。これを…続きを読む

　ここに新たな名探偵が誕生した。その名は五百蔵千蔵！
　彼が名探偵たる所以は本文に譲るとして、刮目すべきはその変た（レビューはここで途切れている

　文章が非常に軽妙で、テンポ良く、時折クスリと笑いながら読ませていただきました。
　右往左往する児童たちと冷静に分析を進めようとする「先生」の対比構造も面白く、オチも秀逸。
　

　「影」という言葉に込められた様々な寓意、愉快犯的な「世間」、「袋小路」に追い込まれてしまった人間を救うことの難しさ。 　これだけ短い文字数の中に、色々なメッセージを感じ取ってしま…続きを読む

　6000文字弱の短編にもかかわらず、一冊の長編小説を読み終わった後のような、濃密な余韻を感じてしまった。 　一つ一つの言葉の美しさはもちろんのこと、物語自体がある程度の驚きを伴い…続きを読む

　きちんと彼女の様子を見ていれば……。なんとも残念な男の悲しいお話でした。

　ため息が出るような見事な構成に思わず脱帽。「イヤミス」というタグに相応しい、なんとも言えぬ後味もまた格別。
　ごちそうさまでした。

最後がスッキリ終わってよかったです！

　ショートショートのお手本にしたくなるような絶妙の語り口と長さ。
　ごちそうさまでした。

　一行目から「あー分かる！」となり、そして最後にニヤリとさせられる……。
　お手本にしたい短編でした。

読み終わって「なるほど、これ以上『都市伝説』にふさわしい題材はないかもしれない」と唸ってしまいました（笑）。

　ちょっと刺激的な読後感。でも適度に笑えて、何だかリラックス出来た気分も。
　……もしやこの作品には、豊富な『スライミチン』が含まれている？

これは誰も勝てない！

最後の問題は「激甘」でしたか……。やられました。

本作を読み終わった後、「ディテールに拘った朗読を聞いてみたい」と感じてしまった。完敗。

　読み手・書き手問わず、Web小説界隈に関わったことのある人間ならば少なからず覚えがあるであろう、数々の「グロ描写」に思わず苦笑い。人によっては心を深くえぐられるのではないだろうか…続きを読む

非常に丁寧に書かれた短編ミステリー。奇をてらったそれではなく、思わずニヤリとさせられる畳み方もお見事。

近未来SFミステリーのお手本にしたい作品。

　作者氏お得意の疾走感溢れる文体と展開は健在。 　オゲレツ要素や「妖怪を食べる」という人によってはドン引きしそうな要素を取り入れつつも、筋骨隆々とした破天荒な僧・三蔵による妖怪退治…続きを読む

この度、拙作「異世界転生、本当のところはどうなの？」が受賞となったと連絡があり、喜びに打ち震えております。 残念なのは、授賞式には出席できないことです。 「実際に異世界に転生して現…続きを読む

本作を読み終わった際、ほぼ反射的に★3つを付けると同時に、数年前に話題になった「ペットのクローン」を扱ったビジネスの事を思い出した。 当時そのニュースを目にした私は、正体不明の恐怖…続きを読む

　いわゆる「恐怖体験」を語る時、人は知らず知らずに饒舌に――つまり「話を盛り上げよう」と語り口や演出に凝ってしまいがちだ。 　しかし本作は、あくまでも筆者の実体験を、飾らず盛らず、…続きを読む

　理想のショタを求め、異世界へと繋がる「黒い穴」を次々にくぐり抜けるりえりー。 　その飽くなきショタへの欲望を面白おかしく描いたコメディ……と思いきや、後半はまさかの展開に。 　全…続きを読む

とにかく言葉遣いが美しい。 物語でありながら、一つの散文詩を読んでいるような感覚を覚える。 短い中にもきっちりと物語としての山場が設けてあり、二人の行く末が気になり、最後までグイ…続きを読む