いたずら電話

作者 江戸川台ルーペ

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★★★ Excellent!!!

と書いている人が既にいそうなのですが、タイトルにやられた。もっとコメディだと思ってた。そんなことない。すっごいディープです。好きです。

なんだろう、感情が振り切れてるけど一つ一つの気持ちって誰もが持っているものというか、

だからこそなんとなく全力て否定できない。

オチも私好みでしたー

★★★ Excellent!!!

物語の中ではイイダ、キノシタ、キムチという中学2年生の3人の微妙な関係を描いています。
ここで作者が非常に細かく一人ひとりの性格設定をしていることがまず目を引きました。
ネタバレになるといけないので詳細は省きますが、緻密に描かれた個性的なキャラクターのそれぞれの物語がもつれあって作用反作用を起こし、最後までその緊迫感でぐいぐいと読ませていきます。
その求心力は強く、1万文字近い分量を持て余すことなく読ませてしまうほどです。

ぜひ、読んで体感していただきたい。
その場にいて自分が目撃者になったような体験が、あなたにも訪れるでしょう。

★★★ Excellent!!!

むしろ、彼女こそが被害者で。

きりもみ回転しながらぶっ壊れていく子供たちの純情。

その陰にはいつだって、子供のままに大人になった保護者たちの姿があった。

負の連鎖の中で、時間を止めてしまったもの。

大人に成りきれなかったものを拾い集めるような、そんなお話です。

あなたは誰に、愛情の確かめ方を教えてもらえましたか。

愛情の確かめ方を知らない人間は、一体どうやって人を愛していけば良いのですか。

★★★ Excellent!!!

ねえどーして? すごくすごく好きなこと、ただ伝えたいだけなのに。

昔そんなヒット曲がありました。
今にして思えばその歌は、とても臆病でした。
「むちゃくちゃ好きやっちゅーねん!」とも「あいたくてあいたくて震える」ともいいませんでした。

るーるるーるるー。

うまくいえないんだろう?

過去と現在が鮮やかに描かれるのが、江戸川台ルーペ作品の面白いところです。
「あの頃の僕」と「いまの僕」のなかの変わっていないところを探そうとしている。変わっていない部分があるのならば、僕はきっと、これからも変わっていない部分を大事に、生きていけるはずだ。
イノセントは喪失していないのか?
イノセントとは、十代を過ぎてからも生まれるのか?

しかし江戸川台さんの作品にとってのイノセント、あるいは少女であったり、青春は、一筋縄ではいきません。
忘れないように大事にしなければならない脆いものであるというのに(だからこそ)、性欲と暴力の渦中にあります。

江戸川台作品をいいな、と思う読者は、身体で理解しているのでしょう。

あの頃の自分はきれいごとじゃなかった、と。

ねえ、どうして、うまくいえないんだろう。

うまくいえないことを、小説にすること。
うまくいえないまま、書くうまさ、がこの作品にはあります。

★★★ Excellent!!!

星をどうするのか、今までで一番迷いました。
個人的には、長編の題材だと思ったのです。
でも、1年後、5年後、本作の色んなシーンをきっと鮮やかに覚えていると思ったのです。
星というか数値で価値を測るお作ではないのかもしれません。
哀切な叫びを、今日も誰かが叫んでいます。

★★★ Excellent!!!

転校生、キノシタがやってきます。
その子は美人だしなんだかすぐ馴染んじゃったしとっても人気者、素敵な笑顔で、クラスの中心に咲く花。クラスの端っこにいるイイダとキクチには彼女は遠くの存在だった。
しかし、ある出来事をきっかけに花だとか端っこだとか、表面上の関係から解き放たれて溺れちゃう。何が起こってもおかしくなさそうな雰囲気でひりひりドキドキした。曖昧な言葉がなくてよかったです。
私はキノシタ大好き。

短編作品です。ドキッとするような読書体験ができると思います。おススメ!