「〇〇君の友だちが、変な人見たんだって!」
「アタシ、キレイでしょ?――って訊くんだって!」
子どもたちがヒソヒソとささやく噂話は、昔流行った『口裂け女』の都市伝説によく似ていましたが……。
その話なら知ってるよと、たかをくくって読んでいると痛い目に遭いますよ?
たわいない噂話の正体と覚しきものが垣間見えてくる辺りから、じわじわと恐怖が背筋を凍らせます。
完成度の高いホラーはジェットコースターに似ていて、時系列で並べただけに見えるエピソードが、高まる恐怖感とともに次第に加速して、最後は悲鳴を上げてしがみつくしかない状態に持っていかれます。
ラストの、この得体の知れない怖さは何なんだ。
どこからともなく「世にも奇妙な物語」の例のメロディが降ってきました。