概要
現代ではその存在は公的に否定され、都市伝説となっている。
しかし、人獣は実在した!
彼らは同じ獣を祖に持つ者達で寄り集まり、細々とその血脈を維持している。
相賀赫真は虎の頭を持った人獣「ウェアタイガー」の一族であり、その互助組織「虎群会議」の一員でもある。
今では血も薄まって獣の姿を取る事も出来ず、ただ廃れゆくばかりの血族の誇り。
赫真はそんな中でも珍しい、満月の晩に獣頭人身に変身できる「先祖返り」である。
月夜の晩に変身するような体質では普通の生活を送れるはずもなく、私立探偵という特殊な稼業に行きついた。
日々舞い込む、人獣にまつわる事件の数々。
赫真は飄々と仕事をこなす。強者として生まれついたからこそ、暴力を嫌いながら。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!探偵モノは昭和おっさんに効く
最近めっきり見なくなった探偵モノ
古典ならヨーロッパからはシャーロック・ホームズやエルキュール・ポワロ、米国代表フィリップ・マーロウ、ロックフォードなんてのも有りましたよね
和製探偵なら少年探偵団を率いる明智小五郎から工藤俊作、et
c,etc…
昭和の頃は変身しないヒーローはほぼほぼ探偵でしたw
けど、その後は変身代表の仮面ライダーも探偵したんだし、人獣も探偵してもいいじゃない?っていうか、腕っぷしもそうですが五感が優れているのですから一般人よりは優れてるだろうしなぁ…
ただ、何が探偵しててもほぼほぼ決まったパターンは仕事がなくって懐具合が…w
この作品もやっぱり仕事がない探偵w
ごく普…続きを読む - ★★★ Excellent!!!弱いもの虐めはいやだなぁと、誰よりも強く優しい彼はそう言った。
獣の頭の探偵と聞いて、これはとある往年の傑作の再来、とんでもなくハードボイルドな内容に違いないと思って、私はこの作品を開きました。
……気が付けば読み終わっておりました。
そうして、胸の内に去来したのは、なんとも優しい感情だったのです。
主人公は、どこか抜けているようでいて、しかしとても賢いです。本能的なものなのか、嗅覚が飛び受けています。
たくさんの問題、それこそ無理難題が、探偵である彼の前には降りかかってくるのですが、気が付けばすべて丸くおさまっています。
人徳──いえ、人虎徳、でしょうか。
彼が作中で掲げたスタンスは、とても魅力的で、理想的で、だからこそ難しいものでした。
それで…続きを読む - ★★★ Excellent!!!<(_ _)> やばい! マジ面白い話だ、これ……
読みやすいハードボイルド。ハードボイルドと言っても堅苦しくない。たとえば、シティハンターが好きならはまれるはずだ。
もちろん、若い人も楽しめるが、ある程度年齢が言っている人は、もっと楽しめるかもしれない。
懐かしい空気を漂わせなた、若き日に憧れたスタイルがきっとここにある。
人虎等の設定を上手くいかし、物語を導入から結末まで無駄なくスムーズに進めている。
序書を読んだだけで「やばい、これ面白い話だ」とまるで直感のようにわかる魅力がある。
年齢層を選ぶ作品ではあるので、一般受けに関しては難しいかもしれない。
しかし、おもしろかった。
ごちそうさまでした。 - ★★★ Excellent!!!相賀赫真は、二流を止められない。
いつまでもいつまでも、この世界観に耽溺していたい。
読み終わる前から、まだ物語が動き始めた序盤のうちから、そんな思考が渦巻いた。
浪漫に溢れた独特の世界観、人獣たちの暗躍する息づかいが聞こえてきそうな、実に生の香り漂う世界。
物語の運びはもとより、ただキャラクターたちのやり取りを読んでいるだけでとても楽しく心地よい。
この心地よさをレビューで表現するのに現在大変戸惑っているのだけれども、1つだけ言える。
これは、とある層は好きで好きでたまらない物語だ。
たぶん、惚けて魂抜かれるやつ。
そんな風に腰砕けになりかねない麻薬のような物語だが、少しでも気になったのならば絶対に読んでみたほうが…続きを読む