後宮武侠物語

作者 古月

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★★★ Excellent!!!

まさかの後宮を舞台にした武侠物だ。
それも、魔法も神秘もない、頼みは己の功夫だけというガチンコである。

武侠物ということで、アクション シーンの大部分は白兵戦闘なのだが、その描写が秀逸だ。
攻防をほとんど一手ずつ描写しているはずなのに、テンポが落ちず戦闘の緊迫感を損なわない。
「ブルース リーのアクションを読んでいる」ような感覚を各章で堪能できる。

話の本筋である陰謀劇は、非常に複雑で読みごたえがある。
多数の登場人物が、きちんと自分の思惑を持って行動している。
さらに、主人公は陰謀劇の端でちょろちょろする立場なので、入手できる情報は限定的。
このため、陰謀劇の全体像はラスト バトルまで明らかにならず、緊張感を維持して飽きさせない。

この濃密な描写は、史実を舞台にしたことで成立した。
役職、制度、服装、建物などの風景、地理などの描写は最低限に絞られており、唐代の中国をイメージできることが前提条件だ。
ちょっと分からない単語が出ても、ググれば解決する。
もし架空王朝を舞台にしていたら、全てを説明しなければならない。
それでは情報量が多すぎて、読者が物語に集中できなくなっていただろう。

色々書いたが、「ぶげいタイムきらら」のタグに嘘はなかった。

★★★ Excellent!!!

後宮にて起きる権力争い。
権力争いと武侠ものの親和性の高さたるや、最早言うまでもないことと思いますが、後宮とつくだけでこの親和性に新しい価値が加わりました。
今更万言を尽くして作品の魅力を語るまでもありませんので、取り敢えず言えることは。

朋輩よ、読め。そして再開を待つのだ。

★★★ Excellent!!!

後宮モノといえば、大人気のジャンルの一つですよね。
古今東西、多彩な作家さんたちが豪華絢爛たる後宮物語を紡ぎ、魅力的なヒロインたちが生まれてきました。
今でも後宮モノは続々と刊行されており、現状続いているシリーズがどれだけあるのか把握するのすら難しい感があります。はっきり言って全部読めません(^_^;)
こうなると、読み手としては「いかに作者のオリジナリティーがあるか!」でどの作品を読むか決めるしかない……。


故人曰く、「小説のオリジナリティーとは、つまるところ書き手の性癖なり」


この言葉はブッダかイエス・キリストの名言……いや、孔子だったかな?
とにかく、昔のエロイ人が言った言葉のはず。

何にしろ、物語とはどれだけ自分の「好き」を詰め込むことができるかで輝くか輝かないか決まると思うのです。
その点で言うと、古月さんの今作品は狂わんばかりに輝いています。狂輝乱舞(きょうきらんぶ)しまくりです。


だってさぁ……



ふ つ う、 後 宮 モ ノ を 武 侠 小 説 に し ち ゃ い ま す ! ! ? ?

武芸大会で皇太子妃を決めるって、何なんですかーーーッ!!!

こんなストーリー思いつくの、天下広しといえども武侠小説が三度の飯よりも大好きな古月さんしかいねーーーよ!!!(いたらごめん)

アホですかあなた!?

でも大しゅき!!!



……こほん。失礼しました。
とにかくですね、この小説には古月さんの「武侠小説大好き!」という性癖が溢れ返り、だだ漏れになっております。
あと、古月さんは女の子も大好きなのでしょう(←人聞きの悪い言い方やめろ)。主人公・麗雲とその主人・徐恵ちゃんの百合シーンがいたるところに散りばめられ、ベッドシーンまであります(鼻血)。
恥ずかしがりで奥手な麗雲が愛しの皇太子様を守るために敵とぶん殴り合いする姿も、とっても健気です。武… 続きを読む

★★★ Excellent!!!

一目見てお分かりの通り、タイトルもキャッチコピーもいたってシンプル。
この作品はその名の通り、後宮モノと武侠モノを見事に融合した「ジャンルの垣根」を叩き割りにかかる作品です。

後宮モノの華やかな世界観の描写は言うまでもなく、女性たちの友情と愛と政治の狭間で揺れ動く一見凡庸な主人公の心情にぐっと引き込まれながらも……

バトルシーンでは、劇画調のアニメのような濃密で手に汗握る展開が繰り広げられます。(そしてその手数の多さはさすが古月さんの力量があってこその為せる技!)

本来なら相反するように見える二つのジャンルが良い意味で作品の緩急を生み出し、ぐいぐいと引き込まれていきます。

本レビューを書いている現在、最新話では誰が黒幕なのか分かりそうで分からないもどかしい展開になっています。

……あれ、もしかして「ミステリー」のジャンルの垣根まで軽功で飛び越えようとしてます?

★★★ Excellent!!!

 この主人公。『能ある鷹は爪を隠す』をちゃんとしていたにも関わらず、それを隠しきれずに見抜かれ、あれよあれよと重用される。そういう展開の流れ、淀みなく素敵に描かれております。

 今後も主人公には、様々な困難が降りかかってくるでしょう。しかし、スカッと一発、うまく切り返してくれる事でしょう。

 やはり、持つべきモノは『才を見抜く上司』ですねぇ。(しみじみ←)

★★★ Excellent!!!

宮勤めの無学なお針子は、ひょんなことから、
溌剌とした才色兼備の妃嬪と顔見知りになる。
お針子には秘密があった。武芸ができるのだ。
それを妃嬪に知られてしまったからさぁ大変。

妃嬪とは皇帝の側室で、後宮に暮らしている。
お針子が出会った彼女は、いまだ乙女だった。
彼女は自らを妹とする義姉妹の契りを提案し、
お針子はその夜から妃嬪の姉となってしまう。

ところが、秘密の義姉妹の仲睦まじい関係は、
後宮に現れた不審な武芸者によって絶たれた。
お針子は投獄され処刑を言い渡されるのだが、
これは皇太子と巡り会う運命の始まりで──。

大唐帝国の華やかな後宮が舞台となっており、
登場するオジサンたちが有名人だったりする。
彼らをも巻き込みつつ盛大に開催されるのは、
女によるガチ武芸コンテスト、景品は皇太子。

果たして、お針子上がりの武侠系ヒロインは、
舞踏会ならぬ武闘会でいかなる舞を披露して、
皇太子様の心をつかむシンデレラとなるのか?
読者よ読者、共に続きを楽しみにしましょう。

★★★ Excellent!!!

スピーディな展開と豊富なアクションに彩られた娯楽小説。

私は武侠小説がとても好きで、金庸はかなり読んだほうに入ると思います。なのでこの作品も大好きです。

ただ日本であまりメジャーなジャンルではないので、これをやるとすれば、中華後宮だろうか? という話は以前からネットで出していました。そして古月さんに「はよう中華後宮武侠伝を書きましょう。書かないと俺が書きますよ」とあいかわらず無礼な発言をのたまっていたところ「うーん勉強が必要ですね」と言う返事だったので、むう、これは遠回しなお断りかなと思っていたのですが。

わずか1か月後に開始しましたね(笑)

そして内容は期待通り。流螢と徐恵という二人の関係を通じて艱難辛苦を武術で突破していく話なのですが、一貫性のあるキャラクター、多々ある伏線の回収、史実の反映もあり、かなり読みごたえがあります。

といってもとりあえずチャンバラがチャンバラで女の子が女の子ですから、まずはそれを楽しみましょう。この手の作品にしては多少複雑ではありますが、読んでりゃ追いつけます。

実はこの作品、途中で一時期中断していたのですが、そこで読むのやめるともったいないですよ(自戒)。ラストとか結構ニヨニヨできるからみんな最後まで読んだほうがいいよ。むしろ何度も読み込んでググりまくって古月さん作品のマニアになりましょう。沼へ落ちとけ。

なんにせよ、とてもありがとうございました。