ホーホー。ホーホー。

作者 アイオイ アクト

63

22人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

これはすごい。
頭の中に『絵』が自然と浮かんでくるのですよ。
『絵本』になって欲しい、いえ、絵本にして欲しい逸材小説です。

真っ白な世界、漆黒の闇。うっすらと感じる月明かりとそして「ホーホー」という私を呼ぶ声。
『愛』が溢れた至福の時間を味わえること間違いなしです。

ぜひあなたも、この世界の余韻に浸りにいらしてください。

★★★ Excellent!!!

ピンと張りつめた、どこまでも透明な空気。
刺さるような冷たさの中、静かに差し込む月の光。
柔らかく、深く、そして荘厳に、どこからともなく聞こえてくる声。
森の動物たちを呼び寄せる儀式のように。

ホーホー。ホーホー。

大人の為に書かれた上質な童話の余韻に、あなたも浸りに来ませんか?

★★★ Excellent!!!

神秘的で、静謐で、美しい森の中を、声に導かれながら、自分もさ迷っている気持ちになりました。
一定のリズムで刻まれる「ホーホー」という鳴き声が、心地よく幻想の世界へ誘ってくれます。
一体この旅はどうなるのだろうと思っていたところ、心から読んで良かったと思える、やさしい結末が迎えてくれました。
幻想的な雰囲気がとても素敵な作品です。

★★★ Excellent!!!

子供の頃に感じた透明な好奇心や恐怖や不安。
それらを大人になってから、ふと思い出す。
そうした物語は、児童文学の系譜にしっかりとある。
芥川龍之介の「トロッコ」などがその代表選手だ。
好奇心に駆られて、労働者と一緒に石切りだし用のトロッコを押して、乗せてもらって好奇心を満たすが、行きついた先で放逐され、夜の闇を走って我が家に帰りつくまでの、不安と恐怖。家の明かりに飛び込んで母にしがみついて号泣する少年。

だが、肝心なのはその先だ。
大人になった少年は、日々の生活、仕事、家族とのやり取りに疲れた時、目のまえに、暗い夜の底に続く、一本のトロッコのレールを思い出す。

アイオイ氏の書く少年期の作品はどれも粒だった真珠のような名品だが、この作品も素晴らしい。
「自分にしかできないのだ」と、自分を肯定できる瞬間。
爪を立てるフクロウの雛がふと力を緩める、受け入れられた瞬間。
瞬時に自分を切り裂く力を持つ熊が、自分の台になってくれる協力。
それらが子供の心に刻み込まれる。

そして最後の、大人になってからの振り返りの一文。
アイオイ文学の透明感に、拍手。