15センチと聞いて何を思い浮かべるかは人それぞれ。それは単なる距離であったり、物の大きさであったり。
しかし、この作品に登場する15センチは……ある意味で主人公の本心を表していると言えるでしょう。
思い通りにいかない人生に葛藤し、友人から何時しか片思いの異性へと変わりつつあった己の心に戸惑い、そして最後は……。
決してハッピーではないですが、それでも最後の瞬間は一種の充足感で満たされたのかもしれません。
そして気になるのはアレの行方が何処へ行ってしまったのか……。読み終えた後も読者の関心を離さない、そんな独特な作品でございます。皆様も是非一度読んでみて下さいませ。
このお話には、色々な15cmが登場します。
幼い頃の15せんち。
再会した時の15CM。
そして、ラストの15センチ。
それぞれに込められたメッセージは、一貫して主人公とヒロインの間にある「違い」が、徐々に収束していく。
物理的な距離と、目には見えない色々な距離。
それがぶつかる最後は、本当に圧巻でした。
ぞっとするような、ほっとするような。
作り込まれた内容もそうですが、ヒロインの心情を描くことが、本当にきれいでした。
文章のリズムを崩さない端的でドンピシャリな表現は、読んでいて本当に勉強になりました。
内容、描写ともに、格の違いを見せられました。僕も頑張らないと、、、。
にぎた