朝と夜を司る鳥たちの美しくて切ない物語

朝を司るニワトリと、夜を司るフクロウ。
彼らは大切な役目を果たしながら、共に暮らしています。ですが、住処に戻るとふたりは……。

まるで古の神話のように壮大で、詩のように色彩豊かで美しい世界に引き込まれました。
キャラクターが鳥であることで、どこか親しみやすい愛らしさも感じます。
そんな愛すべき彼らの背負っている運命の切なさが、心に深く残りました。

「夜のフクロウ 朝のニワトリ」この言葉だけで、もう想像力をくすぐってくれます。
タイトルから膨らませた期待を、この作品は裏切ることはありませんでした。読んで良かったです。

童話の読みやすさ、発想の豊かさを持ちながら、大人の情感に訴えかけてくる作品です。
読了後には、身近な人と何気ない言葉を交わす日々を、よりいとおしく思えるかもしれません。

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