松宮かさね

これだけは言っておかねばという使命感にかられました。 詩一さんはいいひとです。 こんな反骨心あふれるエッセイをお書きになり、タグに「滅びよ人類」とつけてしまう。 もしかしたら、初見…続きを読む

あの子は綺麗な二重、あの子は重い一重。 あの子は明るい人気者、あの子は暗いオタク。 大人になった今から思えば、そんなことは、いろんな人がいるよね～程度のことなのですが、学生時代は…続きを読む

しんと静まり返った月夜に、主人公はひとり荷車を押して山道をゆきます。 古風な木桶には、まるまった双子の姉の体がおさまっています。 冷たくなった彼女は、主人公の想い人でした。 とて…続きを読む

とても不思議な物語です。 主人公は、屋敷で絵描きの夫と暮らす妻。奇妙なことに彼女は何も知らない。夫以外の人のことも、屋敷の外のことも、過去の自分のことも、愛する人の瞳の色の名前さえ…続きを読む

「それは、病というには美しすぎた。」 この印象的な冒頭の一行から最後まで、徹頭徹尾やわらかで壮絶な美しさに包まれた作品です。 音楽の才能に恵まれた娘・雛牡丹。彼女は身体から枝が生…続きを読む

非常に読みやすいショートショートです。 わがままな妻の散らかし癖に悩まされる夫。鬱屈とした日々を送る彼が、ある日手に入れた不思議な力は……。 一読して、意味が分からないということ…続きを読む

非常に美しい文章と描写で綴られる、とある物書きの女性とそれを支える男性の物語です。 久しぶりに憧れの先輩に会った主人公が、「いま、何してるんですか？」と問えば、彼女はこう答えます…続きを読む

とある村に住む少女の一人称による、どこか不思議な雰囲気の漂うお話です。 大変に波乱万丈で、悲惨といってもいい人生を送る彼女ですが、その語り口はどこかユーモラス。ですます調がやさしい…続きを読む

自分の不勉強もありますが、「こういうお話です。読んだらこういう気持ちになりました」という感想を書くことが難しいお話です。 そこにあるのは、生々しい感情と、リアルな日々の生活や関係性…続きを読む

自分の考えを押しつけて、子どもを理想の「いい子」にしようとするママ。 ママの顔色をうかがい、子どもの悲しみ、苦しみには無頓着なパパ。 六歳の女の子は、己の生殺与奪の権を握る親の前で…続きを読む

「ここに飾られているのは小説になれなかった物語です」 最初に登場する「図書の塔」にて、そのような説明がされています。 一冊の本となった小説のように起承転結があるわけではない、小説の…続きを読む

もしも自分がつらくてたまらなくて誰かに相談したときに、「○○さんはもっとつらいのだから我慢しなさい」と言われたら、どのような気持ちになるでしょうか。 このお話の主人公は、いじめにあ…続きを読む

日本在住のアメリカ人青年である作者が、英会話スクールの教師をしながら思ったことが綴られているエッセイです。 英語と日本語の違い、日本に来て驚いたこと、アメリカとの違いや、同じだと感…続きを読む

三章の途中まで読んだ時点でのレビューです。 家族を失った十七歳の難民の少女セシル。彼女は、美しい容貌と白銀の髪と瞳が人目をひくことをのぞけば、ごく普通の非力な少女です。 そんなセ…続きを読む

作者様が見た夢を元にした、月に関係する不思議なお話たちです。 途中で夢を元にしたお話だということを忘れて、やさしい童話か幻想文学を読んでいるような気持ちになりました。 使われる言葉…続きを読む

「人々の願い」が魔法の力になる世界。王都と壁で隔てられたスラムに暮らす緋色の王様は、子どもたちを集めて「神様」にある願い事をしようとします。 その裏にあるのは、彼の過去にまつわる悲…続きを読む

もふもふ好きなので、こんな愛らしいキャラたちのいる異世界に行ってみたいです。 登場人物のかわいさにほっこりしました。 もふもふが大好きなのに触れない主人公の苦悩に、思わず共感してし…続きを読む

とにかくおもしろい！ ヤバいです。ヤバいですよこれ。 これを一回きりではなく続けられるのがすごい！ 勢いの良さと、他人には真似のできないギャグのセンスが秀逸です。 下ネタ満載のギャ…続きを読む

あまり詩に詳しくない者なのですが、たまに詩集を読んでいるときに、また歌を聞いているときに、「これ、好き！ このことば、なんか無性に好き！」ということがあります。 詩は小説よりも、理…続きを読む

なんと艶やかで妖しい美しい世界なのだろうと思いました。 ゆるゆるとめくられていく白地に青のペイズリーのワンピース。白い脚に棲む青の蛇。 めまいがしそうな遠い少年の日の思い出の美しさ…続きを読む

朝を司るニワトリと、夜を司るフクロウ。 彼らは大切な役目を果たしながら、共に暮らしています。ですが、住処に戻るとふたりは……。 まるで古の神話のように壮大で、詩のように色彩豊かで…続きを読む

にゃんともかわいい、にゃんことわんこの和風バトルです！ 愛らしいだけでなく、戦闘ものとしての描写も見事です。とても読みやすくて、臨場感に満ちていて、彼らの戦う姿がありありと頭に浮か…続きを読む

十九世紀の英国が舞台の魔法と幻想の物語です。 何より特筆すべきは、当時のロンドンの様子についての描写の細かさです。生活感が漂っていて、歴史的背景にも触れられていて、まるでこの世界の…続きを読む

魔族の町で育った子供・サターンは、勇敢で思いやりのある子。大好きな魔王ロベリアを守るために旅立ちます。 この物語に登場する魔族は決して悪者ではありません。それなのに、なぜ勇者は魔王…続きを読む

政略結婚の道具として他国に嫁いだある小国の姫。 そんな姫君の身に迫る危機。 しかし彼女はおとなしく不幸な運命を受け入れるだけの女性ではなかった。 独特の静謐な雰囲気のある東洋風フ…続きを読む

持って生まれた特異体質のせいもあり、朝寝坊ばかりして授業をサボり続ける問題児の友人。 だけど、実はそれには深い訳があって…。 落語のようにポンポンと弾む気持ちの良いリズムに乗って…続きを読む

元の童話の雰囲気を損なうことなく、独自の設定を加えた楽しいお話です。 魔法と美貌の力だけでなく、自らの才能や亡き父の愛で、明るい未来を切り開くシンデレラ。応援してしまいます。 小説…続きを読む

神秘的で、静謐で、美しい森の中を、声に導かれながら、自分もさ迷っている気持ちになりました。 一定のリズムで刻まれる「ホーホー」という鳴き声が、心地よく幻想の世界へ誘ってくれます。 …続きを読む

いっときの美しくも儚い夢を見ていたかのような読後感です。 百合の花を体に宿らせた若き姫君の生の歩みが、やわらかで雅やかな文体でつづられており、独特の平安幻想を作り上げている物語です…続きを読む

大ヒットしたとか、すごくメジャーであるわけではないが、質の良い聞き応えのあるアニソンについてたくさん語られています。 読む者を不快にさせることのない、愛情のこもった楽しいレビューで…続きを読む

読みやすい巧みな文章で綴られる、どこか詩的でかつ心あたたまらない童話的世界。長さ的にも「ちょっと読んでみようかな」という方には最適な短編だと思います。 高い技術で全力の馬鹿をやって…続きを読む