帆場蔵人

短い、しかし本質を巧く捉えて詩情豊かな作品です。

よくこれだけの料理を考えられるものだと驚かされます。詩集にしてメニュー、みたいに店に置いてあったら楽しいでしょうね。

邪視、邪眼、見てはいけない、見られてはいけない、ものがあるのかもしれない。そして視覚は受容体なのに何故、ぼくら人の視線を感じると思うのだろうか？ ジーっと鏡を見てください。瞳の奥を…続きを読む

懐かしさすらある都市伝説が子どもたちの間で囁かれ…… 友達の友達、というフレーズが都市伝説ではよく言われますね。その出どころの怪しい噂話は巷間を這いゆき、また一つ、また一つと付け足…続きを読む

はるよ、こい このフレーズだけで日本人ならさまざまな歌、童謡だったりを思い浮かべますね。するり、と言葉が入ってきます。 面白い、と感じたのは春が自身に内包されている…続きを読む

平易な言葉で詩を綴るのは難しい、と思います。ですが、この詩集はそれをうまく綴りながら気取ることなく気持ち良く読ませてくれます。

鴎の街などでは文字の並びも利用して視覚的な実験作も描かれていますが、根幹にある言葉がしっかりとされているので奇を衒った印象はありません。読み上げていくうちにさまざまなイメージが鮮烈…続きを読む

口語自由詩になるのでしょうか。 歌詞的な要素を含みながら、言葉が引き合い読み手を高く、高く、飛翔させていく。奇をてらった言葉と向き合っていない作品では無理なレベルだと思います。迷い…続きを読む

綺麗な言葉が美味い！ですね。なんとも穏やかでありながら詩情に溢れています。読み終えると、緩やかに眠れそうな詩があります。

気持ちの良さがある。 自分が意識していない身体感覚や言葉を呼び覚ましてくれる。それは言葉の上だけにとどまらないと感じました。 特に『心臓を踏む』は秀逸なショートショートの核を読んだ…続きを読む

初めて出会った幽霊はひどく気さくな女の子だった。典型的な怪談ですが何処となくほんわかしてしまいます。あと、幽霊のある描写が海外ドラマスーパーナチュラルの取り憑かれた人間を思い出した…続きを読む

あゝ、こんなクトゥルフ神話もあるのだ。いつもながら海野さんの物語は救いがあり救いようがない。それでも存在する限り誰もが何かを求めて、前を向いて歩いている。

他愛もなく自愛もないのか。狂気がふんだんに盛られたフルコース。救いようが無いほどに爽快な言葉に、あなたの狂気も目を覚ますかも。

まだ三編の詩を読んだだけですが、軽妙なリズムの『革靴』、『雨』『雨・再考』の雨粒の視点から積み上げられる言葉は心地よいものです。 一つの詩を違う文体で書いてみるとまた、違う味わいを…続きを読む

童話だろうか、神話だろうか。繰り返す朝と夜の象徴の物語。まるで詩のような情緒溢れる切なさがあります。

90年代初頭に起きたあの事件、僕に、いや様々な人に爪痕を残した。まさかあの事件について再び、誰かの体験を読むことになるなんて。

軽い語りが後からじわぁ、と浸みてきました。一話目が僕にはたまらなかった。しばらくバイクやロードに乗れません。

二十年に渡り蒐集された中の選び抜かれた怪談、奇談が貴方をきっと楽しませてくれるはず。読み終えると貴方が気づかなかった怪異に出会うかもしれませんが。

コックリさん、かなり懐かしいと感じた方が多いのではないでしょうか。そのうち何割かは実際に体験しているんでしょうね。だからこそ、読み始めると懐かしさで過去を追体験している気分になりま…続きを読む

これは怖い。筆者の弟が始めた実験、ソレの存在を多くの人がつぶやき始めたとき、何かが起こる。

子どもの頃の恐怖体験なのです。この話を読み終えてから、自分の中で折り合いをつけていた子どもの頃の引っ掛かりが捲れ上がってきて何かが這い出してくるような気分になりました。何処にでも怖…続きを読む

小説なのだと思うのだけれど、 怪談を集めるために話を聴くスタイルなので、もしかして少しは本当にあった事が混じっているのではとぞくっ、とさせられます。丁寧に書かれたショートショートで…続きを読む

身近に神様がいるその町ではお願いすれば叶ってしまう。
妙に癖になるコメディタッチなブラックさがある作品です。短時間で読めるのでどうぞ皆さん味わってください。

何処にでもあるような幼い男女の甘く苦々しい子供時代が綴られていきます。やがて大人になった二人の再会。最初の方を読んでいるとなんとなくオチは見えなくもありません。けれど、それでも、ラ…続きを読む

熱い！密度の高い格闘シーンが描かれています。さらに各人物が巧妙に配置されているので、視点の切り替わりに違和感もありません！ 何より、主人公の葵が最高に強くて可愛い！現実でも強いんだ…続きを読む

まさにロマンである。何かって？人虎、人狼……ね？わかる人には堪らない響きでしょう。わからない人は読んでください。楽しさも、淋しさも、切なさも、強さも弱さも、優しさも、きっと見つかる…続きを読む

なんとも刺激的なタイトルですが非常に知的好奇心を擽ぐられる内容でした。文章も丁寧ですし、なにより身近な食べ物の起源、由来に触れて食を味わい深くしてくれます。

連作短編を意識されているだけあって一話のなかでメリハリが効いていて面白い。何より本当に北海道を探索しているようで、所々で出てくるご当地のネタが良いです。

全ては過去。
案外、こんな会話や思いだったのではないかと思えてしまう。そう考えるとひどく清々しいですね。ねぇ、神様と内心でにやり、としてしまいました。

見知った土地の既知の伝承がこの作品を読むにつれて、クトゥルー的な色合いを帯びていく。この作品がクトゥルフ神話なのかクトゥルフ風なのか、齧った程度の僕には判別出来ない。しかし、確実に…続きを読む

まず……バケモノ×ケンゲキ！名前が最高に好きだ！ 帝都に来たバケモノ狩りの少女は少しずつ自分というものに向き合わざるを得なくなり……主人公の吹雪を囲む人たちが良い味を出てます。そ…続きを読む

短いながら、あれ？と思い読み返し怖さがやってくる話など、独特のリズムで語られる話の数々。ぜひ、ご一読を。

フロッピーディスクにご用心。
やり直したい、取り返したい、そんな誰もが抱く心の隙間にソレは挿し込まれます。さて、虚か実か。それはあなたが読んで判断してください。

そうですよね！レビューは難しい。こんな凄い作品に出会えたのに、表せない。辛いんです。でも、それでもより良い言葉を求めて、面白かったを作者さんに伝えたいんですよね。

遣る瀬無い。 何もかもを抱え込んでいた彼に、僕は激しく共感すると同時に彼に怒りを覚える。同族嫌悪だろうか。（抱え込むといういみで） 有り触れた話ではあるのだけれど、それにここまで読…続きを読む

帝都とかスパイ、て単語だけでイメージが膨らむくらいこう言ったジャンルは沢山、書かれている。しかし、それでも書き尽くされないのはそれが実際の過去というよりは一つのファンタジーとして確…続きを読む

さて、春は入学の季節てことで学園コメディはいかがでしょう。あなたも蝉丸くんに何か依頼してみませんか？楽しい学園生活がこの先にありますよ。

一見、ほのぼのかと思いますが、メタな発言にも見えるセリフもあり、考えてしまいます。長さも文章のテンポや話の流れに良い感じになってます。

何気ない光景に吐き出される湿った感情と、過去。老婆の呟きが、まさかそこに辿り着くとは。繰り返される、あるフレーズの不気味さと語り手自身への恐怖が、じわじわと高まる。

懐かしかったり、読み落としてるとか考え、楽しめました。創作の参考にして新しい恐怖を書いてみたくなります。ありがとうございますm(__)m

日常と非日常、ぐるりと表裏がひっくり返る。そしてまた、日常に……お見事。語りと仕掛けが巧妙です。