いたずら電話

作者 江戸川台ルーペ

74

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★★★ Excellent!!!

思えば自分の青春時代ってのはどんなだったかな。
めちゃくちゃ普通の青春時代だったような気もするしでもなんか人とは違ったような気がするし、よくわかんない。

『いたずら電話』

に描かれている青春からは、狂気の匂いがぷんぷん漂う。
多分普通じゃない。
でも全部解る。
普通じゃないのに、解ってしまう。解ってしまう自分が怖い。そして解ってしまうからイイダさんに感情移入した。私は感情移入しすぎて、ドキドキしたし、興奮したし、ちょっとアレな気持ちにもなって、ヒロインのキノシタさんに恋をした。
もう、全部なにもかもすべて捧げて、彼女の思うとおりに生きたいと思った。
キノシタさんが救われるなら、なんでもやれると思った。
なににだってなれると思った。
だからキクチ(あだ名はキムチ)さんの気持ちも凄く良く解るし、代わりたいとすら思った。
主人公イイダさんからすれば、被害者のキクチさんになって、彼女を束の間気持ちよくしてあげたかった。

愛ってなんだろうねって話なんだけど、イイダさんは確かに愛していたし、キノシタさんも愛していたと思う。二人は相思相愛だったのかも知れないしそうじゃないのかも知れない。

差別。性行為。破壊衝動。突発的自傷。生きたい。死にたい。狂いたい。普通で居たい。幸せになりたい。
そう、多分幸せになりたい。それだけなんだ。でもそれだけがたまらなく、遠いんだ。
その距離があまりにあるから、すれ違うってレベルじゃなく、まったく違うところへ愛を求めたりするんだ。

だから私はえげつないこの愛の物語が、たまらなく愛おしい。


(私は読後に気分が高揚しすぎて吐きそうになったし、余韻が引くまでレビューを書けなかったその時間およそ2時間)

★★ Very Good!!

親友と二人で、いつもと変わらぬ日常を送っていた主人公の前に現れた容姿端麗な転校生の美少女。
そして、そこから日常が大きく変わり始め愛欲と狂気に満ちた世界が始まる。
最後に主人公がとった行動にホッと胸をなでおろしました。
ラストシーンもタイトルのまま。
これは、衝撃の展開が含まれた短編物語です(๑•̀ㅂ•́)و✧

★★★ Excellent!!!

と書いている人が既にいそうなのですが、タイトルにやられた。もっとコメディだと思ってた。そんなことない。すっごいディープです。好きです。

なんだろう、感情が振り切れてるけど一つ一つの気持ちって誰もが持っているものというか、

だからこそなんとなく全力て否定できない。

オチも私好みでしたー

★★★ Excellent!!!

物語の中ではイイダ、キノシタ、キムチという中学2年生の3人の微妙な関係を描いています。
ここで作者が非常に細かく一人ひとりの性格設定をしていることがまず目を引きました。
ネタバレになるといけないので詳細は省きますが、緻密に描かれた個性的なキャラクターのそれぞれの物語がもつれあって作用反作用を起こし、最後までその緊迫感でぐいぐいと読ませていきます。
その求心力は強く、1万文字近い分量を持て余すことなく読ませてしまうほどです。

ぜひ、読んで体感していただきたい。
その場にいて自分が目撃者になったような体験が、あなたにも訪れるでしょう。

★★★ Excellent!!!

むしろ、彼女こそが被害者で。

きりもみ回転しながらぶっ壊れていく子供たちの純情。

その陰にはいつだって、子供のままに大人になった保護者たちの姿があった。

負の連鎖の中で、時間を止めてしまったもの。

大人に成りきれなかったものを拾い集めるような、そんなお話です。

あなたは誰に、愛情の確かめ方を教えてもらえましたか。

愛情の確かめ方を知らない人間は、一体どうやって人を愛していけば良いのですか。

★★★ Excellent!!!

ねえどーして? すごくすごく好きなこと、ただ伝えたいだけなのに。

昔そんなヒット曲がありました。
今にして思えばその歌は、とても臆病でした。
「むちゃくちゃ好きやっちゅーねん!」とも「あいたくてあいたくて震える」ともいいませんでした。

るーるるーるるー。

うまくいえないんだろう?

過去と現在が鮮やかに描かれるのが、江戸川台ルーペ作品の面白いところです。
「あの頃の僕」と「いまの僕」のなかの変わっていないところを探そうとしている。変わっていない部分があるのならば、僕はきっと、これからも変わっていない部分を大事に、生きていけるはずだ。
イノセントは喪失していないのか?
イノセントとは、十代を過ぎてからも生まれるのか?

しかし江戸川台さんの作品にとってのイノセント、あるいは少女であったり、青春は、一筋縄ではいきません。
忘れないように大事にしなければならない脆いものであるというのに(だからこそ)、性欲と暴力の渦中にあります。

江戸川台作品をいいな、と思う読者は、身体で理解しているのでしょう。

あの頃の自分はきれいごとじゃなかった、と。

ねえ、どうして、うまくいえないんだろう。

うまくいえないことを、小説にすること。
うまくいえないまま、書くうまさ、がこの作品にはあります。

★★★ Excellent!!!

転校生、キノシタがやってきます。
その子は美人だしなんだかすぐ馴染んじゃったしとっても人気者、素敵な笑顔で、クラスの中心に咲く花。クラスの端っこにいるイイダとキクチには彼女は遠くの存在だった。
しかし、ある出来事をきっかけに花だとか端っこだとか、表面上の関係から解き放たれて溺れちゃう。何が起こってもおかしくなさそうな雰囲気でひりひりドキドキした。曖昧な言葉がなくてよかったです。
私はキノシタ大好き。

短編作品です。ドキッとするような読書体験ができると思います。おススメ!