探偵はサウナで謎をととのえる

作者 吉岡梅

87

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★★★ Excellent!!!

静かに良作を書き続ける作者さん。
今回はサウナで謎を解く元警察官の探偵と、現役刑事の娘婿。
この絶妙の設定が、まずいいんです。
父と息子、となりがちなクライムものを、あえて距離感が保てる舅と婿、としたところが。

起こっている事件は陰惨で、犯人の心も被害者の心も『整わない』ものですが、決して激高せずユーモラスに事を進めていくおとーさん、
絶妙の間合いでおとーさんのユーモアを引き出してくれる義理息子さん。
この二人の関係性と会話が、ともかく絶妙。
いいですねー。
オーバー30ならではの快作だと思います。

★★★ Excellent!!!

探偵と共にサウナに向かう刑事がだんだんとサウナの魅力にハマっていく行く様子や、謎解き前の緩い感じの二人の会話が面白いです。
サウナでの様子の描写も面白く、電車で読んでいるときにニヤニヤを堪えるのが大変です。

謎の解き方もサウナ探偵ならでは。
おじいちゃんがサウナについて色々説明してくれるので、未体験でも大丈夫!

サウナと謎解きと、義父と息子の緩くも暖かいやりとりが楽しめるこの作品は、「推理読みたいけど難しそう……」と思う方に、ぜひともオススメしたいです。

他の方もレビューに書かれていますが、実写化したところが見てみたい作品です!

★★★ Excellent!!!

富士山麓に住む、某フライドチキンのおじさんみたいな、
でっかい体に無邪気なハートを持つ若めなご隠居さんは、
かつては「筋読みの櫓竜」と呼ばれる凄腕刑事だったが、
引退と同時に、何かよくわからんことを始めてしまった。

「安楽椅子探偵がやりたい!」

まず舞台装置を完璧に揃えるという、形から入るタイプ。
本作の主人公にして櫓竜の娘婿、現職刑事の水田龍二は、
義父・櫓竜太郎の無駄遣いに頭を抱える。ああ嫁が怖い。
しかも冷え性の櫓竜、安楽椅子は寒すぎて推理も頓珍漢。

「こんなときはサウナだ!」

というわけで櫓竜水龍コンビでご当地サウナに繰り出し、
サウナと水風呂をまつわる蘊蓄を披露しながら体を解し。
すると唐突に、脳細胞まで活性化された探偵は宣言する。
「ととのいました」と。えっ、マジですか、お義父さん。

「全ての事件の謎は、サウナが教えてくれる」

安定感のある流れで展開する、短編連作形式の探偵もの。
テンポも雰囲気もいい、探偵と刑事の掛け合いが秀逸で、
どんどん読み進めてしまう。ぜひとも、続きをください。
サウナと水風呂の話も面白く、温泉施設に行きたくなる。

4セット目の動画配信の話、めちゃくちゃ好きです。

★★★ Excellent!!!

定年退職した元刑事・櫓竜太郎。
普段は若干頼りない爺ちゃんだが、一たびサウナに入ると、
往年の「筋読みの櫓竜」の冴えが甦る!

4セット目まで読了してたんですが、
5セット目が始まってるのに気付いて嬉しいです。
とにかく櫓竜と水田刑事の会話が楽しい。
舅の影響で、どんどんサウナの魅力にはまっていく水田。
でも娘or妻には頭が上がらない二人(笑)。
俳優さんは誰がいいとか全然わからないですが、
実写で見てみたい感じのコンビです。

★★★ Excellent!!!

いやー、面白くて一気読みしました。

探偵役の櫓竜太郎は、普段は頓珍漢な推理を述べますが、サウナに入り、水風呂に浸かった後に豹変!
現役時代、静岡県警刑事部捜査第一課で辣腕を振るった「筋読みの櫓竜(ロウリュウ)」に戻り、快刀乱麻とばかりに謎を解く。

いやあ、かっこいいですねぇ。
某フライドチキンチェーンの立像のような体格に見合った、のほほんとした口調で繰り出される明解な推理。
ギャップも相まって、とても好きな探偵です。

またサウナ限定の安楽椅子探偵という設定も、意表をついて面白かったです。サウナと水風呂の魅力たっぷり! これを読めば銭湯に行きたくなること間違いなし。

個人的におすすめなのは、『2セット目:サウナ探偵のライセンス』
事件を解決するだけじゃなくて、竜太郎が犯人に掛けた温かみのある言葉。胸がじんとしました。

私は推理ものはあまり読んでこなかったのですが、それでもぐいぐい引き込まれる推理とキャラクターと展開に魅了されました。

ということで推理ものが苦手な方にもおすすめな作品となっております。
サウナと探偵の魅力にあなたも触れてみませんか?