時代を超える歴史怨霊譚

京都や奈良には昔から怨霊が息づいていますよね。

平安京の怨霊や平城京の飢饉。そしてこのお話のテーマである南北朝。およそ50年間、北側京都の足利氏と南側吉野の後醍醐天皇の両陣営は、互いに争い、権力の在り処を主張し、血を流していました。権力に対する執念や生命そのものに対する無念な感情。行き場を無くしたそれらはやがて怨霊となります。

本作品では主人公が友人とともに吉野にやってきます。そこで見知らぬ和装の少女と出会い、主人公にだけとある忠告をしてくるのですが、とある事件が起こります。
主人公たちが訪れたのは、後醍醐天皇の南側。南北朝時代では敗れた側です。
およそ600年の時を超え、ついに解き放たれた「それ」は、はたしてどれほど大きくなっていくのでしょうか。

歴史的な言葉も出てきますが、作者様の知識によって分かりやすく読むことができます。
歴史が苦手な方も、もちろんお好きな方もぜひお読みになられてくださいね。

※この度は「おばけのお話」企画にご参加くださりありがとうございました。