本当に怖いのは、幽霊とかそういった類のものなのだろうか。 ラストであなたに訪れるのは驚愕の恐怖でしょう。
ネタバレを含みます。閲覧には、ご注意下さい。子どもの心のどす黒い部分を具現化した存在だと、あの友を見てみるのはどうだろう。復讐したいと思えば、そんな側面もあるだろう。しかし、それは今もなお続いている。きっと主人公は、許しきれないのだろう。憎悪がまだ渦巻いているのかもしれない。
何気ない光景に吐き出される湿った感情と、過去。老婆の呟きが、まさかそこに辿り着くとは。繰り返される、あるフレーズの不気味さと語り手自身への恐怖が、じわじわと高まる。
あるニュータウン開発時に創建した比較的新しい神社。その神社の祭具殿の隙間から「おいしいよ」と猫なで声で、声を掛けてくる謎の少年。その声に誘われていくと……。物語は主人公の語りで進んでいきますが、最後にあっと驚くことが待っています。ラストの文章で、読了後、ゾクゾクと身震いします。
夏に読むホラーに丁度いい。主人公の自意識も考えさせるところがある。