夜のフクロウ 朝のニワトリ

作者 PURIN

84

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★★★ Excellent!!!

朝を司るニワトリと、夜を司るフクロウ。
彼らは大切な役目を果たしながら、共に暮らしています。ですが、住処に戻るとふたりは……。

まるで古の神話のように壮大で、詩のように色彩豊かで美しい世界に引き込まれました。
キャラクターが鳥であることで、どこか親しみやすい愛らしさも感じます。
そんな愛すべき彼らの背負っている運命の切なさが、心に深く残りました。

「夜のフクロウ 朝のニワトリ」この言葉だけで、もう想像力をくすぐってくれます。
タイトルから膨らませた期待を、この作品は裏切ることはありませんでした。読んで良かったです。

童話の読みやすさ、発想の豊かさを持ちながら、大人の情感に訴えかけてくる作品です。
読了後には、身近な人と何気ない言葉を交わす日々を、よりいとおしく思えるかもしれません。

★★★ Excellent!!!

「ありがとう」と伝えられない切なさはあります。
けれど、お互いがお互いに感謝している気持ちは通じあっているようですね。

わたしたちも、見えないところで誰かが何かをしてくれていて、そうして社会が回ってます。
掃除をしてくれたり、整備してくれたり、準備してくれたり……姿は見えないけれど、その誰かにいつも感謝しながら過ごしたいものです。

そんな風にお互いが思えたら、争いごとは減りそうだなと思いながら読ませていただきました。

★★★ Excellent!!!

このお話では、フクロウとニワトリが、生まれたときから永遠に、よるとあさをくり返しているみたいです。
使命のために生きている二羽ですが、実は互いに思うことは同じなので、たまには寝違えて相手の懐に飛び込んでもいいのではないか? ともどかしくなる、やさしさに満ちた物語です。

★★★ Excellent!!!

フクロウが起きると世界は夜になる。

ニワトリが起きると世界は朝になる。

お互いが微睡んで朝と夜は交代する。

神話にも似た設定と、柔らかな文体によるストーリーテリングはまさしく「童話」。私は絵本作家の安野光雅氏が好きで、彼の絵本をよく読んでいるけど、自然と彼の画風で物語が想像された。

同じ刻を同じ場所で過ごしている筈なのに、起きてみるといつも相手は眠っていて、どうやっても起こせないから起きている時はいつもひとり。相手の寝顔を見て今日の眠りに就けるのに、一度だって言葉を交わした事は無い。もしかすると、彼らが同時に起きていられても言葉は通じないかもしれない、とそんな老婆心もある。

でも、心は言葉ではないから、そこにいるだけで通じ合える。

だから今日の夜と明日の朝は、せめて夜と朝を眠気まなこで過ごす誰かに思いを巡らせていたい。たった今目覚めた人には「おはよう」と、たった今目を閉じた人に「おやすみ」と呟く。

相手がわからなくともそういう存在は必ずいて、そんな存在との心の通じ合い方があると、この作品は思わせてくれる。

★★★ Excellent!!!

手を伸ばせば届く距離に居るのに。
目覚めて初めて見るのも、眠りにつく前に見るのも、いつも君なのに。
君のこともっと知りたい、もっと語り合いたいと思っているのに。

けれど、それが決して許されないことだと知っている。

切ない恋物語のような、世界の秩序を創る「ふたり」の物語。ちょっと悲しいけれど、そばに居るだけで、もしかしたらそれだけで良いのかも……と思ったりして。

一枚一枚、絵本をめくっていくような優しさと、ただの寓話で終わらせたくない程の甘酸っぱさを併せ持つお話を、過ぎ行く年を想いながらじっくりと味わってみてはいかがでしょうか。

★★★ Excellent!!!

やさしいクレヨン画の絵が見えるようなおはなしです。

童話のようでもあるけれど切ない物語。

同じ空の下で。
同じ家の中で。
一緒にいるのに一緒じゃない。

暁の「彼は誰(かたはれ)」どき。
薄暮の「誰ぞ彼(たそがれ)」どき。
少しのあいだ交わるけれどまた離れて。

きっと空を眺めたらこのふたりのことを思い出すようになります。
夜のフクロウさんに朝のニワトリさん。
切ないけれど優しい、素敵な世界観をぜひみなさんにも。

★★★ Excellent!!!

日が昇り、動物が賑やかに過ごし、植物がたっぷり陽の光を浴びる「朝」。
日が沈み、動物たちの多くが夢の中で安らぎ、植物たちものんびりと休む「夜」。
それらを司る役割を担うのは2羽の鳥。でも、彼らは同時にある寂しい宿命を背負っていて……。

お伽話や神話のような壮大な世界観の中にどこか切なさを交えた、丁寧に作り込まれている童話作品です。

★★★ Excellent!!!

こういうお話大好きです。
語り合えない二人が、互いを思う気持ちがいとおしく、自分のつくる世界・相手がつくる世界に感謝しているところが、ほんとうに互いを尊重していてとても素敵でした。
あぁ、でもほんとうは、役目と切り離して、語り合ってほしい!語り合わせてあげたい。
素敵な物語をありがとうございました。