和団子

A君（仮名）が目撃した、病院前の赤い車。 その歪さはさることながら、その赤い車を見た時から、彼は奇妙な夢を見始めます。 その赤い車は果たしてタイトルにもある地獄からの使者「火車」…続きを読む

あらすじや物語冒頭にある妖怪七変化の噂。 狭いアパートで慎ましく暮らしていた兄弟2人の日常が、その噂に沿って徐々に蝕まれていきます。 初めは少しの違和感。そしてそれがどんどん大き…続きを読む

女子高生である「私」が引っ越した先。そこは曰く付きの部屋でした。 隣に住む先輩にいつも公園に居るニート男。そして部屋で感じる妙な気配。 冒頭の襲われる場面からラストまで、要所に散…続きを読む

主人公のオーティスは、自分勝手な夫でした。 双子の弟であり、恋敵でもあるヴィクターからエンバーを奪い、それだけでなく、彼は外で愛人もつくるようになってしまいました。 ある日、妻エ…続きを読む

このお話は、作者様が幼い頃の実体験なんだそうです…。 自営コンビニに勤めるお父さま。深夜に店を閉めて、それから帰ってくる。 幼い頃の作者様は夜分遅くまで起きていることが多いのです…続きを読む

とあるリサイクルショップで一目惚れした赤い靴。ふくよかな体型のヒロインは、ものは試しと試着してみるとまさかのサイズがぴったりに。 それからその赤い靴が似合う体型になるためにとダイエ…続きを読む

とあるお坊さんの元に預けられた棺桶。中には遺体のはずなのに動く老婆が入っていました。 お坊さんの目線から語られるひと晩の恐ろしい出来事…ですが、お坊さんのコミカルで飄々とした語り…続きを読む

幼馴染のチョコちゃんが健気で可愛くて、哀愁あるストーリーで惹き込まれました。 文章も素敵で、冒頭の髪の描写も良かったです。 そして、ラストも…泣。 夏のノスタルジー感じる作品です…続きを読む

とある夢を見ている主人公。母と一緒にいる夢。静かで、ゆったりと進む心地よい夢…ですが、主人公は母の顔を知らないのです。 まるで清らかな小川のような文章は、本当に夢心地のようでして…続きを読む

まるで白昼夢のような掴みどころの無い雰囲気や、奇妙な出来事たち。 とある夕方の帰り道。ヒロインがいつものは違う道を選んだがために体験した不思議なお話です。 読者である私たちの不…続きを読む

ホテルって曰く付きな話が多いですよね。 語り手である主人公のかつての上司―Aさんの体験した話。いわゆる大人のお店へAさんは行くことに。 そんな大人のお店って、怪談とは真反対なイメ…続きを読む

昔話として語られる本作品。アンデルセン童話の『赤い靴』さながら、とある靴を中心に悲劇が起こります。 ただのお遣いのはずなのに、たったひとつの（しかも子どもらしく可愛らしい）過ちで…続きを読む

あの年の3月11日。東日本大震災の津波災害によって亡くなった（行方不明になった）主人公のお姉ちゃんとお母さん。 冒頭は主人公が空色のランドセルを祖母に見せるところから始まります。…続きを読む

登場人物は「売れない」芸人の主人公と、皿を数えるで有名な幽霊のお菊さん。そんな2人がなんとお笑い芸人のお笑いコンビとなります。 そうですコメディです。コメディですが、ただのコメデ…続きを読む

主人公が幼い頃、夏休みになると祖父母の家がある田舎へ遊びにいくことが恒例になっていました。 そこで起きたとある不思議な出来事。狐の嫁入り。 皆さまも経験したことがあるかもしれませ…続きを読む

下校中に夕立に当たった主人公。傘も忘れて困っていた彼の眼の前に、見知らぬ屋敷が現れます。 雨宿りという大義名分もありますが、彼は何かに誘われるようにその屋敷へ。 そこで起こった不…続きを読む

主人公の一人称視点で語られる本作品。 かつて悪ガキだった彼は、子どもならではの残虐性でカエルやザリガニといった生き物たちの命を軽く見ていました。 ある日、主人公は友人たちと川に釣…続きを読む

父との関係に未練があったKさん。父の死をきっかけにKさんは幽霊を追い求めるようになりました。 もしも幽霊がいれば亡き父と死後に再会できるかもしれないからです。 幽霊を追求し続けた…続きを読む

京都や奈良には昔から怨霊が息づいていますよね。 平安京の怨霊や平城京の飢饉。そしてこのお話のテーマである南北朝。およそ50年間、北側京都の足利氏と南側吉野の後醍醐天皇の両陣営は、…続きを読む

忠犬ハチ公さながら誰かを待っている黒いワンちゃん。 それだけならただの可愛らしいワンコですが、そこには恐ろしい秘密が…。 私個人的には、最後に語り手も言っていた、他の老人やOLた…続きを読む

札付きの主人公のもとに、突然「嫁にしてくれ」とやってきた謎の美女。 働かなくとも彼女のおかげで収入はあり、おまけに美人ということもあって、男性からすればまさに理想の妻ですよね。 た…続きを読む

七不思議を軸に繰り広げられる、学園ミステリー✕恋愛作品です。 冒頭の先輩との出会いから、ヒロインの好奇心と探究心によって再会するまでのストーリーも楽しく、そして後半の2人のやりと…続きを読む

祖母の介護を何よりも優先していた中学時代。そんな主人公の境遇は悲惨なものですが、その境遇と思春期特有の心理状態が本作品の不気味さとホラーらしい嫌悪感をひきたてていると思います。 …続きを読む

民族学や民間伝承の研究をしていると、その土地ならではの風習から生まれた怪異とはよく出会いますよね。 タイトルにもある「いまも」。何かの漢字を当て嵌めるのか、それとも何かの言葉が訛…続きを読む

活弁士のようなリズミカルな文体とは裏腹に、描かれている内容は不気味な怪談話です。 注文は音の演出。タイトルにもある「チリン」は、何か良からぬことの前ぶれのようで、読者の恐怖心を煽…続きを読む

「妖怪をレンタルできます」 なんてお店で言われたら、私はどんな妖怪をお借りしようかしら？と考えながら読んでいました。 ぬらりひょんにろくろ首、河童に赤鬼。 日本を代表するメジャー…続きを読む

「霊迎え」。 亡くなった人たちを迎えるのは、日本の夏のお盆特有の風習でしょうか。 本作品ではまだ「子ども」である主人公が母方の田舎へ帰省したところ、その土地独自の「霊迎え」によっ…続きを読む

本作品は幼い子どもの目線から描かれています。 子どもならではの不確かさや危うさが絶妙で、読んでいて終始ヒヤヒヤしていました。 友だちの家で見たもの。その女性が差し出した熟した柿の…続きを読む

伝聞調の本作品。 ターニングポイントは冒頭の帰路の選択。 女学生らしい理由で暗闇の道を進む自然な流れは妙にリアルで、巧みな描写と相まって、まさにリアルな怪談話を聞いているかの心地…続きを読む

都市伝説とは私たちの暮らしに隣接しています。 本作品は民族学の教授の講義から始まり、そして主人公の目線へ。 リアルな学生の心境やキャンパスの風景も見事で怖さが助長されています。 …続きを読む

日本には八百万の神々がおります。 昔から、万物すべてに神様が宿られていると。 このお話の舞台は、そんな日本の神様だけでなく、魑魅魍魎たちまでもがひしめく1000年もむかし。 今…続きを読む

その男のクズっぷりに、勧善懲悪を期待してしまうお話です。 植物だって生きてますからね。 人間よりもずっと長い間、何年も何年も。 その分、もしかしたら人間より愛憎が濃くて深いのかも…続きを読む

このお話をシリアスと捉えるかはアナタ次第です。 叫べないマンドラゴラと、愛ゆえに(魔)改造されたキツネの一本と一匹。 アイデンティティーを無くした彼らの思いや悲痛にも似たある種の…続きを読む

独特なタッチで進めるのは、妙な死生観を持った主人公の、なんと死んだ後。 一人称の自分語りで、死んだはずなのにどこか飄々としている様や、長年抱いていた死生観のせいでこぼしてしまった…続きを読む

人って天の邪鬼ですよね。 特に本作の登場人物たちのような年頃は、より顕著です。好きなのに素直になれない。恥ずかしくなって、つい意地を張る。キュートアグレッシブって言葉もあるみたい…続きを読む

吸血鬼と人間。 両者の関係性や主人公の立場が新鮮で、どんどんこのお話に魅了されていきました。 時にあたたかくのびやかに、時にピリリと緊張感を。 そして最後。長老と主人公が呼ぶ彼…続きを読む

今回の大神様シリーズ(勝手に私が付けてるだけですが……)は、上帝様と瑞獣である雛の恋物語です。 上帝様が抱かれる青龍はわ果てしなく好戦的であり、乱世のきっかけになる存在。そして雛…続きを読む

東京の有名進学校から転校してきたヒロイン美波ちゃん。本作は彼女目線ですすみます。 頭が良いのはもちろんのこと、少々独特である意味大人びている彼女。そして、出会った友人やクラスメイ…続きを読む

石化した巨人の内部で生まれ育った主人公は、「外」の世界を知りませんでした。 だから恋い焦がれた。「外」の世界を見てみたいと。 詩的な表現が印象的なこの物語は、舞台も独特です。 主…続きを読む

２８メートル――この距離は遠いのか近いのか。 このお話の主題は「弓道」です。弓をひいて的までの距離が２８メートル。そして、このお話には「距離感」といったテーマもあります。 主人…続きを読む

箱庭とは――もしかしたら、理想郷なのかもしれません。 このお話では、人と人ではなく、人と機械の戦争が終結した後の世界となり、とある学校を舞台としています。 学生にとっては学校が…続きを読む

小さな鳥居の謎。 このお話は主人公目線で進み、どこか白昼夢のような雰囲気があります。真夏の悪い夢。ふとした瞬間の哀愁のような。 その鳥居がなぜそこにあるのか。 その奥には、いった…続きを読む

まだ日本に八百万の神々や悪しき魑魅魍魎、鬼、モノノ化たちが闊歩していた時代。 性別を越えて愛し合う2人は、文字通り性の壁を越えます。 この時代ならでの演出なのか、愛するが故に苦悩…続きを読む

主人公の龍郎は、とある日の電車の中で、世にも不思議な出来事を目撃する。 それが、このお話の始まり。 まさに日常が非日常へとシフトしていくその様は、読者を物語の中に自然と誘ってくれ…続きを読む

苦しいことも悲しいことも、助けられてこそ乗り越えられる。 このお話しを読んで、そんなことを教わった気がします。 ヒロインの未咲ちゃんには、小幸ママがいて、羽崎さんがいて、スナック…続きを読む

このお話は、武術に憧れ、そしてのめり込んでいく青春そのもの。 まさに、１人の人生を読んだような気持ちになります。 各章ごとに１つの流派が描かれ、しかし武術の詳細や鍛練だけでなく、…続きを読む

何気ない家族の会話。 お父さんはウンチクばかり語ってながら、家族もちゃんとそのお話を聞いていてどのかホッコリします。 しかし、１年後、そして２０年後と時は進み、同じようなテンプレ…続きを読む

『民棋』という囲碁にサイコロを追加した遊びをテーマに描かれるのは、とある老人たちと不登校小学生の人間模様です。 民棋という遊びで心を惹きつけられながら、次々起こる不思議な出来事。…続きを読む

観覧車に居座る悪霊。 生前の記憶は無く、どうして自分が死んだのかも分からない。 彼が唯一抱いている感情は、生きている人たちに対しての憎悪だけでした。 観覧車に乗る者を不幸にする呪…続きを読む

結露した窓やガラスが、不気味に思える時ってありますよね。 普段は見えるものが見えないからなのでしょうか。 そんか得たいの知れない恐怖が、このお話にも漂っています。 手で拭った結露…続きを読む