和団子

天狗と、そして子どもに纏わるこのお話の中核は、主人公が幼い時です。 友達のよう君が行方不明になり、一年後に見つかった。でも、よう君の様子がどうにも変だった。 「まさか……」と、…続きを読む

一話独立の短編ショートショート。 しかし、すべてに一貫して漂う不気味な、得たいの知れない雰囲気。 全貌が見えないからこそ、特に日本人は、あれこれ想像しちゃうんですよね。 皆さま…続きを読む

冬の階段と言えば、やはり「雪女」ですよね。 古今東西はありますが、どれも一貫して遭難した人たちに悪さをする。でもそれだけではなく、雪女にはぐらい過去もあるのです。 このお話に登…続きを読む

「おけつ」とは、妊婦から生まれる、人ではない妖怪です。 生まれた後、母を殺してしまう。対処方法はおけつを殺すことのみ。 このお話の本筋は、その「おけつ」をどうするのか。 怪異と…続きを読む

ヒロインは、日頃から妄想ばかりでした。 そんな彼女が引っ越した先で、夜中、「びちゃ」という音から始まる、得たいの知れない快楽。 毎日ではなく不定期に、それは訪れます。「びちゃ」…続きを読む

とある女性目線で語られるこのお話は、深く読み進めるなかで、色々なことを想像させてくれます。 何が起こったのか、見えてくると胸が苦しくなる。それでも、語り部の女性は「幸せだった」と…続きを読む

「雪女」と聞くと、遭難した登山者に悪さを仕掛ける反面、雪国ならではの切なさもイメージしちゃいます。 このお話に出てくる謎の女性。 バァと知り合いだと言いましたが、もし、仮に彼女が…続きを読む

冒頭の数え歌は、私の地元では少しだけ違ったものでした。 昔、亡くなった祖母と一緒のお風呂で、教えて貰ったことを覚えています。 まだ私が小さな頃でした。 懐かしく、このお話を読ん…続きを読む

雪の上を歩く足音が印象的でした。 お母さんに会いたくて、小屋を抜け出した小雪ちゃん、、、。 じっちゃんの優しい嘘(？)や、小雪ちゃんが触れた女性の肌触りも、冬というどこか退廃的で…続きを読む

夜中に目が覚めると、体が動かない。 いわゆる、金縛りから始まったこのお話は、ホラーでありながら個性あるキャラクターたちが面白おかしく大活躍(？)します。 不二子さんや貞子さんが努…続きを読む

頂上を目指すために、必ず通るその小屋。 ストーリーテラーの老人には、どこか悲しそうな印象もあります。 人生100年と言えども、心の底から好き勝手できるのは、ほんの一瞬。その一瞬を…続きを読む

顔も本名も知らないひとたちと簡単に繋がれるSNS。 このお話では、Twitterが舞台となって、サエコという謎アカウントがあなたの元に襲いかかります。 主人公たちの会話劇に、はじ…続きを読む

主人公に父親はいませんでした。 そんな彼と忙しい母の前に現れた喫茶店。店主は富樫。 彼は、疲れた二人のことを、何でも知っていました。 美味しいオムライスを食べさせてくれたり、主人…続きを読む

とある屋敷で起こった窃盗事件。 盗まれたのは、「オーディンの眼」と呼ばれる美しい宝石がひとつ。 探偵役は吟遊詩人に、容疑者は屋敷に使える仕様人３名。 そして、この事件を俯瞰的に、…続きを読む

少しだけ季節外れの離島へのバカンス。 2人だけの静かな時間が流れるこの世界は、まるでこの世の桃源郷のような優しい気持ちになれます。 はじめて食べる郷土料理も。島民たちや自然のふれ…続きを読む

このお話しがもつ恐怖は、読んでいながら「もしも私がそこにいたらどうしようか」と想像させてくれることだと思います。 迷いこんだとあるトンネル。 意識を失い、再び目を開けると、そこは…続きを読む

災害によって遅延した深夜列車の中。 雨に濡れた暗い窓外と、旅の帰路であるヒロインの心境。 しかし、物語はそれだけではありません。 彼女の記憶にいるひとりの後輩。ニセマキの登場で、…続きを読む

ホラー映画や小説のギミックである、災厄の前兆を報せる何か。 このお話ではそれを上手く利用していて、恐ろしくも、最後は深読みさせてくれます。 その余韻が心地よいのか悪いのかは、読者…続きを読む

高校生。カップル。夏祭り。 青春の代名詞である魅力がてんこ盛りです。 デートだからと慣れない化粧や着付けに手こずってしまう乙女心に、追い討ちはユメ君の甘くて力強い言葉、、、。 …続きを読む

少し抜けてて、少し鈍感な主人公の要。 彼の勤め先はとある出版社。しかも担当は大人気作家「貳瑰洞怪」先生！ どうして要が選ばれたのか。 物語全体に漂うその秘密も、結局、最後まで分か…続きを読む

シュワシュワと炭酸が弾けるような、淡くも爽やかで、そして可愛らしい思い出のなか。 お母さんに連れられて入った喫茶店の居心地の悪さや、弟ばかり気にかけて自分は手も握ってもらえない少…続きを読む

主要キャラクターの6人は小さなお化けでした。 死んだ後も現世？に残りつつ、コンビニでお菓子を食べ漁ったり、雨の中鬼ごっこをしたり。 でも、生きてる人間性には見えず、干渉もできない…続きを読む

一風変わった子どもの時の遊びをメインに、ヒロインを襲う恐怖。 このお話では、まず幼い頃の「あぶくたった」の思い出話ではじまります。 それから現在の高校時代になり、オカルトブログで…続きを読む

読者に語りかける冒頭で、すぐに惹き付けられました。 そんな扉があれば、私はすぐに入っちゃうかも、、、と初めは気楽に考えてました。 でも、読んでいるうちにそんな考えはグラグラと崩れ…続きを読む

タイトルの通り、四月一日はエイプリルフール。嘘をつく日です。 主人公である誠一は、遅刻の理由をいないはずの「彼女のせい」と嘘をつく。 しかし、実際に家に帰ってみると、、、。 マ…続きを読む

四つ葉のクローバーと聞くと、きっとほとんどの人が幸運の印だと思うでしょう。 このお話は伝聞形式です。 導入で、語り部の友人が体験したお話である、と。 それも、皆が知る四つ葉のクロ…続きを読む

雨宮村。 ここでは、小学生のときに婚約者が決められる。 これだけ聞くと、昔じみた封鎖的な印象があるかもしれませんが、実はそうでない。 本作のヒロインも村の風習に同じく、婚約者を…続きを読む

この物語の主人公は死んでいます。 死後３年。 死んだ後の世界で、他のお化けたちの話を聞き、彼は何を思ってるのか。 生きてる人間は弱いけど、死んだ人間は強い。 このお話を読んでい…続きを読む

冒頭は、てっきり彼女はもう……と思っていましたが、実は違う？ 彼女に何が起き、何に巻き込まれたのか。 サクッと読める短編ですが、読み終えた後には、得たいの知れない「恐怖」がありま…続きを読む

学校の旧校舎。 これだけで察しの良い人は、ここに何かが潜んでいることが分かるはずです。 このお話では美しい女性のお化けがいました。 ネタバレになるのであまり多くは語れませんが…続きを読む

大人になった今になって、子どもころに不思議な体験をしたことを思い出しますよね。 あれ？　あれって本当はお化けとか幽霊だったのでは？ 本当はカラクリがあるのですが、記憶とは曖昧で…続きを読む

病院って怖いですよね。 ついこないだ、『感染』という病院が舞台のジャパニーズホラー映画を見たところで、とくに冒頭の夜間見回りのシーンは、怖い想像を掻き立てられました。 人形はまさ…続きを読む

今では生活に欠かせないSNSから侵食するその恐怖は現代社会だからこそ。 彼女が誰なのか推理するのも良し。 ですが、最後まで読めばきっと作者様が隠された真意に、あっと驚はず。 都…続きを読む

まさに波里ワールド炸裂の物語！ ワンマンらしいブラック企業が創作の物だと信じたいのですが、どうやらそうでもないみたいです、、、。 そして起きた殺人事件。 どれだけ苦労されたの…続きを読む

光と闇。陽と陰―― 魅力的な戦闘描写はもちろん、エピローグにも注目です。 心地よい余韻と言うのでしょうか、星空をふと見上げてみると、このお話のことを想起させてくれるような……。 …続きを読む

私は夏が好きです。 味気ない日常に、青春だの恋愛だの友情だの、とっておきのスパイスを沿えてくれますから。 たまに食べ過ぎて、お腹を壊しちゃうこともありますよね。 このお話は、単な…続きを読む

出逢いは別れの始まり。 このお話の始まりは、それこそ幼い子どもの思い出のように可愛らしく、悪戯っぽく、健気なものでした。 そして終わり――別れは、純粋な哀愁を感じさせてくれます。…続きを読む

冒頭で芸術家の作品が絵画や彫刻ではなく、「なぜ生活雑貨なのか」と思いました。 なるほど、彼は狂気をそのように具現するのかと驚きました。 言葉遊びとは、またひと味違う。 最後で最恐…続きを読む

小さい子どもは、まだまだ大人に頼らないと生きていけません。 だからなのか、他人の感情に敏感ですよね。善意、そして悪意にも。 主人公には、誰にも言えない邪な秘密がありました。 し…続きを読む

正直、最後はヒヤッとしました。 冒頭の思い出から、主人公の境遇。帰省の列車での出来事や、たまたまあった同窓会。大小長短あるけれど、それらすべてのベクトルが、あの夜の彼の行動に結び…続きを読む

子どもって不思議な経験をしますよね。 素直だからか、幽霊や妖精、魔法を本当に信じているからなのでしょうか。 このお話は、「実体験」として語られます。 誰もいない公園で、自転車の…続きを読む

偉大で畏れ多い「大神様」。 世界に平安を、人々に慈悲を与えるお方でも、恋心には弱かった……。 頑固で、意固地で、、、あまり書くと罰アタリな気もしますが、しかし、ある方の登場でそん…続きを読む

短編で終わって欲しくない、と率直に思いました。 唐突で興味深い冒頭に、斬新で予想できない「解答」は、他にも多くの物語を想起させてくれます。 ミステリーであり、人間ドラマでもあり…続きを読む

この物語を読んでいて、最初に思い付いた感情は、純粋な嫉妬でした。 男女の恋愛には秘め事が多い。 一人は、大手で大量な仕事をこなすサラリーマン。片やお世辞にも大きなとは言えない町工…続きを読む

舞台は、異端の天才建築家が建てたとある一軒家。 タイトルと冒頭を読むと、私も乱歩の『鏡地獄』を想起していました。 作者様も述べられておりましたが、鏡とは神秘的かつ不思議な魔力を…続きを読む

舞台は江戸時代のとある武家屋敷。 長男である宇兵衛は、ある夜不快な怪異と遭遇する。 正体は何なのか？ 誰に相談しても、「寝ぼけていた」と言われるばかりです。 しかし、武家屋敷…続きを読む

舞台はとある小学校。 どこの学校にもあるような怪談話を確かめようと、夜な夜な学校に侵入するトリオが、ついにお化けと出会ってしまう。 でも、それは気の強い、お化けらしくないお化け…続きを読む

舞台は仙台にある夜のお店。 ヒロインはいわゆる「見える人」で、そこにお客さんとして来店したAさんから、「かごめ」の話とここ仙台の町の話を聞きます。 皆さまもよく知っている「かご…続きを読む

舞台は姉の結婚式。 柔らかな一人称視点で語られる主人公の独白は、単なる思出話ではありません。 途中で気がつき、告白される彼の真実に、読んでいて胸が痛みました。 「まるお」の存…続きを読む

舞台はヒロインの回想と、母親の夢の中。 なんとも奇妙な夢の中で、母親はおばあちゃんと出会う。 こういうお話を読むと、いつも「生きてる人間は弱いが、死んだ人間は強い」という言葉を…続きを読む