概要
そして、2羽は今日も
夜のフクロウと朝のニワトリの毎日の話。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!朝と夜を司る鳥たちの美しくて切ない物語
朝を司るニワトリと、夜を司るフクロウ。
彼らは大切な役目を果たしながら、共に暮らしています。ですが、住処に戻るとふたりは……。
まるで古の神話のように壮大で、詩のように色彩豊かで美しい世界に引き込まれました。
キャラクターが鳥であることで、どこか親しみやすい愛らしさも感じます。
そんな愛すべき彼らの背負っている運命の切なさが、心に深く残りました。
「夜のフクロウ 朝のニワトリ」この言葉だけで、もう想像力をくすぐってくれます。
タイトルから膨らませた期待を、この作品は裏切ることはありませんでした。読んで良かったです。
童話の読みやすさ、発想の豊かさを持ちながら、大人の情感に訴えかけてく…続きを読む - ★★★ Excellent!!!同じ時を過ごせなくても、せめて同じ夢を見ていたい。
フクロウが起きると世界は夜になる。
ニワトリが起きると世界は朝になる。
お互いが微睡んで朝と夜は交代する。
神話にも似た設定と、柔らかな文体によるストーリーテリングはまさしく「童話」。私は絵本作家の安野光雅氏が好きで、彼の絵本をよく読んでいるけど、自然と彼の画風で物語が想像された。
同じ刻を同じ場所で過ごしている筈なのに、起きてみるといつも相手は眠っていて、どうやっても起こせないから起きている時はいつもひとり。相手の寝顔を見て今日の眠りに就けるのに、一度だって言葉を交わした事は無い。もしかすると、彼らが同時に起きていられても言葉は通じないかもしれない、とそんな老婆心もある。
でも、…続きを読む