ふたりぼっちの世界で育まれる愛の物語

 とにかく主役二人の仲が甘々。ソースイート。
 しかも初々しさが常にあり、ついつい「なんだよもう末永く爆発しろ!」と応援したくなってしまう。
 
 しかしながら、作品タグにもあるように、本作の舞台は「ある意味ディストピア」と呼べるもの。
 甘い甘い蜜月を送る二人の周囲には、苦くて辛いあれこれが。詳細はネタバレになるのでここでは伏せるが、とにかく想いだけではどうにもならない様々な問題が二人を取り巻いている。

 普段は甘々、時々ハラハラ。二人の愛は輝くけれども、世界はいつも薄曇り。
 読者は、二人の甘い生活にニヤニヤさせられつつも、ハラハラしながら見守る気分にもさせられる。そしてそれがとても心地よい。つまりはそんな物語。

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